表紙イメージ 経済Trend ロゴ2010年9月号

都市・地域の競争力強化に向けた方策を探る
今月の表紙: 岐阜市 中村謙一 作 「あきいろ」 (ふれあいアートステーション・ぎふ提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

禍根を残さじ
氏家純一 (日本経団連副会長/野村ホールディングス会長)

特集
都市・地域の競争力強化に向けた方策を探る

日本の大都市は、近年の世界的な都市間競争のなかで、かつての輝きを失いつつある。一方、地方都市も、中心市街地の空洞化や高齢化の進行などの問題が指摘されて久しい。そうした現状を踏まえ、これからの都市・地域の競争力強化に向けた方策を議論した。
座談会
岩沙弘道 (日本経団連副会長、都市・地域政策委員長/三井不動産社長)
日本の大都市が、アジアの拠点としての国際競争力を失ってきていることには、強い危機感を感じる。日本経団連では今年3月、提言「わが国の持続的成長につながる大胆な都市戦略を望む」を公表し、(1)交通・物流インフラの整備、(2)業務・生活基盤の高度化、(3)観光インフラの強化、(4)環境と人に優しい都市構造への転換などを優先度の高い事項として掲げている。日本社会の成熟化、グローバル化に対応した政策への転換が望まれる。
宇喜多晴郎 (日本経団連都市・地域政策委員会PPP推進部会長/清水建設副社長)
まちづくり、都市の活性化のためには、企業が地域の一員として積極的に参加していかなければならない。特に、最先端技術を活用したまちづくりには、企業の貢献が期待されている。政府・自治体に期待することは、民間の資金や人材を集中的に投入できるよう法制度の運用を見直すなどの規制緩和である。また、都市再生特別措置法の期間を延長し、拡充することも望まれる。
奥山恵美子 (仙台市長)
仙台市では、現在策定中の新しい総合計画において、初めて人口増を前提としない方向で作業を進めている。人口増、経済成長を前提とした従来型の都市行政からの転換が必要と感じている。また、「学都」としての仙台の特長を活かして、高度な人材や都市型産業の育成・誘致を進めるとともに、観光などの面で、東北のほかの自治体との連携をさらに進めていきたい。
青山 やすし (明治大学公共政策大学院教授)
人口増のもとで経済成長をしていく時代には、全国一律に底上げを図っていく政策が有効であったが、これからは、地域ごと、都市ごとに計画を立て、実行していく必要がある。都市の国際競争力強化には、国、都道府県、市区町村の役割を改めて議論していくこと、同時に、市民活動や企業など民間の役割が重要になることを認識しなければならない。
椋田哲史 (司会:日本経団連常務理事)

●日本における都市・地域の現状

●今後のわが国の都市・地域の目指す姿

●都市の競争力強化・地域活性化に向けた課題と対応

豊かな国民生活の実現のために都市・地域力の強化を
〜文化を基本に誇りの持てる都市・地域づくり
山口昌紀 (日本経団連都市・地域政策委員会共同委員長/近畿日本鉄道会長)
プラチナ構想ネットワークの提案
〜快適なまちづくりが日本を強くする
小宮山宏 (三菱総合研究所理事長/東京大学総長顧問)
文化の発信・創造による都市競争力の強化
中井検裕 (東京工業大学大学院社会理工学研究科教授)
外国人・外国企業からも魅力ある都市づくりが成長を促す
大江 匡 (プランテックアソシエイツ会長兼社長/建築家)
都市の魅力を高めるプロジェクトを支える金融の枠組み
赤井厚雄 (モルガン・スタンレーMUFG証券マネージング ディレクター/早稲田大学客員教授)
地域経営とPPP
〜海外事例からみる日本への示唆
根本祐二 (東洋大学経済学部教授)
アジアと共生するまちづくり
吉田 宏 (福岡市長)
都市における快適な生活環境の創造に向けた民間の取り組み
小倉勝彦 (有楽土地社長)
老朽化マンション建て替えに向けた各種規制の見直し
〜良好なまちづくりと良質な建物ストック形成のために
八木橋孝男 (藤和不動産社長)
生活者視点の中心市街地活性化
服部年明 (全国商店街支援センター取締役)
【ルポ】 環境モデル都市の取り組み
「くるま」と「環境」を武器に環境未来都市をつくる
愛知県豊田市
  • 「産業」「交通」「森林」を強みとしたまちづくり
  • 低炭素社会のモデルを目指す
  • まちを実験場として世界を目指す
  • 持続的な発展モデルを目指して
持続可能な地域づくり
−カギは「環境」と「人」
長野県飯田市
  • 持続可能な視点(1) 環境
  • 持続可能な視点(2) 人
  • 経済自立度を高めるために

G20ビジネス・サミットに参加して
〜世界経済の安定化に向け各国経済界代表や財務相と意見交換
米倉弘昌 (日本経団連会長)
提言
新たな防衛計画の大綱への期待
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/067/index.html
佃 和夫 (日本経団連副会長・防衛生産委員長/三菱重工業会長)
  • 防衛産業の現状と環境変化
  • 米欧の現状
  • わが国としての防衛産業政策のあり方
    • 必要な重点投資分野の明確化
    • 新しい武器輸出管理原則の確立
    • 取得・調達政策の改善
  • 防衛における宇宙開発利用の推進
「新成長戦略」の早期実行を求める
〜民主導の持続的な経済成長の実現に向けて
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/063.pdf
奥田 務 (日本経団連評議員会副議長・経済政策委員会共同委員長/J.フロント リテイリング会長)
畔柳信雄 (日本経団連評議員会副議長・経済政策委員会共同委員長/三菱東京UFJ銀行会長)
  • 事業環境の国際的なイコール・フッティングの確保が急務
  • 「新成長戦略」の早期・着実な実行
  • 改革実施で名目GDP1.5%ポイント押し上げ、雇用増370万人を実現
  • 経済界の持続的成長に向けた取り組み
企業の競争力強化に資する会社法制の実現を求める
〜会社法制の見直しに対する基本的考え方
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/068/index.html
八丁地 隆 (日本経団連経済法規委員会企画部会長/日立製作所副社長)
  • 基本的な考え方
  • 企業統治のあり方
  • 親子会社に関する規律
財務報告に関わるわが国開示制度の見直しについて
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/069.html
島崎憲明 (日本経団連経済法規委員会企業会計部会長/住友商事特別顧問)
  • より包括的な開示制度の見直しに向けて
  • 取引所における適時開示制度
  • 金融商品取引法上の法定開示
  • 内部統制報告制度の見直し
中小企業を支える人材の確保・定着・育成に関する報告
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/064/index.html
澤部 肇 (日本経団連中小企業委員長/TDK会長)
中小企業の成長に向けた人材戦略
〜「選ばれる企業」「注目される企業」となるために
  1. (1) 中小企業の強みを活かし、弱みを補完する施策展開
  2. (2) 求められる三つの取り組み
    1. 企業理念・価値観の明確化と共有
    2. 個々人の能力を育成・発揮できる職場環境の整備
    3. 学生・求職者、大学へのアピール

● 経営者のひととき
アルジェリアに春は遠い
重久吉弘 (日揮相談役)
● あの時、あの言葉
カメラはいらない。 眼がレンズだ。
廣内 武 (オンワードホールディングス会長)
● エッセイ「時の調べ」
食卓からクロマグロという食文化を守るために
熊井英水 (近畿大学理事・水産研究所教授)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
人生が変わった2年間
高尾知与 (フジテレビジョン)
● NEW FACE 新会員紹介
ガリバーインターナショナル
クリエートメディック
西松屋チェーン
リソー教育

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