[経団連] [意見書]

国際熱核融合実験炉(ITER)の日本誘致実現を求める

2000年11月21日
(社)経済団体連合会

国際熱核融合実験炉(ITER)計画は、98年7月から低コスト化を含めた工学設計の見直しが行われており、本年4月には日本、EU、ロシアの3極による非公式政府間協議が開始された。ITER建設に関しては、昨年末よりカナダの民間非営利会社が積極的な誘致活動を展開し、また、EUにおいてもフランスが前向きに検討を進めるなど、誘致をめぐる活動が活発化してきている。わが国においても原子力委員会ITER計画懇談会を本年7月に再開し、誘致に係る最終的な結論を得るための審議を進めているところである。

経団連では95年9月に「国際熱核融合実験炉の日本誘致を求める」を取りまとめるとともに、同年12月には経済界から成る「国際熱核融合実験炉(ITER)日本誘致推進会議」、97年2月には広く国民各層の理解と支持を得るための組織として、学識経験者等も会員とする「国際熱核融合実験炉計画推進国民会議」をそれぞれ設立し、ITER計画の推進とわが国への誘致を求めてきた。来年前半にも開催が予定される公式政府間協議を前に、以下の観点から、改めてITERのわが国への誘致を強く要望する。

  1. 長期的な地球環境問題とエネルギー問題への対応
  2. 核融合エネルギーは、豊富な資源量、低いCO2排出、優れた安定供給性と安全性等の特長を備え、長期にわたる安定したエネルギー供給と地球環境保全の要請を同時に満たし得る革新的エネルギーとして期待されている。21世紀における最重要課題である地球温暖化問題、エネルギー問題の解決に向け、今こそITER計画の実施に踏み切るべきである。

  3. 国際協力への意義ある貢献
  4. わが国は、科学技術創造立国を目指すことにより、国際社会の一員として資源、エネルギー、環境問題等の克服に貢献する必要がある。ITERは、人類が共有し得る恒久的エネルギーの確保を目指す国際協力プロジェクトであり、わが国は、ITERを誘致することによって、これまで培ってきた研究技術開発力をもって貢献するなど、積極的かつ主導的に同プロジェクトを推進すべきである。

以 上

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