経団連は、1997年7月とりまとめの「情報化の推進に関する提言−構造改革のツールとして−」において、産業の競争力向上や国民生活の質的向上のために、情報化を推進する必要があることを指摘した。今、電子商取引に真剣に取り組むことこそが、高コスト構造からの脱却や新たなビジネスの開拓を促すことにつながり、国全体としての国際競争力を高めるための一つの具体的なアクションになる。
電子商取引とは: 政府、企業、消費者それぞれがコンピュータ・ネットワークを活用して モノ、カネ、情報をシームレスにやり取りすることにより、経済活動を行なっていくこと。 |
【電子商取引推進の基本的考え方】
政府、企業が電子商取引を推進するに当たっては、以下の基本的考え方を踏まえる必要がある。
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経営者のリーダーシップの発揮
電子商取引を推進するには、これまでの事業運営を革新することが不可欠であり、経営者自身が電子商取引の意義と効果を正しく認識し、リーダーシップを発揮して、トップダウンによって推進すべき。
新たなビジネスに挑戦しやすい環境づくり
大企業、ベンチャー企業がともに新たなビジネスに挑戦しやすい環境を整備すべき。具体的には、人材の育成・活用、機動的な経営システムへの変革と、挑戦を評価できる風土改革・意識改革が必要。
既存の枠組みを越えた企業間電子商取引の推進
今後は、インターネット等のオープンなネットワークを活用することにより、既存のグループや業界の枠組みを越えた企業間電子商取引の推進が必要。中小企業をはじめとする利用者のコストや利便性を重視し、グループや業界の枠組みを越えた標準化や相互運用性向上のための取組みを加速すべき。
グローバルな電子商取引の枠組みづくりへの参画
民間企業がグローバルな電子商取引の枠組みづくりに積極的に参画し、主導的な役割を果たすべき。
政府や地方公共団体も重要な電子商取引の主体であり、簡素で効率的な政府を実現するため、率先して政府自ら電子商取引(公共調達や歳入・歳出事務、行政手続の電子化等)に取り組むべき。
民間分野の電子商取引の推進は基本的には企業の自主的取組みに委ねるべきであり、政府は企業が創意工夫を活かして自由なビジネスを展開できるような環境整備を行なうべき。そのため、向こう2年間に電子商取引普及のために効果の高い施策を省庁横断的かつ集中的に実施するためのプログラムを策定すべき。