わが国のエネルギーをめぐる情勢と課題
−省エネルギー型社会の実現に向けて−

はじめに


エネルギー資源のほとんどを海外に依存しているわが国にとって、エネルギーの供給確保と効率的利用は最も基本的な課題である。経団連では、これまでエネルギーをめぐる国際的な動向や国内の需給動向等の変化をとらえ、その時々の局面におけるエネルギー政策のあり方について取りまとめを行なってきた。1986年には、逼迫した石油需給がゆるみ、原油価格も下落傾向にあることを受け、石油危機の逼迫した情況下で構築されたエネルギー対策の見直しを求める報告書をまとめた。

その後、原油価格が比較的低い水準で推移していること等を背景に、総じてエネルギーをめぐる情勢は安定しているが、地球温暖化問題への対応要請の高まりにより新たな局面を迎えた。とりわけ、昨年12月に京都で開催されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)において、温室効果ガス削減目標が採択されたことにより、環境制約下でのエネルギー政策の再構築が急務の課題となった。

他方、石油危機以降、エネルギーセキュリティへの対応は強化されたとはいうものの、近年、石油需給の地域的ブロック化が進む中、アジア地域ではエネルギー需要の急増と共に、ますます中東への依存度が高まる傾向にある。

このようなエネルギーをめぐる状況の変化を踏まえて、資源・エネルギー対策委員会では、専門委員会を設け、あらためてエネルギーをめぐる情勢と課題を整理することとした。


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