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日本経団連−米国ビジネス・ラウンドテーブルとの会合
共同プレス・リリース−英文正文

2005年7月7日
於:ニューヨーク ファイザー本社

日本経団連とビジネス・ラウンドテーブル首脳が
経済成長の促進について意見交換

貿易、ヘルスケア、気候変動が主要議題

〔米国ニューヨーク市〕日本と米国の経済界首脳が本日会合を開催し、双方が共有する世界経済の成長促進に向けた課題について意見交換を行った。

今回のニューヨークでの会合には、日本経団連とビジネス・ラウンドテーブルの会員企業のCEOが出席し、貿易拡大、ヘルスケア、気候変動などについて議論した。

ヘンリー・マッキンネル・ビジネス・ラウンドテーブル会長(ファイザー会長兼CEO)は、「類似した活動を目的とする団体として、我々は経済成長の促進や雇用創出といった共通目標を有する。丁度今、G8サミットにおいて、我々の政府首脳同士が討議しているように、経済界の首脳同士が会って意見交換をすることが重要である。」と述べた。

マッキンネル会長は、奥田碩日本経団連会長(トヨタ自動車会長)と共に共同議長を務めた。

奥田会長は、「日本経団連とビジネス・ラウンドテーブルは、かねてより、経済や規制に関わる広範な問題について協力してきた。世界の二大経済大国の経済界首脳として、我々は世界の経済成長を促進するために協力する特別な責任がある」と述べた。

同会合では、グローバル経済社会に影響を与える以下の主要課題が話し合われた。

1.貿易の拡大

両団体は、貿易拡大が、経済成長を促す最も重要な要因の一つであると確信している。会議では、WTOドーハ・ラウンド交渉を成功させることが、最重要テーマに挙げられた。

両団体は共に、WTOドーハ・ラウンドを成功に導くためには、日米を含むG8諸国の政府が、リーダーシップを発揮しなければならないと確信している。特に、ドーハ・ラウンドの成功が、農業、製造業、サービスなど包括的な市場アクセスの進展にかかっていることを両団体は強調した。

両団体は、知的財産権保護を世界中で強化するために互いに協力していくことで合意した。

また、両団体は、日米両国と東アジア諸国が経済連携を深めることが、この地域の政治的安定と経済発展に繋がることを確信している。

2.ヘルスケア・社会保障

日米両国が、急激な高齢化に直面していることから、将来にわたって持続可能な年金・医療保険の構築が急務となっている。このため、両団体は、ヘルスケアを提供するシステムの効率化とともに、制度の利用者に対して、ヘルスケアの質の向上や、ヘルスケアへのアクセスの改善を共通の目標に掲げている。

日米両国のヘルスケア産業は、両国をはじめ世界中で、高付加価値の雇用を生み出し、革新的な治療法をもたらすことで、経済成長のエンジンとなる。こうした技術革新は、健康で生産的な高齢化社会を維持するための基本である。

また、両団体は、ヘルスケア・システムにおけるIT基盤の整備、患者への情報アクセスの改善が重要と認識するとともに、両国政府が内外の企業に対して行っている投資や技術革新を促すためのイニシアティブを支持する。さらに、両国政府による、R&D推進のための基盤整備、技術革新の価値を評価する仕組み、新技術導入までにかかる期間の迅速化、知的財産権保護の強化、ならびに健康増進のためのヘルスケア政策を支持する。

3.気候変動

気候変動は、環境、エネルギー供給、経済活動に影響を与える重要かつ複雑な問題であると両団体は認識する。温室効果ガスの排出を最小化し、原単位当たりの温室効果ガス削減を最大化する効率性の高い新技術を開発し、地球規模で展開することが、長期的に見て、最も効果的な解決策である。

そのような技術が開発されるまでの間は、温室効果ガスの排出削減、発生回避、代替のために、費用対効果の高い手段を選んで、自主的に進めていくことが重要であり、両団体は、連携・協力関係を強化して、こうした現実的かつ持続可能な温室効果ガス削減への取組みを実行していくことで合意した。

さらに、温室効果ガスが国境を超えて拡散することから、温室効果ガスの集積を改善するためには、温室効果ガス排出の制限・削減に向けた地球規模での取組みが不可欠である。


マッキンネル会長は「日米両国間の強力な二国間関係によって、両国経済は多大な恩恵を受けている。今日の会合は、両国経済界の首脳が、互いに共通する目標の達成や両国経済の継続的な成長を確かなものにするために、今後とも引き続き協力していこうというコミットメントを示すものである。」と述べた。

両団体は、次回会合を2006年の双方の都合の良い時期に開催する。

以上

ビジネス・ラウンドテーブル(www.businessroundtable.org)は、米国の主要企業のCEOによる団体であり、全会員企業を合計すると1,000万人を超える従業員と4兆ドルを超える年間売上げ高となる。会員のCEOは、経済成長の促進、ダイナミックなグローバル経済の実現ならびに将来の競争力強化に結びつく熟練で生産性の高い労働者の育成に資する公共政策の実現を働きかけている。
日本経団連(www.keidanren.or.jp)は、日本の経済界を代表する総合経済団体で、会員総数は約1,600社・団体にのぼる。その内訳は、企業約1,300社、内、外資系企業約100社、業種別団体130団体、地方団体約50団体となっている。日本経団連は、日本経済やグローバル経済の一層の発展を促進することを活動目的としている。日本経団連は、内外のビジネス環境の改善に向けて積極的な活動を展開している。

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