表紙イメージ 経済Trend ロゴ2012年3月号

2012年春季労使交渉・協議に向けて
今月の表紙: 西脇秀威 作 「クリスマスローズ」 (ふれあいアートステーション・ぎふ提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い作品を厳選してご紹介しています。

巻頭言

農業再生への期待
小林栄三 (経団連評議員会副議長/伊藤忠商事会長)

特集
2012年春季労使交渉・協議に向けて

グローバル競争が激化するなか、日本企業を取り巻く環境は、ますます厳しいものとなっている。生き残るためには、労使が経営環境に対する共通認識を構築し、一体となって危機を乗り越え、成長の道を切り拓かなければならない。復興元年ともいえる2012年、春季労使交渉・協議に臨む経営側の姿勢について議論する。
座談会
危機を乗り越え、労使で成長の道を切り拓く
PDF形式にて全文公開中
宮原耕治 (経団連副会長・経営労働政策委員長/日本郵船会長)
キーワードは「危機」と「成長」である。六重苦といわれる危機的な状況を、労使が共通認識として持ち、真摯な議論を重ねるなかで、生き残るための成長の道を探り出さなければならない。企業の成長こそが、雇用の源である。また、労使のコミュニケーション強化が重要であることはいうまでもない。労使が、日ごろから情報交換を行い、自社の目標について共通認識を持ち、難局を乗り切ることに努めたい。
三浦 惺 (経団連副会長・地方団体長会議長・労働法規委員長/日本電信電話社長)
今年は、復興需要が見込まれるなど、国内的にはプラス材料があるものの、欧州の債務問題の影響など、世界経済の情勢を注視していく必要がある。賃金決定に当たっては、一人当たり付加価値額の低下、社会保険料負担の急増、高齢者雇用の増大、必要投資額の増大といった動向を踏まえ、総額人件費管理の観点から判断する必要がある。春闘を「春討」とし、労使が共通の危機感のもとで議論していく必要がある。
前田新造 (経団連評議員会副議長・少子化対策委員長/資生堂会長)
「失われた20年」といわれるなか、これまでとは異なる経済のあり方、経営のあり方が、いま、求められている。事業を通じての社会貢献、CSR活動への注力など、危機においてこそ、経営の質をいかに高めるかを考えることが大切だ。国内でも、海外でも、経営者が従業員に対して真摯に経営理念や経営方針を語り、労使の壁を越えて、共通目標に向かって努力を重ねていくことが必要だと考える。
湯元健治 (日本総合研究所理事)
デフレが15年以上続く厳しい状況のもとで、日本の労使は、賃上げよりも雇用優先で合意を形成してきた。そのおかげで日本は欧米と比較してかなり低い失業率にとどまっている。賃金決定においては、法定福利費を含めた総額人件費を重視しながら、個々の従業員のやる気を引き出す、メリハリのある配分を行うべきである。消費回復には、賃上げよりも、社会保障制度の改革を進め、不安を解消する方が効果的だろう。
川本裕康 (司会:経団連常務理事)

●重大な岐路に立つ日本経済

●危機を乗り越えるための人材強化策

●春季労使交渉・協議に臨む経営側の姿勢

●労使コミュニケーションの強化

2012年春季労使交渉・協議に向けて
古賀伸明 (日本労働組合総連合会会長)
地域経済の成長と豊かな国民生活に向けて
大塚陸毅 (経団連副会長・観光委員長/東日本旅客鉄道会長)
2012年度経済と政策課題
〜復興に成長資金呼び込め、日本は通貨安定へ行動を
岩田一政 (日本経済研究センター理事長)
貿易自由化と地方活性化で日本に新たな経済成長を
末長範彦 (岡山県経営者協会会長/岡山トヨペット社長)
自動車産業を取り巻く経済環境と春季労使交渉に臨む考え方
志賀俊之 (日本自動車工業会会長/日産自動車代表取締役最高執行責任者)
2012年版経営労働政策委員会報告概要
(経団連労働政策本部)
企業事例
企業理念の徹底による求心力の向上
神田晴夫 (ヤマトホールディングス代表取締役常務執行役員)
  • 社訓を社員教育の要として
  • 震災対応に表れた「ヤマトのDNA」
  • これからのヤマトグループ
グローバルに活躍するリーダー育成に向けて
竹中裕之 (住友電気工業代表取締役副社長)
  • 価値観・経営課題の共有のために
  • グローバルHRMポリシーの推進
従業員のモチベーション維持・向上のために
山根 聡 (小林製薬常務取締役グループ統括本社本部長)
  • 一人ひとりを尊重する風土づくり
  • 経営参画の機会づくり
  • 褒める機会を増やす
  • あったらいいなをカタチにする
  • 地域への支援や社会への貢献も必要不可欠
帝人グループの女性活躍推進の取り組み
武居靖道 (帝人グループ執行役員CHO(グループ人財責任者))
  • 経営戦略としてのダイバーシティ推進
  • これまでの主な施策
  • 職域拡大と管理職育成に注力

国交樹立60周年を契機に日印経済関係をより高い次元へ
〜野田総理の訪印に合わせ日印ビジネス・リーダーズ・フォーラムを開催
米倉弘昌 (経団連会長)
提言
「会社法制の見直しに関する中間試案」に対する意見
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2012/007.html
奥 正之 (経団連副会長・経済法規委員長/三井住友フィナンシャルグループ会長)
●第115回経団連労使フォーラム
再生日本に向けて労使がなすべきこと
〜強い国・企業を復活させるために
(日本経団連事業サービス)
ルポ
農商工連携
− シリーズ第6回
日本の農水産物を世界に届ける
沖縄国際航空物流ハブを活用した農水産品の輸出促進 〜 全日本空輸
(経団連産業政策本部)
ルポ
オンリーワンで市場を拓く
− シリーズ第2回
子どもたちの夢を育み、家族の豊かな暮らしの実現を目指す
ベビー・子どもの暮らし用品専門店チェーン 〜 西松屋チェーン
(経団連産業政策本部)

● 経営者のひととき
「インディアカ」をご存じですか
竹内敬介 (日揮会長)
● エッセイ「時の調べ」
ランニングで取り戻す自分
金 哲彦 (ニッポンランナーズ代表)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
異文化との出会いが生んだ夢
中田喜文 (同志社大学大学院総合政策科学研究科教授)
● NEW FACE 新会員紹介
クロタニコーポレーション
テイクアンドギヴ・ニーズ
日本クラフトフーズ
やまねメディカル

「月刊 経済Trend」終刊のごあいさつ

経団連は、本年3月30日に新法人(一般社団法人)に移行いたしますが、これにともない、4月号より本誌の誌名を「月刊 経済Trend」から「月刊 経団連」と変更いたします。

1953年の「経団連月報」創刊以来、半世紀以上にわたり毎月機関誌を発行し、会員企業を中心に、政治、行政関係者、研究者をはじめとする皆様に、経団連の活動や政策提言の内容等をご紹介してまいりました。

今後とも、読みやすい誌面づくりに努めてまいりますので、ご愛読賜りますようお願い申しあげます。

バックナンバー・定期購読のご案内


日本語のホームページへ