表紙イメージ 経済Trend ロゴ2009年12月号

地域発の分権改革と道州制
今月の表紙: 野村育葉 作 「Christmas Grace」 (アートビリティ登録作品)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

環境と共生する豊かな都市を次世代へ
岩沙弘道 (日本経団連副会長/三井不動産社長)

特集
地域発の分権改革と道州制

近年、地方分権に対する関心が非常に高まっている。折しも、9月に発足した鳩山新政権は、「地域主権の確立」を掲げ、明治維新以来続いた中央集権体制を抜本的に改め、地方分権改革を推進するとしている。これまで日本経団連が主張してきた道州制導入を視野に入れつつ、改革実現のための課題について議論する。
座談会
上田清司 (埼玉県知事)
広域自治体の立場から見て、二重行政をはじめとする国のシステムの非効率性が目に付く。財源と権限を、きちんと地域に移譲することができれば、ガバナンスは向上し、これまでにない政策が生まれるだろう。そのうえで、評価のルールをつくり、情報を公開すれば、地域同士が公正に競い合える。
森 民夫 (長岡市長(全国市長会会長))
市長の立場で言えば、基礎自治体は30万人くらいが適切な人口規模ではないだろうか。その規模であれば、住民からの声に迅速に対応でき、教育・福祉・産業など分野を横につなげた総合的な政策を打ち出すことができる。長岡市が行った「子育ての駅」のような、地域の特性を活かした新しい政策こそ住民のための行政サービスである。
池田弘一 (日本経団連評議員会副議長・道州制推進委員会共同委員長/アサヒビール会長)
地域を活性化し、国民生活を豊かなものとするためには、地域経営の視点から地方分権改革を進めていくことが不可欠だ。住民に最も身近な行政サービスの提供者である基礎自治体の強化と、規模のメリットが発揮できる道州制による広域行政の充実とを車の両輪にすることで、改革は大きな効果を発揮する。
辻 琢也 (一橋大学大学院法学研究科教授)
1995年に地方分権推進法が制定されて以来、地方分権改革は、ゆっくりとではあるが、着実に歩を進めてきた。地方への財源と権限移譲の流れは、今後さらに加速するだろう。地域は地域の特性に応じた対策を講じ、国は世界レベルで日本の競争力を高める、といった役割をしっかり分担することが求められる。
椋田哲史 (司会:日本経団連常務理事)

●今なぜ「地域発の地方分権 改革」が求められるのか

●地方分権がもたらすさまざまな効果

●地方分権改革を進めるうえでの課題

●道州制の導入に向けた課題

究極の地方分権改革としての道州制
「改めて道州制の早期実現を求める」提言を公表
中村邦夫 (日本経団連副会長・道州制推進委員長/パナソニック会長)
ルポ
分権改革を目指す地域の取り組みと課題
〜北海道道州制特区、関西広域連合の取り組み
日本経団連産業政策本部
●全国に先駆けて道州制を目指す
〜北海道の道州制特区の取り組み ●関西発の分権改革
〜関西広域連合の取り組み
これからの国のかたち
〜道州制と地域経済の再生
林 宜嗣 (関西学院大学経済学部教授)
地方分権の推進と道州制
北川正恭 (早稲田大学大学院公共経営研究科教授)
道州制への理解を求めて
〜経済広報センターの道州制に関する広報活動
中山 洋 (経済広報センター常務理事・事務局長)
漫画でよむ道州制
〜道州制の必要性と意義を多くの国民に理解していただくために
日本経団連産業政策本部、経済広報センター
医療
病院が幅広く連携し、大切な命のため医療サービスを充実させる
大学教育
地域の特徴を活かした大学改革が実現
インフラ整備
県境を越えた整備で皆が使いやすい道路になる
観光
地域の垣根を越えた連携、PRによって国際的にも知られる観光地へ

緊急提言
経済危機からの脱却と持続的な成長の実現に向けた金融のあり方
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/094.html
山崎敏邦 (日本経団連金融制度委員会企画部会長/JFEホールディングス監査役)
提言
湾岸諸国とのさらなる貿易投資の推進に向けて
日GCC自由貿易協定の締結に関する要望を発表
渡 文明 (日本経団連副会長・中東・北アフリカ地域委員長/新日本石油会長)
  • 物品貿易の自由化
  • サービス貿易の自由化
  • 投資障壁の撤廃
  • 人の移動の促進
  • 投資保護協定・租税条約の締結
安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/083.html
井手明彦 (日本経団連社会保障委員会共同委員長/三菱マテリアル社長)
  • 制度改革に向けた基本的考え方
  • 改革の方向性−少子化、医療・介護、年金
  • 今後の検討に向けて
鳥由来の新型インフルエンザ対策の再開・強化を求める
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/096.html
岡部正彦 (日本経団連国民生活委員会共同委員長/日本通運会長)
岡本圀衞 (日本経団連国民生活委員会共同委員長/日本生命保険社長)
  • 国民全員の早期ワクチン接種を可能とする環境整備
  • 新型インフルエンザ大流行(パンデミック)時の法令の弾力的運用
  • 政府による適時・適切な情報の発信
  • 社会インフラの維持に関する政府想定の明確化
  • 海外にいる在留邦人への配慮
  • 対策の円滑な遂行を
日中韓ビジネス・サミットを開催
御手洗冨士夫 (日本経団連会長)
第45回日本経団連洋上研修に乗船して
立石信雄 (日本経団連洋上研修名誉団長/オムロン相談役)
新政権下の日米の連携強化に向けて
〜第33回日本・米国南東部会において御手洗日本経団連会長が基調講演
日本経団連国際経済本部
〈調査〉
2009年3月卒新規学卒者決定初任給調査結果
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/077.pdf
日本経団連労働政策本部

● エッセイ「時の調べ」
分からないことの中に留まる
磯崎憲一郎 (作家)
● あの時、あの言葉
あんなへなちょこ球、見逃してはだめですよ
大石みつ弘 (富士通ゼネラル社長)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
私なりの社会貢献
毛塚由佳理 (ミサワホーム総合研究所環境・エネルギー研究室)

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