日本経団連タイムス No.3008 (2010年8月5日)

グリーンフォーラムが合宿講座

−リーダーシップとマーケティングをテーマに学ぶ


5月に開講した日本経団連グリーンフォーラム第5期が7月9、10の両日、合宿講座を実施した。初日は関島康雄アドバイザー(3Dラーニング・アソシエイツ代表)がリーダーシップについて、2日目は菅野誠二・ボナ・ヴィータ代表がマーケティングについて指導した。

初日の「変革をつくるリーダーシップ」ではまず、5年後の自分をイメージして3分間で相手に伝えるトレーニングを実施。関島講師は、仕事の段取りをつけ、プロジェクトをマネージするためにイメージトレーニングが必要であることを示唆し、「イメージできないことはマネージできない」と強調した。

さらに、90年代以降の経済環境の変化によって企業の競争の仕方やスピードが大きく変化したことから、戦略理論やリーダーシップがますます重視されるようになった状況を整理。あわせて日本が抱える経営上の問題点として、戦略の巧拙で他国に逆転されがちであることや教育投資が必要であることなどを指摘した。

続いて、こうした変革期に求められるリーダーの役割と必要なスキルについてグループ討議を行い、関島講師が全体を総括した。

そのなかで関島氏は、変革期のリーダーとは「たとえ途中で方針が変わっても、信頼してついていくことができる頼もしい存在」とし、「リーダーシップを自分自身に発揮し、自分自身で育てるべき。そのためには何より普段が大事」と結んだ。

合宿2日目は、「フラット・マーケティングにどう対応すべきか」がテーマ。指導に当たった菅野講師は、経営者や企画・マーケティング担当者が現在抱えている課題や悩みを列挙。ツイッターに象徴されるように、世の中のスピードが一層速くなり、商品の短命化や小売り戦略の変化、消費傾向の変化などによって、物の売り方が地殻変動的に変化し、企業と顧客の立ち位置がフラット化している状況を説明。こうした状況のなかでも成功している企業のベストプラクティスを紹介しながら、フラット化への対応を指導した。

講義を受けてメンバーは、事例をもとにグループワークを実施。ある商品を対象に、消費者心理、売り手側のマーケティング施策、さらにメーカーのトップに対して販売目標や訴求したい差別化ポイントなどを盛り込んだ提言や具体案を策定し発表した。

発表を受けて菅野講師は、SWOT分析や6C分析などの手法を活用して自社の経営チャンスとリスクを見極め、しっかりしたマーケティング・ポリシーを持つことが大切であることを指摘。「知恵と勇気があれば小さい会社でも伸びていく」と結んだ。

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日本経団連グリーンフォーラムは、マネジメントスキルを体系的に学ぶ実践的なプログラム。5月の開講から来年3月まで、毎月、グループワークを交えた講義を実施する。8月講座はコーチングがテーマ。コーチ・エィの本間達哉シニア・エグゼクティブ・コーチが指導に当たる。
グリーンフォーラムに関する問い合わせは日本経団連事業サービス(電話03‐6741‐0042)まで。

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