日本経団連タイムス No.2903 (2008年4月24日)

G8ビジネス・サミット開催

−世界経済をめぐる諸課題でG8各国経済界首脳が議論


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は17日、東京・大手町の経団連会館でG8ビジネス・サミットを開催、御手洗会長をはじめ、G8各国から11の経済団体代表者が参加し、世界経済の安定的成長に向けた諸課題について議論を行った。

G8ビジネス・サミットは、昨年、ドイツ産業連盟のイニシアチブで始まったもので、今回が2回目。今回のビジネス・サミットでは、世界経済が持続的成長を実現するにあたって取り組まなければならない課題として、「イノベーションを通じた競争力の強化」「地球温暖化への対応」「世界の成長センターであるアジアとの連携」の三つのテーマが議論された。

当日は、これらテーマに関する議論に入る前に、まず、北海道洞爺湖サミットの議長を務める福田康夫総理大臣からあいさつがあった。福田総理は、ビジネス・サミットで取り上げる課題への対応は、自身の進める成長戦略の中核を成すものであるとした上で、会議の成果を7月のサミットの場で取り上げ、真摯に検討したいと発言した。また、産業界の役割として、イノベーションの推進などを通じ、CO2の低排出型社会を実現する「低炭素革命」に力強くチャレンジしてほしいとの期待が寄せられた。

その後、一日かけ、日本経団連の担当副会長も参加して三つのテーマのパネル・ディスカッションが行われた。

パネル・ディスカッション1は、「イノベーションを通じた競争力の強化」をテーマとするもので、パネリストとして、ユルゲン・R・トゥーマン・ドイツ産業連盟会長、マーティン・ブロートン・英国産業連盟会長、ハロルド・マグロー・ビジネス・ラウンドテーブル会長、榊原定征・日本経団連副会長が参加、モデレーターを岡部直明・日本経済新聞社主幹が務めた。

パネル・ディスカッション2は、「地球温暖化への対応−ポスト京都議定書の国際枠組み」をテーマに、パネリストとしてローレンス・パリゾ・フランス経団連会長、ポール・スペランザ・全米商工会議所会頭、ジョン・ペラー・カナダ商工会議所会頭、ビンセンツォ・ペトローネ・イタリア産業連盟外交顧問、三村明夫・日本経団連副会長が参加、モデレーターはビヨン・スティグソン・WBCSD事務総長が務めた。

パネル・ディスカッション3は、「世界の成長センター アジアとの連携−ダイナミズムと課題」をテーマに、パネリストとしてエルネスト・A・セリエール・ビジネス・ヨーロッパ会長、チャールズ・ヒーター・米国国際ビジネス評議会理事、アレクサンドル・N・ショーヒン・ロシア産業家企業家連盟会長、米倉弘昌・日本経団連副会長が参加、モデレーターは泉宣道・日本経済新聞社論説副委員長が務めた。

このあとパネル・ディスカッションの議論も踏まえ、参加経済団体がG8ビジネス・サミット共同声明を取りまとめ、同日夜、北海道洞爺湖サミットの議長を務める福田総理に手交した。

なお、来年はイタリア産業連盟が第3回のG8ビジネス・サミットを主催することになっている。

【国際第一本部】
Copyright © Nippon Keidanren