日本経団連タイムス No.2867 (2007年7月12日)

「2007年度日本経団連規制改革要望」を公表

−14分野205項目取りまとめる


日本経団連は6月29日、14分野205項目からなる「2007年度日本経団連規制改革要望」を取りまとめ、公表した。これは、会員企業・団体がビジネスの現場で直面しているさまざまな課題を規制改革という観点から取り上げたものであると同時に、5月15日に公表した提言「規制改革の意義と今後の重点分野・課題」5月17日号既報)を具体的な事例によって補完するものである。

87項目が新規の要望に

「2007年度日本経団連規制改革要望」の概要

日本経団連では毎年、全会員企業・団体を対象に「規制改革要望に関する調査」を実施している。今年は3月から4月上旬にかけて同調査を行い、137の企業・団体から寄せられた717の回答をもとに、内容を精査するなどして14分野205項目の要望を取りまとめた。

その内訳をみると、205項目の内、42%に当たる87項目が新規の要望となっている。また、分野別の項目数は、昨年度と同様、雇用・労働分野(34項目)や運輸・流通・貿易諸制度分野(23項目)、企業年金分野(22項目)、土地・住宅・都市再生・観光分野(20項目)、金融・保険・証券分野(20項目)で多く、これらの分野で経済界のニーズが大きいことがうかがえる。また、要望内容の属性に基づく分類でみると、各種手続きや審査の迅速化・合理化を求める声が大きい実情を反映して、67項目が行政手続きという結果となった。

育児休業、空港の利便性、官業の民間開放に関する要望

個別要望の例としては、雇用・労働分野では、企業による柔軟な育児休業制度の導入を促進する観点から、子どもが1歳未満の時点で従業員が2度目の育児休業に入った場合は、社会保険料の免除と雇用保険の育児休業給付金の受給を可能とするよう、引き続き求めた。また、土地・住宅・都市再生・観光分野では、国内・海外の航空利用者の利便性を向上させ、人流・物流面における競争力を強化させる観点から、羽田空港の実質的な24時間化の実現と、全時間帯での国際定期便の運航を求めた。

さらに、官業の民間開放を推進する観点からは、地方税の消滅時効による不納欠損処理が都道府県と市町村で合わせて約700億円に上る現状を改善するため、徴税業務における一連のプロセスを、一定の服務規律を課した民間事業者が実施できるようにすることを求めた。

要望の実現に向けて

これら205項目の要望は、発表と同時に、政府が6月に実施した規制改革要望等の集中受付月間「あじさい月間」に提出しており、今後、規制改革会議等との連携を通じて実現をめざすこととしている。また、7月5日には、前田晃伸副会長・行政改革推進委員長が渡辺喜美規制改革担当大臣を訪問し、各要望の実現を働き掛けた。

【産業第一本部行革担当】
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