日本経団連タイムス No.3011 (2010年9月2日)

米倉会長、スキオッパ・IFRS財団議長と懇談

−米倉会長がIFRS導入に向けた課題など指摘


スキオッパIFRS財団議長(左)と握手する米倉会長

日本経団連の米倉弘昌会長は8月25日、東京・大手町の経団連会館で、来日中のトマソ・パドア・スキオッパ国際財務報告基準財団(IFRS財団)議長を迎え、IFRS財団の抱える課題、国際会計基準(IFRS)をめぐる日本の状況などについて、意見交換を行った。会談には、IFRS財団から、藤沼亜紀副議長、日本経団連の経済法規委員会企業会計部会長も務める島崎憲明評議員、トム・サイデンスタイン事務局長、日本経団連から、萩原敏孝経済法規委員会共同委員長、中村芳夫副会長・事務総長、久保田政一専務理事が同席した。

スキオッパ議長、ガバナンス強化に意欲

スキオッパ議長は7月の議長就任後、最初の出張先として日本を訪問したことになるが、まず、日本のこれまでの人材・資金面でのIFRS財団への多大な貢献に謝意を示し、2012年を目途にIFRSの強制適用を判断する予定となっている日本の今後に期待を表明した。

米倉会長からは、多くの会員企業がすでにIFRS導入に向けた準備を開始しており、日本全体としてIFRS導入に向けて前向きに検討を進めているが、一方で、複数の会計基準上の課題が残っている点、投資家寄りともいわれるIFRSの哲学に企業の経営者の視点から相いれない部分がある点、などを指摘した。

これに対して、スキオッパ議長は米倉会長の指摘に同意したうえで、投資家にとって、企業価値を測るための統一された「ものさし」が必要である点を指摘した。また、米国や日本がIFRS導入に関する決断を行う2010年から2012年がIFRS財団にとっての極めて重要な時期となることから、誰もが納得するようなIFRS財団の活動に向けたガバナンス強化に意欲を見せた。

【経済基盤本部】
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