[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

UNICE(欧州産業連盟)および日本経団連による
WTO新ラウンド交渉に関する共同声明

英文正文、和文仮訳)
2006年7月5日

UNICE(欧州産業連盟)と日本経団連は、途上国の発展、競争および経済成長の基盤を強化するため、WTO新ラウンド交渉を協力して支持してきた。先週のジュネーブにおける閣僚級会合で合意を見ることができず、大枠合意の最終期限が目前に迫る中、EUおよび日本の経済界は、香港閣僚会議以降の交渉の進捗が思わしくないことを懸念している。

世界の二大経済圏の経済界を代弁して、UNICEと日本経団連は、本年末までに大きな成果を得るために、WTO加盟国が政治的リーダーシップを発揮するよう強く求める。鉱工業品等(非農産品市場アクセス)およびサービス貿易の分野において、新しいビジネスチャンスを確保することが、EUおよび日本の経済界が新ラウンド交渉を引き続き支持する上で不可欠である。これ以上合意を先送りすれば、全てのWTO加盟国に深刻な悪影響を及ぼす。今こそ合意に向けて共通の理解を見出すべき時である。

日本経団連とUNICEは、OECD諸国および新興市場国の市場アクセスを真に改善するため、スイス・フォーミュラによる鉱工業品等の大幅な関税削減が必要であると考える。先進国に適用される係数と途上国に適用される係数の差は妥当な範囲とし、新興市場国に適用される係数は最大15とすべきである。フォーミュラによる関税削減効果を高めるため、EUと日本の経済界は、分野別の関税撤廃・調和および非関税障壁の撤廃に自発的に取り組むよう求める。今後、非関税障壁の撤廃を推進するため、新たな非関税障壁に関する解決メカニズムについて、WTOで検討する必要がある。

サービス交渉については、他の交渉分野に劣らず大きな成果を達成すべきであり、そのためには、(各国が提出する)サービス分野の自由化オファーを大幅に改善する必要がある。UNICEと日本経団連は、貿易コストを削減するため、質が高く拘束力のある貿易円滑化に関する協定が策定される必要があると考える。

農業分野において、全ての関係国が自由化を一層推進することは、新ラウンド交渉の成功のために不可欠である。

UNICEと日本経団連は、それを真に必要とする開発途上国に対して、「特別かつ異なる取扱い」を認めることを支持する。しかしながら、「特別かつ異なる取扱い」を理由に、新興市場国がほとんど何も貢献せず、OECD諸国のみが交渉するラウンドとなってはならない。

UNICEと日本経団連は、新ラウンド交渉が大きな成果を収めることができるよう、EU、日本それぞれの交渉当局、および他の国々の経済界と協力していくことを確認する。

以上

UNICE:

UNICE(欧州産業連盟)は、2000万以上の大企業、中小企業を代表する。33カ国、39の主要な経済・経営者団体をメンバーとし、1958年より、欧州の成長と競争力強化に向けて、積極的活動を行う。
連絡先 Maria Fernanda Fau 電話: +32-2-237-65-62 www.unice.org

日本経団連:

1300以上の企業および130の業種別団体により構成される日本の主要な経済団体であり、全企業の利益を代表する。
連絡先 電話: 03-5204-1758 www.keidanren.or.jp


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