日本経団連タイムス No.3018 (2010年10月28日)

米倉会長記者会見


日本経団連の米倉弘昌会長は25日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

米倉会長は、まず、G20財務相・中央銀行総裁会議について、先進国と新興国の利害関係が複雑化するなか、為替の安定化に向けて一定の国際合意が形成されたとの認識を示した。一方、米国経済の先行きが懸念されるなか、11月初旬にFRBが更なる金融緩和を行うとの観測などから円高が進行しているとの見方を示したうえで、「経済界にとっては、非常に厳しい状況と言わざるを得ない」と語った。政府に対しては、新成長戦略の迅速かつ着実な実行、国民の将来不安を取り除く税財政・社会保障制度の一体的改革を求めた。

また、日印経済関係については、「インドは高度経済成長を続けており、中間所得層も急速に拡大している」とし、非常に大きな市場であり、EPAの活用で日印間の貿易高は大きく伸びていくだろうと指摘。さらに、「インドでは、電力、水道、道路といったインフラの整備が遅れており、これらの分野で日本の技術を活用できる」と述べた。他方、インドがIT技術や後発医薬品等の分野で優位性を有していることにも触れ、互いの得意分野の活用が進むことに期待を示した。

【社会広報本部】
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