日本経団連タイムス No.3021 (2010年11月18日)

2010年「昇給、ベースアップ実施状況調査結果」発表

−厳しい経営状況下でほとんどの企業が昇給実施


日本経団連は9日、2010年1〜6月実施分の昇給、ベースアップ実施状況調査結果を発表した。

額、率ともに前年比微増

今回の調査結果では、(1)賃上げ額は5832円、賃上げ率は1・90%となり、前年に比べ微増(2)昇給率(ベースアップ以外の賃金増額率)の分布は、1999年から12年連続して「1.5%〜1.9%」が最多(3)厳しい経営状況の下、ほとんどの企業(97.9%)が昇給を実施――などが主なポイント。調査結果の概要は次のとおり。

1.賃上げの状況

昇給とベースアップを合計した賃上げ額(5832円)、賃上げ率(1.90%)は、わずかながら前年を上回ったものの、ほぼ横ばいとなった。賃上げ額の内訳は、昇給が5726円(前年比プラス91円)、ベースアップが106円(同プラス5円)であった。なお、賃上げ率は、2000年以降、若干の変動はあるものの、2.0%前後で推移している。

また、昇給とベースアップに区分して上昇率の分布状況をみると、昇給率は12年連続で「1.5〜1.9%」(35.1%)が最も多く、ベースアップ率は「0.0%」がほとんど(93.3%)を占めている。

2.昇給、ベースアップの実施状況

「昇給・ベースアップともに実施」した企業は6.7%(前年9.5%)、「昇給実施、べアなし」とした企業は91.2%(同86.3%)で、合わせて97.9%(同95.8%)に達した。厳しい経営状況の下で、ほとんどの企業で昇給が実施された結果となった。

一方、昇給、ベースアップともに実施しなかった企業の割合は、前年(3.7%)より減少して2.1%にとどまり、賃金の引き下げを行った企業はなかった。

◇◇◇

同調査は、昇給とベースアップの実施状況について調査し、今後の賃金対策の参考資料とすることを目的に、1953年から毎年実施しているもの。今回は、日本経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1915社を対象に調査を実施、487社(製造業53.2%、非製造業46.8%)から回答を得た(有効回答率25.4%)。

【労働政策本部】
Copyright © Nippon Keidanren