経団連の最近の動き

(1995年11月)

「経団連インフォメーション」の記事より


規制緩和の推進を引き続き要望

本紙第63号(10月6日発行)でご報告した通り、経団連では、来年3月末に予定されている規制緩和推進計画の改定に向けて、10月12日に意見書「規制緩和推進計画の改定に望む」を取りまとめ、政府や行政改革委員会に建議した。
その後も与党3党はじめ関係方面に経済界の意見・要望等の実現を積極的に働きかけており、来る12月1日には、行政改革推進本部(本部長:村山総理大臣)において、今井副会長・行政改革推進委員長が意見陳述を行うほか、12月19日には、自民党行政改革推進本部の水野清本部長を招いて行政改革推進委員会を開催し、規制緩和を含め行政改革への自民党側の取り組みについて聞くとともに、意見交換を行う予定である。

経団連訪欧ミッションが出発

11月22日、豊田会長を団長とする訪欧ミッションが出発した。12月1日まで2つのグループに分かれてベルギー、ドイツ、オランダ、デンマーク、イギリスの5カ国を訪問する。その間、サンテールEC委員長、コール・ドイツ首相、メージャー・イギリス首相などの政府首脳や各国の経済団体と、今後の日欧経済関係の拡大や国際的な経済体制のあり方について意見を交換する。

企業の5割が採用時期多用化を導入・検討中

創造的な人材の育成に関する懇談会では、会員企業を対象に企業の採用・人事システムのあり方などについてアンケート調査を実施し、調査結果をとりまとめた。ご関心のある方はご一報いただきたい。

16年ぶりの改訂
─新事業者団体ガイドラインについて説明会を開催

競争政策委員会では、11月24日、公正取引委員会経済部の岩本団体課長を招いて、16年ぶりに改訂された事業者団体ガイドラインについての説明会を開催する。
競争政策委員会は、本年4月3日に公表された新ガイドライン原案について4月11日に早速説明会を開催すると同時に、原案に対するコメントを募り、公取委に対して提出した。公取委は、経団連をふくめた各団体や外国政府からの意見を踏まえて、改訂作業を進め、10月30日に最終的なガイドラインを公表した。
事業者団体の活動は、各業界において引き続き重要な位置を占めることが予想され、この際、あらためて事業者団体の適正な活動について経済界の理解を深めることとしたい。

日台経済関係の促進を目指して
─第6回中華民国大型貿易・投資・技術商談訪日団商談会を開催

経団連では、今月下旬に東京と大阪で行われる中日経済貿易発展基金会等の主催による「第6回中華民国大型貿易・投資・技術商談訪日団商談会」を後援する(日本側事務局:日台ビジネス協議会)。
同商談会は台湾製品の対日輸出促進、双方業者の協力関係の緊密化等を目的に1993年に開始されたものであるが、円高や台湾製品に対する認識の変化から、成約高は年々増加している。今回も台湾側からは電子部品、パソコンをはじめ、金属・金型などの中堅業者約119社210名が参加する予定であり、多くの日本企業の参加が期待される。

行政情報公開制度創設に関するご意見の照会について

政府の行政改革委員会では、行政情報公開部会を設置して行政情報公開制度の法制化に向けた検討を進めており、来年4月に中間報告を、10月に最終報告を法律案要綱の形として取りまとめる予定である。
企業は情報の提供者・利用者として同制度と関わりが深いと思われることから、経団連としても、行政改革委員会の検討に経済界の意向反映を図るため、年内を目途に意見とりまとめを行うことになった。

微量大気汚染物質に対する規制のあり方を検討

環境庁では、ベンゼンなどの微量大気汚染物質対策のため、中央環境審議会大気部会において、年内を目処に、大気汚染防止法改正の答申をまとめる予定である。
これら約300種の物資は、中小企業から大企業まで広く使用されているおり、発生源・発生形態等が多様なことから、規制導入は産業活動に大きな影響を与えることになる。
そこで、経団連では、本問題を検討すべく、地球環境部会の下に大気水質等タスクフォースを新設した。今後は、科学的知見に基づき、関係業界の実態を踏まえた対策を政府に要望していくこととしている。

公的規制、企業の慣行等について引き続き検討

消費者・生活者委員会では、10月に発表した、「消費者・生活者の望む規制緩和」の内容を掘り下げ、具体的に官民双方の消費者向けの商品・サービスの提供にかかわる問題点を洗い出していくこととしている。その一環として、11月15日には日立総合計画研究所から、11月21日には主婦連から、その考え方を聞く。

首都機能移転実現プログラムを連立与党シンポジウムにて発表

連立与党では来る11月8日、憲政記念館にて「首都機能移転シンポジウム」を開催する。経団連からはパネリストとして、鈴木精二副会長(三菱化学相談役)が参加する。
経団連では、予てより移転の早期実現を要望してきたが、さる11月1日開催の首都問題委員会において、「2000年新首都の建設開始、2010年までに新首都での第1回国会開催」を目標に、移転実現に必要な手続きを段階的に盛り込んだ提言を取りまとめた。
この提言の内容は、11月8日の与党シンポジウムで鈴木副会長が発表し、関係方面に広く移転の早期実現を求めていくことにしている。

今後の税制のあり方に関するシンポジウムを開催

経団連、日経連、日商、経済同友会は、11月21日午後4時〜6時、「今後の税制のあり方に関するシンポジウム」(於:経団連会館国際会議場)を共同で開催する。久米経団連税制委員長の挨拶、甘利衆議院商工委員長の基調講演、古賀日新製鋼会長、神谷松久社長、鈴木野村総研理事長、グロンディン在日米国商工会議所法務委員長(紺谷日本証券経済研究所主任研究員司会)によるパネルディスカッションおよび来年度税制改正に関する4団体共同決議の採択が予定されている。
日本経済が直面する危機的な状況を脱するためには、わが国が税制の抜本改革を含む経済構造改革を積極的に進め、企業活力が十分に発揮できる経済環境を整備していくことが急務となっている。
同シンポジウムを通じ、経済4団体は、来年度税制改正に向け、法人税の軽減、土地税制の見直し等を強く訴えていく予定である。


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