(1998年1月)
「経団連インフォメーション」の記事より
経団連では、株式市場の活性化・金融システム安定化策として、「自己株式消却に関わる緊急要望」をとりまとめ、自民党に提出した。
同緊急要望は、法定準備金を財源とした自己株式消却を認めるよう求めるものである。自己株式消却については、財源が配当可能利益に限られているため、使い道のない多額の法定準備金を活用してはどうかとの声が強かった。そこで、緊急要望では、2000年3月末までの時限措置として、法定準備金を財源に株主総会の特別決議あるいは定款の授権により自己株式の取得・消却できるよう求め、併せてみなし配当課税の凍結を要望した。また、当面の株式市場の活性化の観点から、特例施行後最初の定時株主総会までは、取締役会決議のみで、自己株式を取得できるよう要望している。
経団連では、OECDが1996年2月に加盟国に対してPRTR制度の導入を勧告したことを受けて、1997年4月に見解を発表し、自主的取組みが世界の環境政策における潮流であるという認識に立って、産業界自ら本制度を構築していく方針を明らかにした。その後、経団連の呼びかけに応えた45の業界団体の協力を得て制度導入の準備を進めてきたが、12月よりわが国で初の本格的なPRTR調査を開始した。
調査は、業界団体を通じて調査マニュアルと集計ソフトを事業所に配布し、業界団体毎に集計したものを経団連に提出してもらうという形をとっている。調査結果は、5月頃を目途に公表の予定である。
阪神・淡路大震災の発生から3年が経過した。経団連では、震災直後の物資提供、ボランティアの活動などに協力し、その後も復興への取組みを働きかけてきたが、1月23日には、関西経済連合会、神戸商工会議所と共催して「阪神・淡路復興シンポジウム」を開催し、参加者の決意と今後の行政への提言をアピールとして取りまとめ提言する。
シンポジウムでは、豊田会長、亀井国土庁長官の挨拶、貝原兵庫県知事、笹山神戸市長、牧神戸商工会議所会頭の基調講演の後、「復興と防災のあり方をさぐる」をテーマに本間大阪大学経済学部長、加護野神戸大学教授、高秀横浜市長、菅井関経連復興対策委員長らが参加してパネルディスカッションを行なう。
その後取りまとめるアピールでは、阪神・淡路地域の産業復興の推進について、
国際協力委員会では、昨年4月にODAの改革に関する意見書をとりまとめ、また6月にはODA予算に関する緊急要望を発表した。これらの中では、行財政改革の流れの中で、わが国のODAおよび民間経済協力がいかにあるべきかを提案した。その結果、ODA予算については、かなりメリハリの効いた政府原案がまとめられ、またODAの改革に関しては、行革会議最終報告の中でODA政策担当官庁が外務省へ一本化されることになるなど、具体的に実現をみたものも多い。
そこで今回は、最近途上国において主流となっている民活インフラを中心とした、民間の実施する国際協力を補完し支援する制度、即ち日本輸出入銀行、貿易保険のあり方や、民間の国際協力とODAとの組み合わせのあり方についての提言を取りまとめこととし、今週月曜日の会長副会長会議で審議された。
なお本意見書は、今月27日の理事会にて審議・採択された後、関係機関に建議する予定。
日本ロシア経済委員会では、去る12月19日、臨時総会を開催し、安西邦夫 東京ガス社長を新委員長に選任するとともに、上島重二副委員長(三井物産社長、留任)のほか、新たに金子尚志 日本電気社長、安崎暁 KOMATSU社長の副委員長就任を決定した。また、河毛二郎 王子製紙相談役は委員長退任に伴ない顧問に就任した。
なお、当委員会では、橋本−エリツィン・プランや第3回日ロ経済合同会議におけるロシア側との意見交換を踏まえ、ロシアの投資環境の整備と極東開発への協力を中心に両国経済交流の促進に向けた検討を行なっていく予定である。