「需要と供給の新しい好循環の実現に向けた提言」
−21世紀型リーディング産業・分野の創出−
GDPは専ら金銭的取引を計上するため、国民福祉の水準を測る物差しとして限界があるのも事実である。MEW(Measure of Economic Welfare)は、公害や主婦の家事サービスなどが考慮されていないというGDPの問題点を改善した指標であるが、米国経済におけるMEWとGDPとのトレンドの間には殆ど変化がみられないという研究結果がある。
GDPを2倍にするまでに要する期間を計算する簡便な方法として、70/G年というものがある(G=成長率)。5%成長であれば、約14年となる。
かつて米国経済は、経済の好転が資本・労働といった資源の価格高騰に直結し、供給制約による景気過熱が成長制約となって、景気回復、拡大局面は短命に終わる傾向がみられた。しかし、最近米国は91年3月以降の9年間という長期にわたりインフレなき持続成長を実現している。このような米国経済の現状を、「ニューエコノミー」と捉える向きがある。すなわち、情報技術が飛躍的に発達し、知識、情報、アイデアといった無限の資源が活用されるようになり、供給制約が起こることなく、景気回復が持続する経済に生まれ変わったというものである。
昨今、年金、医療などについて世代間不公平の観点から議論されているが、高齢者、現役世代すべての層に納得が得られような解決策を見出すことは困難であり、所得再分配の問題を円滑に処理する方策として、経済成長は極めて有効な手段となり得る。
日本の経済成長には、海外からの期待も大きい。日本のように大きな経済規模を持っている経済が成長すれば、近隣諸国の経済を輸入を通して支える役割を果たすことになる。
成長会計とは、一国の経済成長を供給面(労働投入量、資本投入量、技術革新の三要素)から測る概念である。この成長会計によれば、日本経済は、少子・高齢化の進展に伴い労働力人口が減少するため、労働投入面から経済成長が制約されることになる。しかし、下表の通り、これまでの日本経済の成長を説明する要因として、人口変動、すなわち労働投入量の変化が説明できる部分は極めて小さい。
1960年代 | 70年代 | 80年代 | 90年代 | |
GDP伸び率 | 11.1 | 4.5 | 4.2 | 1.6 |
労働 資本 技術進歩 | 0.4 6.9 3.7 | 0.0 3.8 0.7 | 0.4 2.8 1.0 | ▲ 0.3 1.9 ▲ 0.0 |
経済企画庁経済研究所の松谷氏が行なった少子・高齢化の分析(経済企画庁経済研究所編『エコノミック・リサーチ』1998年1月号)によれば、以下3点の理由から、過去の日本の経済発展のひとつの帰結として、少子・高齢化社会を位置づけており、これに対し適切な政策がとられれば、少子・高齢化社会も決して暗くはない筈であるとしている。
人口減少を補うため、移民の受け入れを行なうべきであるとの意見もある。しかし、少子・高齢化それ自体は、一人あたりGDPを引き上げる効果を持ち、このことは購買力の増大を意味する。また、移民の受け入れには社会的なコストの増大を伴うことは、諸外国の例を見ても明らかである。特に日本の場合、近隣諸国の多くが発展途上国であることから、移民の受け入れの議論にあたっては、こうした点に十分留意する必要がある。
過去5年間(1993−97年)で年平均3%程度の経済成長を実現している主な先進国
国名 | 平均成長率(1993−97年) | OECDにおける一人当たりGDP の順位(97年時点、ドルベース) |
米国 イギリス カナダ オランダ オーストラリア ニュージーランド |
3.1% 3.1% 2.9% 2.6% 4.1% 4.0% |
6位 16位 18位 14位 15位 20位 |
(参考)日本 | 1.7% | 4位 |
需要が先か供給が先かという問題については、吉川洋「転換期の日本経済」(岩波書店、1999年)を参照されたい。因みにアダム・スミスは、「消費が唯一の目的であり、あらゆる生産の存在理由である」という言葉を残している。
産業革命に成功した19世紀の覇権国イギリスでさえ、当時の平均成長率は0.9%であり、また、17世紀に世界の海を席巻したオランダも、当時の平均成長率は0.3%であったと言われている。
57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | |
実質GDP | 7.5 | 7.3 | 11.2 | 12.2 | 11.7 | 7.5 | 10.4 | 9.5 | 6.2 | 11.0 | 11.0 | 12.4 | 12.0 | 8.2 | 5.0 | 9.1 |
個人消費 企業設備 住宅投資 公的資本形成 輸出 輸入 |
4.8 1.3 0.3 0.8 0.4 ▲ 0.4 |
5.0 0.0 0.4 0.9 0.1 0.4 |
6.4 2.1 0.7 0.6 0.5 ▲ 1.2 |
6.9 3.1 0.8 0.9 0.4 ▲ 1.0 |
6.6 2.3 0.4 1.6 0.2 ▲ 1.3 |
4.5 0.4 0.6 1.6 0.5 0.2 |
6.2 1.3 1.1 0.9 0.3 ▲ 1.4 |
6.0 1.5 1.0 0.4 0.9 ▲ 0.4 |
4.1 ▲ 0.9 1.0 1.0 0.8 ▲ 0.4 |
6.5 2.3 0.5 1.1 0.7 ▲ 0.9 |
6.1 2.9 1.3 0.8 0.4 ▲ 1.3 |
5.8 2.6 1.0 1.1 1.2 ▲ 0.7 |
5.9 3.9 1.3 0.8 1.0 ▲ 1.1 |
3.9 1.8 0.7 1.2 1.0 ▲ 1.5 |
3.4 ▲ 0.7 0.4 1.9 0.8 ▲ 0.2 |
5.7 0.8 1.5 1.2 0.4 ▲ 1.1 |
高度成長期に、大気汚染・騒音・水質汚濁などの問題を発生させたことは事実であるが、この時期の消費生活革命、とりわけ白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫といった三種の神器、さらには自家用車の普及が国民生活を便利にし、国民に享受できる自由を実感させ、また、1%台の低い完全失業率を実現したことは、高度成長期の大きな成果といえる。
テレビの普及は、耐久消費財の普及率を高める上で大きな影響力をもった。それは、テレビを通じ流されたアメリカの輸入ホームドラマ等が、日本の核家族に、目に見える形で日本人が追いつくべき「豊かで進んだ生活」の具体像を示したためである。
表 日本の高度成長期における耐久消費財普及率(%)
1960 | 65 | 70 | 75 | |
テレビ(白黒) | 44.7 | 95.0 | 90.1 | 49.7 |
カラーテレビ | − | − | 30.4 | 90.9 |
電気洗濯機 | 40.6 | 78.1 | 92.1 | 97.7 |
電気冷蔵庫 | 10.1 | 68.7 | 92.5 | 97.3 |
乗用車 | − | 10.5 | 22.6 | 37.4 |
表 日本の高度成長期における失業者数及び失業率
1955 | 60 | 65 | 70 | 75 | |
失業者数(千人) | 1,050 | 750 | 570 | 590 | 1,000 |
完全失業率(%) | 2.5 | 1.7 | 1.2 | 1.1 | 1.9 |
1955 | 60 | 65 | 70 | 72 | |
総平均 | 85.7 | 88.0 | 89.8 | 100.0 | 100.0 |
電気機器 | 109.8 | 114.4 | 101.4 | 100.0 | 95.0 |
輸送用機器 | 111.5 | 108.1 | 104.2 | 100.0 | 100.3 |
1955 | 60 | 65 | 70 | 72 | |
製造業 | 100.0 | 124.2 | 148.4 | 226.2 | 268.8 |
1955 | 60 | 65 | 70 | 72 | |
総 合 | 100.0 | 157.5 | 221.6 | 263.9 | 272.3 |
製造業 うち電気機械器具 うち輸送用機械器具 |
100.0 100.0 100.0 | 165.7 254.3 154.7 |
223.1 351.6 226.0 | 259.7 543.5 292.4 |
256.4 515.2 320.8 |
総世帯(A) | うち核家族世帯(B) | うち単独世帯(C) | (B+C)/(A) | |
1955 | 17,398 | 10,366 | 595 | 63.0% |
60 | 19,571 | 11,788 | 918 | 64.9% |
65 | 23,117 | 14,443 | 1,815 | 70.3% |
70 | 26,856 | 17,049 | 2,888 | 74.2% |
75 | 31,271 | 19,980 | 4,236 | 77.4% |
55→75 | 13,873増 | 9,614増 | 3,641増 | 95.5% |
産業別 | 従業上の地位別 | |||||
第1次産業 | 第2次産業 | 第3次産業 | 雇用者 | 自営業主 | 家族従業者 | |
1950 | 48.3 | 21.9 | 29.7 | 39.3 | 26.1 | 34.4 |
60 | 32.6 | 29.2 | 38.2 | 53.9 | 22.1 | 24.0 |
70 | 19.3 | 34.1 | 46.5 | 64.2 | 19.4 | 16.3 |
80 | 10.9 | 33.6 | 55.4 | 71.2 | 17.1 | 11.6 |
大都市における人口の推移(千人、%)
1950 | 60 | 70 | 変化率(50→70) | |
東京23区 横浜 大阪 名古屋 札幌 福岡 広島 |
5,385 951 1,956 1,031 314 393 286 |
8,310 1,376 3,012 1,592 524 647 431 |
8,841 2,238 2,980 2,036 1,010 853 542 |
64%増 135%増 52%増 98%増 222%増 117%増 90%増 |
総人口 | 83,200 | 93,419 | 103,720 | 25%増 |
円ドルレートの推移(インターバンク米ドル直物中心相場、年度平均)
1990 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 |
141.5 | 133.3 | 124.7 | 107.8 | 99.3 | 96.3 | 112.5 | 122.6 | 128.3 |
90年代、政府が講じた経済対策は合計10回(公共事業の追加を伴うもの6回)に上る。事業規模の総額は、約76兆円(真水約39兆円)と言われている。
1990年代における日本の実質GDPの寄与度分解(年度、%)
1990 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | |
実質GDP | 5.5 | 2.9 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 3.0 | 4.4 | ▲ 0.1 | ▲ 1.9 |
個人消費 企業設備 住宅投資 公的資本形成 輸出 輸入 |
2.6 2.0 0.3 0.3 0.7 ▲ 0.8 |
1.5 1.2 ▲ 0.5 0.3 0.6 0.3 |
1.2 ▲ 1.1 ▲ 0.3 1.0 0.5 0.1 |
0.7 ▲ 1.9 0.1 1.2 0.2 0.0 |
1.1 ▲ 0.9 0.4 0.2 0.5 ▲ 0.8 |
1.2 0.8 ▲ 0.3 0.1 0.6 ▲ 1.4 |
1.7 1.8 0.7 0.8 0.8 ▲1.3 |
0.6 1.2 ▲ 0.9 ▲ 0.9 1.4 ▲ 0.1 |
▲ 0.6 ▲ 2.1 ▲ 0.6 ▲ 0.0 ▲ 0.3 0.9 |
リーディング産業・分野の要件としては、次の三点が挙げられるが、一つの産業・分野が全ての要件を満たすことは困難であり、より多くの要件を満たす産業・分野が重要ということになる(但し、(1)は必要不可欠の要件である)。
一般的なライフサイクル仮説に従えば、少子・高齢化の進行により、貯蓄が取り崩されていくことになるが、90年代、日本における家計の消費性向は、一貫して下落している。
1987 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 |
76.4 | 75.7 | 75.1 | 75.3 | 74.5 | 74.5 | 74.3 | 73.4 | 72.5 | 72.0 | 72.0 | 71.3 |
国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成9年1月推計)』によれば、低位推計では2004年、中位推計では2007年、高位推計では2011年に人口がピークに達することになっているが、最近の人口動向は、低位推計に近い形で推移していることから、ここでは低位推計を用いた。
「国民所得倍増計画」は、10年間で国民総生産を約2倍、年率約7%の経済成長を実現し、かつ当初の3年間は9%成長を達成し、耐久消費財の普及等により生活水準を向上させ、完全雇用を目指すという目標を掲げた。同計画の第1部「総説」では、計画作成の基本的態度、計画の課題及び目標年次における経済規模(第2表参照)を示している。第2部「政府公共部門の計画」では、社会資本の整備(第10表参照)、科学技術の振興、社会福祉の向上など政府の役割を、また、第3部では、「民間部門の予測と誘導政策」を示している。第4部「国民生活の将来」では、テレビ、電気冷蔵庫、乗用車など耐久消費財の普及により、計画の実施により改善されていく国民生活の姿を示している(第26表参照)。
第2表 主要経済指標
項目 | 基準年次(A) | 目標年次(B) | 倍率(B)/(A)(%) | 年平均増加率 |
総人口(万人) | 9,111 | 10,222 | 112.2 | 0.9 |
国民総生産(58年度価格億円) | 97,437 | 260,000 | 266.8 | 7.8 |
国民所得(〃) | 79,936 | 213,232 | 266.8 | 7.8 |
国民一人当たり国民所得(〃) | 87,736 | 208,601 | 237.8 | 6.9 |
第10表 行政投資実績及び計画期間中の投資額(億円、1960年度価格)
1958 | 59 | 60 | 計画期間中の投資額 | |
道路 農林水産 住宅 環境衛生 治山治水 |
1,401 599 502 122 518 |
1,720 647 494 190 639 |
2,276 825 534 248 789 |
49,000 10,000 13,000 5,700 11,200 |
合計 | 6,714 | 7,911 | 9,370 | 161,300 |
第26表 物的消費の推移
項目 | 保有または年間総消費 | 普及率または一人当たり消費 | ||||
単位 | 1959年度 | 目標年次 | 単位 | 1959年度 | 目標年次 | |
鋼消費 | 万トン | 1,493 | 4,500 | kg/人 | 161 | 440 |
乗用車 | 千台 | 300 | 2,240 | 台/千人 | 3.2 | 21.9 |
テレビ | 万台 | 450 | 2,250 | 対世帯% | 20.0 | 86.4 |
電気洗濯機 | 万台 | 420 | 1,850 | 〃 | 18.6 | 71.0 |
電気冷蔵庫 | 万台 | 60 | 1,320 | 〃 | 2.7 | 50.7 |
衣料用繊維 | 千トン | 582 | 1,108 | kg/人 | 6.26 | 10.84 |
エネルギー | 7千cal石炭換算百万トン | 133 | 283 | トン/人 | 1.43 | 2.8 |
電話 | 千台 | 4,865 | 18,900 | 台/百人 | 5.2 | 18.5 |
わが国の国民皆年金制度は、高度成長による保険料拠出に耐え得る国民所得の上昇と政府財政の好調を背景に実現されたものであったといえる。
雇用者年金である厚生年金は、1944年に設置されたが、高度成長のなかで、その加入者は急増した。公務員や公社・私立学校従業者のための共済年金制度の充実もみられた。59年には、農林漁業従業者や自営業者のための国民年金が整備された。さらに、高齢のため受給に必要な加入期間を満たせない人のために福祉年金が設けられた。
公的年金の積立金は、年金制度の充実に伴い巨大なものとなり、そして、それが資金運用部の財政投融資財源となり、公共投資にあてられた。
1960 | 65 | 70 | 75 | 80 | 85 | 90 | 95 | |
厚生年金保険 国家公務員共済組合 地方公務員等共済組合 国民年金 |
13,240 1,190 1,683 16,687 |
18,418 1,114 2,293 20,016 |
22,260 1,149 2,536 24,337 |
23,649 1,162 3,004 25,884 |
25,239 1,179 3,239 27,596 |
27,068 1,782 3,295 25,091 |
30,997 1,622 3,286 29,535 |
32,808 1,224 3,339 31,305 |
計 (*) | 17,411 | 43,349 | 51,934 | 55,455 | 59,046 | 58,237 | 66,311 | 69,953 |
経常収支 (1)+(2)+(3)+(4) | 貿易収支 (1) | サービス収支 (2) | 所得収支 (3) | 経常移転収支 (4) | 資本収支 | |
1993 | 14,669 | 15,482 | ▲ 4,780 | 4,533 | ▲ 565 | ▲ 11,704 |
94 | 13,343 | 14,732 | ▲ 4,898 | 4,131 | ▲ 623 | ▲ 8,992 |
95 | 10,386 | 12,345 | ▲ 5,390 | 4,157 | ▲ 725 | ▲ 6,275 |
96 | 7,158 | 9,097 | ▲ 6,779 | 5,818 | ▲ 978 | ▲ 3,347 |
97 | 11,436 | 12,310 | ▲ 6,542 | 6,740 | ▲ 1,071 | ▲ 14,835 |
98 | 15,785 | 15,984 | ▲ 6,455 | 7,401 | ▲ 1,146 | ▲ 17,339 |
|
|
1990 | 92 | 94 | 96 | 98 | |
日 本 | 6.4 | 6.2 | 8.6 | 11.6 | 13.8 |
米 国 | 26.4 | 26.0 | 26.0 | 27.7 | - |
ドイツ | 20.2 | 20.1 | 25.0 | 28.1 | - |
因みにドイツにおいては、連邦土壌保護法で土地の用途に応じた段階的な土壌基準の明確化がなされている。また事業のイニシアティブに関し、米国では、ブラウンフィールド再開発事業のように、地方公共団体が修復・再開発にイニシアティブを持つことが通常行われている。
ここでいう、トータルヘルスケア分野とは、以下のような分野であり、健常者の健康管理も含め考えることとする。
EDI(electronic data interchange)
異なる企業間で、商取引のためのデータを通信回線を介してコンピューター間で交換すること。複数の企業間での取引を実現するためにデータ形式を標準化する必要がある。代表的なものは、UN/EDIFACT、JIPDEC/CII等。
CALS(commerce at light speed)
製造、流通等の業務を、コンピューター・ネットワークを利用して一元管理するための情報システムや規格。米国国防省が軍用資材調達・管理のための規格を"computer aided acquisition and logistics support"と呼んだのが元々の語源。1995年通産省主導でCALS推進評議会が設立されている。
Peter F. Drucker, "Post Capitalist Society" 1993.
(「ポスト資本主義社会」 上田惇生訳 ダイヤモンド社 1993年)
"The Emerging Digital Economy II" 1999.6.
米国商務省では、フォレスター・リサーチ社の企業間電子商取引の2003年の規模予測1兆3000億ドルを紹介している。なお、ボストン・コンサルティング・グループは、2003年の規模をインターネットによる取引を2兆ドル、専用線EDIによる取引を7800億ドルと予測している。
通産省、アンダーセン・コンサルティングの調査によれば、1998年の電子商取引市場規模は、対企業取引(B to B)で日本9兆円、米国20兆円、対消費者取引で日本650億円、米国2兆2500億円であり、2003年には、対企業取引は、日本で65兆円、米国で165兆円へとそれぞれ急拡大することが予測されている。
イノベーションという言葉の生みの親であるシュンぺーターは、イノベーションには、(1)新しい財の導入、(2)新しい生産方式の導入、(3)新しい市場の開拓、(4)原材料の新たな供給源の開拓、(5)新しい組織の創造の5種類があるといった。IT活用は、企業がこの5種類のイノベーションを遂行し、新たな付加価値を創造する上での重要な手段となっている。
「経団連 産業競争力強化に向けた提言−国民の豊かさを実現する雇用・労働分野の改革」(1999年10月19日)参照。円滑な人材移動のためには、賃金・処遇の見直しを年金・退職金制度を含め実施することが重要。
経団連提言「次代を担う人材と情報リテラシー向上策のあり方に関する提言」(1998年7月21日)参照。
旅行業法、通信販売法、割賦販売法等の見直しの他、電子商取引拡大の制約となっている書籍の再販制度、酒類通信販売品目制限といった制度が見直しの対象となる。
特許法2条1項「発明とは自然法則を利用した技術思想の創作のうち高度なものをいう。」特許庁が1997年2月に公表した「特定技術分野の審査の運用指針 第1章 コンピューター・ソフトウェア関連発明」により、ビジネス方法がハードウェア資源を用いて処理されていれば自然法則の利用性が認められた。
経団連提言「戦略的な産業技術政策の確立に向けて」フォローアップ報告書(1999年6月22日)を参照。
米国では、ポータルサイト等のネットワークインフラ企業の企業価値算定上(成長期にはその多くが繰越欠損を抱える)接続者数が重要な要素となっている。