日本経団連タイムス No.2960 (2009年7月23日)

ABAC日本支援協議会が09年度総会

−新会長に渡辺氏選任/中間報告会も開く



握手する上島前会長(左)と渡辺新会長

APEC(アジア太平洋経済協力)唯一の公式民間諮問機関、ABAC(APECビジネス諮問委員会)の支援団体であるABAC日本支援協議会は9日、東京・大手町の経団連会館で、2009年度会員総会とABAC/APEC中間報告会を行った。当日は、会員企業をはじめ、関係省庁、支援経済団体、ABAC活動に関心を持つ企業・団体から、100名を超す出席者があった。

会員総会では、08年度の活動・収支報告、承認に続いて、役員の改選が行われ、6年にわたって同協議会の会長を務めた三井物産の上島重二特別顧問が退任し、トヨタ自動車の渡辺捷昭副会長が会長に就任した。

上島前会長は退任にあたり、「ABACが、近年では温室効果ガスの削減をはじめとする環境対策、エネルギー・セキュリティー、食糧安全保障といった地球的規模の課題も取り上げ、世界GDPの54%を占めるAPEC地域のさらなる成長と発展に向けて、積極的な取り組みを行っていることを非常に心強く思う」と在任中の活動を振り返った。

代わって就任した渡辺新会長は、「来年は、日本がABAC/APECの議長国を務め、リーダーシップを大いに発揮し得る大事な年。日本の産業界の意見を、ABACを通じて、APECの政策により一層反映させるためにも、ABAC日本支援協議会の役割はますます重要になってくる」とし、会員企業の支援、協力を呼びかけた。

この後、09年度事業計画・収支予算案が承認され、会員総会は閉幕となった。

第二部の中間報告会では、渡辺喜宏委員(三菱東京UFJ銀行顧問)、相原元八郎委員(三井物産顧問)、森本泰生委員(東芝常任顧問)の3人のABAC日本委員による09年度のABAC活動の報告に続き、経済産業省の塩田誠審議官、外務省APEC室の佐々山拓也室長から、APEC2010年日本議長国の意義、2010年の関連会議の開催日程案についての説明があった。その後、相原委員が2010年ABACのテーマ設定作業の進捗状況について説明。さらに、プレゼンターと会場の間で質疑応答・意見交換が行われ、エネルギー問題の取り上げ方、中小企業の参加のあり方など、幅広い案件について、会場から質問、意見が寄せられた。

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