日本経団連タイムス No.3009 (2010年8月12日)

潘基文国連事務総長が米倉会長を表敬訪問

−ミレニアム開発目標などで意見交換


潘事務総長(右)と握手する米倉会長

日本経団連の米倉弘昌会長は4日、東京・大手町の経団連会館で、来日中の潘基文国連事務総長を迎え国連ミレニアム開発目標(MDGs)や9月の国連MDGsサミット、わが国のODA等について意見交換した。会合には、槍田松瑩副会長・国際協力委員長、矢野薫国際協力委員会共同委員長が同席した。
潘事務総長の主な発言は次のとおり。

■ 感染症の撲滅

米倉会長がMDGs達成を支援するためのアドボカシーグループへの参加を表明されたことや、住友化学の防虫効果のある蚊帳が、MDGsのひとつである感染症撲滅に貢献していることに感謝する。
感染症を原因とする死者を2015年までにゼロにするというMDGs目標の達成は現実的なものとなっている。

■ 乳幼児死亡率の低下と妊産婦の保護

MDGs目標のうち、最も達成が疑問視されている乳幼児死亡率と妊産婦の保健の達成のためには、来年末までに約150億ドルの資金が必要である。
9月のニューヨークでのMDGsサミットの際に特別なイベントを企画し、オバマ大統領や菅総理にも協力を要請する。

■ 9月の国連MDGsサミット

すでに150名の国家元首・首脳が参加を表明しており、これは、過去最高の出席者数に次ぐものである。その折には、具体的アクションを求める文書を取りまとめたい。

■ 日本のODA拠出

日本の年々のODAの減少を懸念する。日本は、国連拠出金・国連平和維持拠出金では世界第2位でODAの実額も世界第5位だが、国民総所得(GNI)比では、OECD加盟国中、最下位グループである。経済規模の大きな国はGNI比0.7%の目標達成は、困難を伴うが、欧州には対GNI比1%を超える国があり、英国のような大国でも近い将来これを達成することを視野に置く国もある。日本政府への経済界の働きかけに期待したい。

【国際協力本部】
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