表紙イメージ 経済Trend ロゴ2009年8月号

経済・社会の新たな発展をもたらす宇宙開発利用
今月の表紙: 丸山 陽 作 「海とひまわり」 (日本チャリティ協会提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

看脚下
清水正孝 (日本経団連副会長/東京電力社長)

特集
経済・社会の新たな発展をもたらす宇宙開発利用

昨年制定された宇宙基本法、および今年6月の宇宙基本計画の策定により、利用重視の宇宙政策が明確になった。わが国の経済・社会の発展や国民生活の安全・安心の向上に欠かせない宇宙開発利用を産業界としてどう推進していくか。宇宙開発利用の現状と重要性、宇宙基本法と宇宙基本計画への評価や期待、宇宙産業の将来展望などを議論した。
座談会
佃 和夫 (日本経団連副会長・宇宙開発利用推進委員会副委員長/三菱重工業会長)
宇宙開発利用は今後、日本国民だけではなく、諸外国の人々の安全・安心や国際協力にも役立つと考えており、国を挙げての取り組みが求められる。産業界においても一層の開発投資や人的投資を行い、世界で現在の日本の立場をキープしつつ、さらに発展させていく必要がある。
下村節宏 (日本経団連宇宙開発利用推進委員長/三菱電機社長)
海外から商用通信衛星やロケット打ち上げを受注するなど、日本の宇宙産業には明るいニュースが多くなった。世界と競争する中で技術的には遜色ないレベルにあるが、コスト競争力に課題がある。国による研究開発や軌道上実証の機会の提供など、産業競争力を一層高めていく仕組みが求められる。
秋山政徳 (スカパーJSAT社長)
宇宙産業はグローバルな展開が将来大いに期待されるが、国際競争力に必要な三つのパワー(技術力、価格競争力、安定供給力)に加え政治力(国のトップセールス)を強化していくことが課題である。官民が一体となって、諸外国に負けない宇宙ビジネスを展開していくことが極めて重要である。
鈴木一人 (北海道大学公共政策大学院准教授)
諸外国の宇宙開発は国家戦略として位置づけられ、政策のツールとなっている。わが国も国としての戦略を策定し、予算や衛星・ロケットの計画を立てると同時に、実施する責任者を明確にすることが大前提である。また、効果的な官民協力を行うメカニズムをつくることも重要な課題である。
西村知典 (司会:日本経団連宇宙開発利用推進委員会宇宙利用部会長/日本電気執行役員)
国際協力、安全保障を含め宇宙開発利用はますます重要になる。産業界としても官民一体となって技術開発、国際競争力の強化を行い、日本らしい宇宙開発利用を目指すことが重要である。

●宇宙開発利用の現状と重要性

●宇宙基本法と宇宙基本計画への評価および期待

●宇宙産業の将来展望

●国民の理解・関心の向上

「宇宙基本計画〜日本の英知が宇宙を動かす〜」の決定に寄せて
野田聖子 (宇宙開発担当大臣/内閣府特命担当大臣)
インタビュー
ものづくりの国として日本が掲げる宇宙開発のビジョン
毛利 衛 (日本科学未来館館長・宇宙飛行士)
【 宇宙開発利用の推進 】
人工衛星による観測画像の産業利用について
神山洋一 (日本スペースイメージング社長)
  • 宇宙基本法が施行
  • 技術ギャップと政策ギャップを埋める機能を果たしたイコノス衛星
  • 衛星画像利用者側の視点に立った施策
  • 将来の観測画像利用の拡大への課題
手作り人工衛星・まいど一号
河崎善一郎 (大阪大学大学院工学研究科教授)
  • ミッションは雷放電観測
  • 一号機成功で喜んではいられない
  • 匠の技と最新技術が見事にコラボレーション
宇宙太陽光発電の今後の展望
松本 紘 (京都大学総長)
  • SPSの課題と展望
  • SPSのスピンオフ・テクノロジー
【 ロケット 】
中型ロケットの開発・利用について
〜GXロケットが切り拓く宇宙利用の未来
川崎和憲 (IHI理事航空宇宙事業本部副本部長・宇宙開発事業推進部長)
  • 21世紀のグローバルな課題解決に貢献する宇宙
  • 宇宙開発利用における「国際協力」と「独自開発」の戦略的重要性
  • 日本における中型ロケット開発の取り組み 〜GXロケットを中心に
  • 持続可能な宇宙開発利用に向けて
【 衛星 】
衛星を利用した宇宙外交への期待
藤江一正 (日本電気特別顧問)
  • 外交分野への宇宙利用
  • 宇宙外交の手段となる利用システム例
  • 官民連携スキームによる宇宙外交の推進
【 宇宙の平和利用 】
「静かな抑止力」としての宇宙活動
中野不二男 (ジャーナリスト)
  • オーストラリア初の本格衛星をH−IIAで打ち上げ
  • 衛星製造を受注したのは英国の企業
  • 「静かな抑止力」に貢献する対宇宙協力活動
  • アジア・オセアニアを含む準天頂衛星体制の必要性

訪米ミッションを終えて
〜米国政府・経済界要人、有識者との意見交換を通じて日米経済関係強化の方途を模索
御手洗冨士夫 (日本経団連会長/日本経団連訪米ミッション団長)
日米関係の重要性は不変
〜ジャパン・ソサエティ年次夕食会における御手洗会長基調講演
日本経団連国際経済本部
規制の制定時には、同時に出口議論を
〜「2009年度日本経団連規制改革要望」について
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/057.html
前田晃伸 (日本経団連副会長・行政改革推進委員長/みずほフィナンシャルグループ会長)
独占禁止法の改正について
齋藤憲道 (日本経団連経済法規委員会競争法部会長代行(当時)/パナソニック顧問)
世界雇用危機へのILOの対応
〜第98回ILO総会報告
日本経団連国際協力本部
〈調査〉
2008年夏季・冬季「賞与・一時金調査結果」について
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/049.pdf
日本経団連労働政策本部

● 経営者のひととき
色気を失わぬゴルフ人生
新見 健 (岡山県貨物運送会長)
● あの時、あの言葉
You have crossed the river of no return
今井隆志 (エース損害保険社長)
● エッセイ「時の調べ」
温泉旅は人生のラグジュアリー
石井宏子 (温泉ビューティ研究家)
● NEW FACE(新会員紹介)
ジェイコム
プロネクサス
文祥堂

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