表紙イメージ 経済Trend ロゴ2010年2月号

新しい成長を生むイノベーション
〜科学技術の成果を未来に活かせ
今月の表紙: 城戸久務 作 「光あつめて」 (ギャラリー史 提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

観光の現場から、国と地域のあり方を考える
大塚陸毅 (日本経団連評議員会副議長/東日本旅客鉄道会長)

特集
新しい成長を生むイノベーション
〜科学技術の成果を未来に活かせ

日本が直面するさまざまな問題を解決し、新たな成長を実現するためには、科学・技術を基点とするイノベーションは欠かせない。その推進にあたっては、産学官が英知を持ち寄り、国民に理解と共感を得られるビジョンを示すことが求められる。未来へ向けた科学・技術・イノベーション政策のあり方について議論した。
座談会
中鉢良治 (日本経団連評議員会副議長・産業技術委員会共同委員長/ソニー副会長)
人類そして日本が直面するさまざまな問題の解決に向けて、科学・技術への期待は非常に大きい。産学官が連携して、問題解決のシナリオを作り、その未来像に基づいて、いま何をすべきかを決定していくことが、早急に求められている。
小宮山宏 (三菱総合研究所理事長・前東京大学総長)
日本は欧米先進国をモデルとして発展してきたが、自らが最先進国となったいま、直面する課題に対するソリューションは、日本人自身が見つけなければならない。長寿健康社会や低炭素社会の実現といった明確な課題のもとに、他領域の知的リソースを結集するプロジェクトを立ち上げる必要がある。
大隅典子 (東北大学大学院医学系研究科教授)
大学は、人を育てるという重要な社会的意義を有している。大学をめぐる経済的状況は悪化しており、そのなかで研究者の育成にのみ注力するのではなく、社会の要請に応じた人材育成も考えるべきである。一方、企業や行政における意思決定の場に、専門性を持った人材や女性がもっと活用されることを期待したい。
椋田哲史 (司会:日本経団連常務理事)

●科学・技術・イノベーション政策の今後の方向性

●イノベーション・システム改革に向けての課題

●イノベーションを牽引する人材の育成・確保・活用

●課題解決へ向けた学術研究と産業の融合

〈インタビュー〉
これからの科学技術政策と理系人材への期待
川端達夫 (文部科学大臣)
〈提言〉
成長力強化に資する総合的な科学・技術・イノベーション政策の推進を
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/108/index.html
榊原定征 (日本経団連副会長・産業技術委員長/東レ社長)
これからの科学技術政策のあり方
原山優子 (東北大学大学院工学研究科教授)
課題解決に向けた研究開発のあり方
〜COCNの活動を通して
勝俣恒久 (産業競争力懇談会(COCN)代表幹事/東京電力会長)
研究開発最前線〈企業・大学の事例〉
〈基礎研究分野〉
ICTの21世紀を切り拓く基盤的研究開発
萩本和男 (日本電信電話先端技術総合研究所長)
  • 基礎基盤的な研究開発の重要性
  • 世界の持続的発展に向けたICTの役割
  • 人間力の向上を目指し、新しいライフスタイルに導く
エネファームはイノベーションの集積体
岡崎 肇 (新日本石油取締役執行役員中央技術研究所長)
  • 低炭素社会を実現するための研究開発
  • エネファームは家庭版「化学プラント」
  • さらに満足度を高めていくために
〈最先端研究〉
富士通が取り組む最先端技術
〜未来の社会を切り拓くスーパーコンピューター
村野和雄 (富士通研究所社長)
  • 社会インフラとしての重要な役割
  • 求められるブレークスルー技術
  • 豊かで夢のある社会への貢献
帝人グループが取り組む最先端研究
山岸 隆 (帝人副社長 CTO)
  • 患者のニーズに対応する
  • 先端医療を支えるシステム開発
  • 産学連携で取り組む医療研究
〈ルポ〉
研究開発最前線〜大学の視点
瀧澤美奈子 (科学ジャーナリスト)
  • 先端医療を切り拓くバイオエンジニアリング (東京女子医科大学)
  • 燃料電池の実用化に向けた基礎研究最前線 (山梨大学)
  • 宇宙線で新たな自然法則をひも解く (東京大学)
人材育成に向けた課題
〜日米大学院の研究・教育システムの違いから
菅 裕明 (東京大学先端科学技術研究センター教授)
多様性のある研究環境から新しい発想・発見が生まれる
潮田資勝 (物質・材料研究機構(NIMS)理事長)
産官学連携の国際展開におけるイノベーション創出の取り組み
牧野圭祐 (京都大学副理事・産官学連携本部長)
諸外国における新しい科学技術・イノベーション政策の動向
永野 博 (政策研究大学院大学教授/科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェロー)

提言
日・EU経済統合協定交渉の開始を求める
日・EU EPAに関する第三次提言を公表
横山進一 (日本経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/住友生命保険会長)
小林喜光 (日本経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/三菱ケミカルホールディングス社長)
共通番号を導入し、電子行政の実現を
電子行政推進シンポジウムを開催
秋草直之 (日本経団連電子行政推進委員長/富士通取締役相談役)
アラブ諸国との関係強化に向けて
〜第一回日本・アラブ経済フォーラムを開催
渡 文明 (日本経団連副会長・中東・北アフリカ地域委員長/新日本石油会長)
地域主権と道州制の実現に向けた国民運動を始動
〜「地域主権と道州制を推進する国民会議」を開催
日本経団連産業政策本部
コペンハーゲン合意と今後の課題
〜公平で実効ある国際枠組みに向け前進
坂根正弘 (日本経団連環境安全委員長/小松製作所会長)
社会貢献活動実績調査から見えてくる企業の取り組み
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/106/index.html
古賀信行 (日本経団連社会貢献推進委員会共同委員長/野村證券会長)
佐藤正敏 (日本経団連社会貢献推進委員会共同委員長・1%クラブ会長/損害保険ジャパン社長)
シンポジウム
子育てに優しい社会の実現を目指して
〜働き方の改革に向けた企業の挑戦
日本経団連経済政策本部
21世紀政策研究所シンポジウム
「地球温暖化政策の新局面〜ポスト京都議定書の行方〜」の模様
21世紀政策研究所

● わが社が取り組む農業プロジェクト
農業の未来づくり大作戦
〜クボタeプロジェクトについて
木股昌俊 (クボタ 常務執行役員)
● あの時、あの言葉
環境経営に一歩踏み出した10年前
和田 勇 (積水ハウス会長兼CEO)
● 経営者のひととき
『峠』ゆかりの地を訪ねて
原田正文 (中越パルプ工業社長)
● エッセイ「時の調べ」
フランス旅は香車の心
蜂谷秀人 (プロカメラマン)

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