2011年度以降の環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕

2010年12月14日
(社)日本経済団体連合会

2011年度以降の環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕【概要】 <PDF>

1.これまでの経緯と基本的考え方

  1. (1) 日本経団連では、循環型社会の形成に向けた産業界の主体的な取組みを推進するために、1997年に「環境自主行動計画〔廃棄物対策編〕」を策定した。同計画は、毎年度フォローアップ調査を実施し、数値目標の着実な達成を目指すとともに、産業界の取組みをわかりやすく開示している。また、2007年には、同計画を「環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕」に拡充し、産業廃棄物最終処分量削減に係る「産業界全体の目標(第二次目標 #1)」と、業種ごとの特性・事情等に応じた「業種別独自目標」により、産業界は循環型社会の構築に取り組んでいる。

    1 2010年度に1990年度実績の86%減(2000年度比55.2%減)を目標としている。
  2. (2) 現行の第二次目標は2010年度を「目標年度」としており、2008年度には目標を二年前倒しで達成した。2011年度以降も、産業界は引き続き主体的かつ積極的な3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進に努めていくべく、(1)2015年度を「目標年度」とする産業界全体の産業廃棄物の最終処分量削減の目標の設定、(2)業種ごとの特性に応じた独自目標に係る設定――を2つの柱とする計画を策定し、そのフォローアップ調査を行うこととする。

  3. (3) なお、政府は「第二次循環型社会形成推進基本計画」(2008年3月)で、「2015年度の産業廃棄物最終処分量を2000年度比約60%減」を設定している。

2.2011年度以降の計画の具体的内容

(1) 産業界全体の産業廃棄物の最終処分量削減に関する新たな目標

  1. 日本経団連としては、引き続き3R推進をすべく、産業界全体(廃棄物の最終処分量削減に取組む31業種全体)の目標を、「産業廃棄物の最終処分量を2015年度に2000年度実績の65%程度減」とする。

  2. 産業廃棄物の最終処分量は景気動向の影響も大きく受ける。今後の見通しは必ずしも明らかではないが、自主行動計画の本来の目的は、各企業による主体的かつ積極的な3Rの取組みを促すこと自体にある。したがって、各業種のこれまでの目標の達成状況や今後の生産動向の見通しなども十分踏まえ、政府目標(2000年度比60%減)よりも高い水準を主体的に設定し、産業界全体でさらなる循環型社会の進展に取組むこととする。なお、この目標は、社会経済情勢に関して大きな変化がある場合には、必要な見直しを行うこととする。

    経団連と政府の目標
    2000年度比参考・1990年度比
    新目標(2015年度)65%程度減89%減(換算)
    政府目標(2015年度)60%減87.5%減(換算)
    現行目標(2010年度)55.2%減(換算)86%減
  3. また、産業廃棄物最終処分量の削減は、既に相当程度実現(1990年度実績の89%減、2000年度実績の65%)している。現行の環境技術・法制度ではこれ以上の削減は限界に近いとする業種も多く、新しい目標を達成するためには政策的支援が必要である。そこで、経団連としては、「循環型社会のさらなる進展に向けた提言」(2010年9月14日公表)や「2010年度日本経団連規制改革要望」(2010年10月14日公表)の実現を政府に対して引き続き求めていく

産業界全体からの最終処分量実績と新たな目標

(2) 業種別独自目標の設定・改善

  1. 産業廃棄物最終処分量の削減目標以外に、各業種の特性や事情等を踏まえた適切な目標がある場合には独自目標として設定し、3Rの推進に取組む。その際、産業界全体の目標と同様、目標年度は2015年度、基準年度は2000年度を原則とする。

  2. また、各業種の独自目標の設定にあたっては、その定義等を分かりやすく説明することに努め、自主行動計画としての信頼性をこれまで以上に高める。

  3. 一方、自主行動計画には、その事業の特性上、産業界全体の目標に参加できない業種も存在する。そこで、そうした業種については、引き続き、事業の実態に即した独自目標の設定などにより3Rの推進に取組み、今後も産業界全体(現在41業種が参画)で、循環型社会のさらなる進展を目指していく。

以上

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