日本経団連タイムス No.3023 (2010年12月2日)

エルベグドルジ・モンゴル大統領と懇談

−鉱物資源開発での協力の可能性で意見交換


エルベグドルジ大統領(左)と握手する川村副会長

日本経団連は11月19日、東京・大手町の経団連会館で、日本政府の招聘で来日したモンゴルのツァヒャー・エルベグドルジ大統領との懇談会を開催した。懇談会には、座長の川村隆副会長・アジア・大洋州地域委員会委員長はじめ経団連幹部が出席し、ウラン、石炭、レアメタルの開発を中心に、日蒙の互恵的な経済関係の推進の方策について意見交換を行った。エルベグドルジ大統領の発言要旨は次のとおり。

わが国は日本との関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることについて、日本政府と基本合意した。これからは経済関係を一層強化することが必要である。わが国は日本の投資や高い技術を必要としている。日本との間で経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉が早期に開始されるよう期待している。

日本に望むことは、投資を通じた技術の移転、責任のある経営の導入、それを通じた人材育成の推進である。日本が優れた技術を用いてモンゴルの鉱物資源を開発し、加工すれば、お互いの利益になる。

鉱物資源の輸送に必要なインフラの整備は、民間単独では困難なため、政府の支援が必要である。モンゴル政府は鉄道の基本政策を打ち出したところである。中国、ロシアとも輸送の問題について話し合っている。また、港湾の機能強化について、ロシア、モンゴル、日本の3カ国が協議することも一つの方策であろう。

昨日、日本の国会で演説する機会があり、「今こそ、モンゴルに投資するべき時である」と申しあげた。投資家は、あらゆる社会問題の解決のために投資することで、モンゴル国民の支持を得やすくなるだろう。例えば、農牧業、人材育成、環境保全の分野であれば、一層、定着した投資が可能となる。

モンゴルと日本がお互いの長所を活かすことができれば、北東アジアの機動力を一層向上させることができるだろう。

【国際協力本部】
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