[経団連] [意見書] [ 目次 ]

新たな規制改革推進3か年計画の策定に望む

5.土地・住宅分野


  1. 市街地再開発事業の区域要件の緩和
  2. 規制改革要望(2000年10月17日)

    市街地再開発事業による大規模共同住宅の建て替えを促進するため、第一種市街地再開発事業の施行区域の要件を緩和し、「耐用年限(60年)の2/3を経過しているもの」という経過年数規定を短縮化すべきである。

    所管官庁
    国土交通省

    担当課等
    都市・地域整備局市街地整備課・住宅局市街地建築課

    内外からの規制緩和要望等に対する検討状況(中間公表)

    □措置済み・措置予定  ■検討中  □措置困難  □その他  □記載なし

    現在国土交通省において、都市の再生・再構築の推進を図る方策を検討することを目的とする市街地整備研究会を開催している。当該研究会において市街地再開発事業に係る施行区域要件の見直しを含めて今後の市街地整備の手法を総合的に検討しているところである。

    中間公表に対する評価と再要望

    国土交通省の市街地整備研究会において、施行区域要件の見直しを含め市街地整備の手法を総合的に検討していることは評価できる。
    老朽化した共同住宅の建て替えを含めた市街地再開発は、都市再生による住環境の整備や日本経済の活性化の観点から急務である。とくに、1980年までに竣工(建築基準法新耐震基準以前)した非木造共同住宅の総延床面積は約5千万m2にも及び、これらの共同住宅の中には、耐震性の面で問題のあるものも多数存在する。
    市街地再開発事業に係る施行区域要件の緩和について、新たな規制改革推進3か年計画に盛り込み、早期に実現するよう、見直しのスケジュールを明記すべきである。


  3. 市街地再開発事業における建築基準法第86条の地権者全員同意要件の撤廃
  4. 規制改革要望(2000年10月17日)

    都市再開発法に基づく市街地再開発事業については、建築基準法に基づく地権者の全員同意要件の適用対象から除外すべきである。

    所管官庁
    国土交通省

    担当課等
    住宅局市街地建築課

    内外からの規制緩和要望等に対する検討状況(中間公表)

    □措置済み・措置予定  □検討中  ■措置困難  □その他  □記載なし

    一団地の総合的設計制度の適用を受けた土地の区域内では、将来にわたって、全体を一敷地とみなし、当該区域内の他の建築物とは無関係に建築を行うことはできなくなる。このため、関係者の権利を保護する観点から認定申請に当たっては、必ず当該区域内の土地について所有権・借地権を有する者の同意を得ることとしているものである。
    一方、都市再開発法に基づく市街地再開発事業では、当該事業において建築される建築物等を対象として権利調整手続きが行われるものである。
    したがって、一団地の総合設計制度においては、事業が完了した後にも、当該土地の区域において建築物を建て替える場合等に制限が及ぶこととなるため、市街地再開発事業における権利調整手続きと異なる要件を課しているものであり、全員同意要件の適用対象から除外することは適当ではないと考える。

    中間公表に対する評価と再要望

    市街地再開発事業は、住宅・商業・業務系など、複合した用途の開発となることが多く、円滑な施設運営等の観点から、複数棟の計画が行われることが通例である。その場合、建物計画の自由度の高い建築基準法第86条第1項の一団地認定によることが合理的なため、本制度を活用して市街地再開発手続きを行ってきた。
    しかしながら、今般、連担建築物設計制度の創設に伴い、一団地認定を活用したこれら市街地再開発事業においても、地権者全員の合意が必要となったことは、社会的・経済的意義の極めて大きい都市再開発事業の推進を阻害するものである。
    市街地再開発事業の権利調整・合意形成は、都市再開発法に定められた確固たる手続きによって行われており、複数棟計画の内容についても、この手続きの中で権利調整や合意形成を行うことで、問題ないと考える。
    したがって、都市再開発法に基づく市街地再開発事業については、建築基準法に基づく地権者の全員同意要件の適用対象から除外すべきである。


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