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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.62 2002 秋)

安田生命保険(相)

「ふれあいコンサート」で日本一周

「ふれあいコンサート」は、安田生命職員による「心身障害児募金」で運営される、代表的な社会貢献活動の一つです。「心身障害児募金」は、安田生命の従業員の間から自発的に芽生えたもの。1968年から毎年実施されています。当初は養護学校等に車いすなどのプレゼントを贈っていました。この社会貢献活動が、ザ・ワイルドワンズのリードボーカリストの鳥塚しげき氏の目にとまり、子どもたちのための音楽作りに積極的に取り組んでいた同氏の共感を呼びました。「日頃コンサートに行く機会の少ない養護学校の生徒たちに生の音楽を楽しんでもらいたい」という鳥塚氏の熱意で、1984年から全国各地の養護学校を訪問。「音楽設備を自ら運搬して、各学校の体育館等でコンサートを開く」、いわば「手作りコンサート」という現在のスタイルになりました。最近では、耳の不自由な生徒たちも楽しめるよう、手話を採り入れたコンサートなどの工夫をしています。
1999年には日本一周を達成し、現在2回目の「全国制覇」を目指し、活動を展開しています。「ふれあいコンサート」では、鳥塚しげきさんの歌にあわせ、子どもたちが一緒に歌ったり、手作り楽器で演奏したり、会場の参加者全員が一体となってコンサートを盛り上げます。また、夫人の鳥塚のり子さんの手話ダンスにあわせて、子どもたちが一緒に歌い、踊る姿は大変印象的です。
「ふれあいコンサート」は、自ら機材を運び移動して、1週間に4回というスケジュールで行われます。この様なハードな活動を20年近くも続けてこられたのは、ひとえに「音楽の力を借りて障害をもつ子どもたちとふれあいたい」という鳥塚夫妻の情熱あってのこと。「音楽は一生の友だち。楽しい時にはさらに楽しい気分にしてくれる。寂しい時にはなぐさめてくれる。それが音楽。普段コンサートに行く機会が少ない子どもたちにそんな音楽の楽しさを肌で感じてもらいたい」と鳥塚氏は熱く語っています。鳥塚氏の情熱が、子どもたちや学校全体に伝わり、コンサート終了後、たくさんの子どもたち、先生方から温かい礼状や便りが届きます。
一人でも多くの子どもたちが音楽を肌で楽しみ、喜んでくれる子どもたちに一人でも多く出会えるよう、今後ともできる限り長く「ふれあいコンサート」を続けたいと考えています。

広報部
TEL:03-3349-6195  FAX:03-3342-7235

コスモ石油(株)

コスモ子ども地球塾2002
「第10回コスモわくわく探検隊」を実施

「コスモわくわく探検隊」(以下、「わく探」)は交通遺児の小学生を対象とする2泊3日の自然体験プログラムです。今年度からは小学生向け環境教育プログラム「コスモ子ども地球塾」の一つとして実施しています。1992年、当社が全社的に社会貢献活動を開始し、初めて主催した活動です。
1回目の実施は1993年、以来毎年社員ボランティアが中心となって運営し、今ではコスモ・グループをあげての夏のイベントとして定着しています。第10回目は8月8〜10日に無事終了しました。
当社の事業特性から何らかの形で車社会に貢献したいという主旨で、特に父親を亡くした交通遺児家庭が多いことから思い切りダイナミックな夏休みの思い出を作ってあげたいと始めたのが自然体験プログラム「わく探」です。「わく探」は「ただのキャンプ」ではありません。最初の5回は日本ネイチャーゲーム協会に協力いただき、社員スタッフは全員、初級指導員の資格を取得してプログラムを実施しました。1998年からはプロスキーヤー三浦雄一郎氏が主宰するスポーツアカデミー、ミウラ・ドルフィンズに協力いただき、よりアドベンチャーな自然体験を実施できるようになりました。
「わく探」はまわりの人たちを次々とまきこみ、たくさんの人の好意に支えられ続いてきた活動です。宿泊施設、看護スタッフ、協力企業の親身なサポートなど数え切れません。また「わく探」を支える一番の力は、豊富な人材=社員スタッフです。7〜8人の子どもの班を担当し、同じテントで寝食を共にします。おねしょのパンツを洗うことなど日常茶飯事。本番は2泊3日ですが、研修や事前の予習(宿題)や、子どもたちの名札を手作りしたりと業務の合間をぬって3カ月間くらいどっぷり「わく探」を堪能?します。多忙な業務の中での過酷なボランティアですが、スタッフは毎年すんなり集まり、この10年で200人以上の社員が「わく探」に参加しました。本番の3日間は社員スタッフが自発的に行動し、万全のチームワークですべてが順調に進みます。
子どもたちは3日間の大自然(今年のメインは樹海と風穴探検)を満喫し、友達をたくさん作り、スタッフに甘え、ほとんどの子どもが「今までで一番楽しいキャンプだったよ」と言ってくれます。別れのときが来ても、子どもたちはなかなか帰ろうとしません。6年生は「今度はスタッフとして参加したい」と言ってくれます。そして冬の恒例行事としてクリスマスプレゼントに「探検日誌」(写真集)とビデオを手書きのカードを添えて送ると、子どもたちから「今年も行くよ」と年賀状が届きます。
「わく探」は当社の社会貢献活動基本方針(オリジナリティ、社員の参画、長期継続)に基づき、事業活動と結びついたプログラムです。全社で活動の意義や成果を共有できるこのプログラムを、社会貢献の主軸として継続して行く予定です。

広報室
TEL:03-3798-3101  FAX:03-3798-3841

九州電力(株)

カーシェアリング事業における
環境NGO、自治体、企業の協働

九州電力では、環境NGO「西日本リサイクル運動市民の会」の呼びかけに応じて、福岡市とともに2001年4月から1台の車を複数で共同利用する「カーシェアリング」の福岡市での展開について勉強会を重ねてきました。その結果、福岡市が電気自動車を主体とした車両10台を、九州電力が同20台を提供し、本年10月から3年程度のパイロット事業を展開することになりました。
カーシェアリングは、二酸化炭素の削減や都市部の渋滞を緩和する手法として期待され、マイカーに代わる車の利用方法として欧米では広く普及しています。日本ではまだ実験段階であり、九州では初めての試みです。
福岡でのカーシェアリング事業の特徴は;

  1. 環境NGO、自治体、企業のコラボレーション事業。
  2. 事業主体はNPO法人(「カーシェアリングネットワーク」を設立)とする。
  3. カーシェアリングとまちづくりの連動を模索。
  4. 電気自動車の充電用の電気には、日本自然エネルギー(株)の「グリーン電力証書システム」を活用し、風力発電の電気を利用したカーシェアリングとする。
  5. 外部に評価委員会を組織し、事業採算性や交通面、環境側面での評価を行う。
現在のところ、福岡市東区箱崎地区の2カ所で、ステーション(駐車場)の設置が決定、その他4カ所で設置に向けた諸調査を行っています。箱崎地区では、地域のまちづくり団体等から、「学童保育の送り迎え」「お年寄りの買い物代行」「商店街の共同集配」等の活用方法が提案されています。また、最近では、九州大学の学生有志がキャンパス内にステーションを誘致しようと、学生や教職員へのアンケート調査や電気自動車の試乗会等を行っており、地域をあげた盛り上がりを見せつつあります。
10月から開始される事業において、カーシェアリングという新しい交通体系が成功するための様々な知見を収集し、将来の本格的事業化へとつなげたいと考えています。

環境部
TEL:092-726-1530  FAX:092-761-7368

スペシャルオリンピックス日本

第3回日本夏季ナショナルゲーム・東京

特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本61号の寄付対象団体で紹介と(財)日本障害者スポーツ協会の主催による、スペシャルオリンピックス(SO)夏季ナショナルゲームが8月15日から東京で開催されました。4年に一度の大会には全国のSO組織に加え、首都圏内の養護学校や作業所、アジア5カ国からの参加も含め総参加者は約1,100名。球技や水泳・体操・陸上など、11競技を16・17日の2日間にわたり6会場を使って行いました。
開会式は8月15日の夕方から国立代々木競技場第一体育館で。夏休みでもあり、観戦者の顔ぶれは子どもから年配の方々まで多様です。総勢3,500名ものボランティアが事前準備から大会当日の運営までを支えました。開会式では、さわやかな笑顔でキビキビ活動する大勢のボランティアが印象的でした。式典には高円宮殿下、妃殿下もご臨席。消防庁音楽隊によるプレオープニングに始まり、メインサポーターKONISHIKI作詩作曲の「Champion of Life」の応援ソングで会場に熱気が漲りました。聖火セレモニーにはテニスの伊達公子さん、大相撲の舞の海さんなど、応援に駆けつけた多数のスポーツ選手も参加。式典の最後を飾ったのは、ミッキーマウスなどキャラクターが揃う、華麗なディズニー・パフォーマンス。大会を支援するウォルト・ディズニー・インターナショナル・ジャパンのビッグプレゼントに感激ひとしおでした。
16日午後は、国立オリンピック記念青少年総合センターの体育館で行われた体操競技、バスケットボールを観戦。体操の種目は、ゆか・とび箱・平均台で、レベル1「初級用規定競技」で実施されました。平均台は、マットにのせた脚のない平均台上で、前進・後進・ポーズ等をしながら着地までのパフォーマンスを競います。アスリートが日頃の練習でそれぞれの身体能力を伸ばすためにどれほど練習を積んだか。慎重な演技の中に、全てを出し切ろうという心意気を感じました。見守るコーチや観戦者も、一緒に演技した気持になります。SOは順位や点を競うものではないと、あらためて実感しました。
バスケットボール予選は、賑やかな応援に引き込まれ楽しく観戦。点が入れば喜び、相手チームに入ると「ドンマイ!」と励ましの声が威勢良く飛びました。そんな中で、後ろから声がかかりました。体操競技アスリートのお母様でした。バスケットボールも試合の形になるには時間がかかったこと、辛いこともたくさんあったけれどSOの活動を通じ楽しいことが増えたこと、スキーではお嬢さんが自分でストップできるようになった3シーズン目に感動で泣いてしまったこと等、試合の合間に話して下さいました。この大会に参加するまでには、アスリートの努力はもちろんのこと、家族やコーチの粘り強いサポートがあったことでしょう。何より一緒に寄り添って夢に向かって歩もうとする、一人ひとりの強い気持があったからこそと、強く感じました。
2005年には、アジアで初めての冬季世界大会が長野で開催されます。多くの方々に応援していただきたいと願っています。


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