経営タイムス No.2631 (2002年6月1日)

「日本経済団体連合会」が発足

第1回総会を開催/初代会長に奥田氏選任


 日本経営者団体連盟(日経連)と経済団体連合会(経団連)は5月28日統合し、新たな経済団体「社団法人日本経済団体連合会(略称=日本経団連)」を設立した。初代会長には奥田碩日経連会長(トヨタ自動車会長)を選任。経済・産業政策問題を主軸に活動してきた経団連と、「経営者よ正しく強かれ」をスローガンに労使関係専管団体として活動してきた日経連の統合によって、企業活動にかかわる広範な問題に取り組み、政策提言能力と実行力を一層高め、経済界が直面する諸課題の迅速で着実な解決をめざす。同日、東京・千代田区の経団連会館で開かれた第1回総会(設立総会)であいさつした奥田新会長は、新団体の基本的理念として“多様な価値観が生むダイナミズムと創造”、そしてそれを支える“共感と信頼”を掲げ、「新たな発展への道を自ら切り拓く先頭に立ちたい」と訴えた。また、新団体設立総会の前には日経連が第55回定時総会を開き、その中で日経連の解散を承認。五十余年の活動の成果とともに、日経連設立の精神が新団体に受け継がれることを改めて確認した。

略称は「日本経団連」

 新団体の第1回総会(設立総会)で、開会あいさつに立った今井敬・経団連会長は、まず、経団連と日経連の統合によって日本経済団体連合会が発足したことを報告。新団体は、経済・産業分野から社会労働分野まで、企業活動にかかわる広範な問題に取り組む総合経済団体として、自由、公正、透明な市場経済体制の確立に努めることを明らかにした。
 また、閉塞状況にある日本経済について、「官民共に思い切った構造改革を進め、民主導の活力ある経済社会を確立していかなければならない」と強調。そのためにも、まず、企業に求められることとして国際競争力の強化をあげ、「選択と集中」の経営を徹底し、経営面での改革をさらに進めていく必要があることを訴えた。
 さらに、こうした多岐にわたる課題に新団体が果敢に取り組み、魅力と活力あふれる豊かな日本の創造に貢献していく姿勢を示した。
 続いて来賓として出席した平沼赳夫経済産業大臣、坂口力厚生労働大臣、塩川正十郎財務大臣の3氏が新団体発足の祝辞を述べるとともに、「新しい時代にふさわしく時宜を得た大同団結」(平沼経済産業相)、「今後も、厚生労働行政の推進に当たり協力を願いたい」(坂口厚生労働相)、「経済界がまとまり司令塔ができた」(塩川財務相)など、新団体の今後の活動に大きな期待を寄せた。

新役員を承認

 議案の審議では、経団連の2001年度事業報告および収支決算、新団体会長、副会長ら役員等の選任に関する件を諮り、いずれも満場一致で承認されたことから会長職を今井氏から奥田氏にバトンタッチ。総会議長も奥田新会長が引き継いだ。
 選任された役員は、奥田会長のほか副会長として浜田広・リコー会長はじめ15名。理事522名、監事8名、評議員659名。
 名誉会長に永野健(元日経連会長)、根本二郎(同)、今井敬(前経団連会長)の3氏が新たに選任されたほか、顧問44名、推薦会員15名(新任)、常任理事233名を選任した。
 評議員会議長には、那須翔・東京電力相談役、同副議長に樋口廣太郎・アサヒビール相談役名誉会長はじめ11名を、また、地方団体長会議長に浜田広副会長、同副議長に奥井功副会長と柴田昌治副会長、常務役員に和田龍幸事務総長ら8名、参与2名を選任した。
 続いて、2002年度の事業計画および一般会計収支予算、会員会費分担基準および入会金規定に関する件、2002年度会館事業計画および事業会計収支予算に関する件、2002年度21世紀政策研究所事業計画および収支予算に関する件について諮り承認を得た。
 議案の最後には、『魅力と活力あふれる豊な日本を目指して』と題する「決議」を諮り満場一致で承認が得られたことから、決議文全文を読み上げ議案の審議を終了した。
 その後、名誉会長に選任された今井氏が、会長退任のあいさつを、引き続き奥田新会長が就任のあいさつをそれぞれ述べ、第1回総会を終了した。


日本語のトップページ