[経団連] [意見書] [ 目次 ]

「新産業フォーラム」の概要

1999年11月
(社)経済団体連合会
新産業・新事業委員会

  1. 開会挨拶
    − 今井経団連会長、経済広報センター会長
  2. 新事業の成功に必要な発想や挑戦を成功させる方策について一緒に考え、その成果を各社において活かし、産業界として新産業・新事業の開拓に努めていただきたい。こうした積み重ねが、わが国の活力を復活させ、元気ある明るい21世紀の展望を開くことに繋がるものと確信している。

  3. 来賓挨拶
    − フォーリー駐日米国大使
  4. 日米両国は、起業家精神を持つ人々がグローバルに競争し、ベンチャーが生まれるように、相互に協力するとともに、起業家に道を開き、環境を整備し、さらに内外の投資家に対して新事業創出の機会を提供しなければならない。
    もし日本が起業家がもつエネルギーを動員し、さらに制度改革並びに経済のリストラを着実に実施するならば、21世紀を目前にして、日本も大きく飛躍することだろう。

  5. 基調講演
    1. 「ネットワーク社会と新産業・新事業」
      − 出井新産業・新事業委員会共同委員長、アメリカ委員長
    2. 米国は、80年代に大幅な規制緩和を行い、競争による新しい産業・雇用を生み出し、効率的な産業構造への転換に成功した。現在の米国のダイナミズムは、NASDAQのインターネット関連96社の時価総額が日本の上場企業のそれの約1.5倍に達するなど新興勢力に元気があることと、GEやGMなど伝統的な大企業が、インターネットのインパクトにより自らのビジネスモデルを本気で変えようと自己変革していることによって発揮されている。
      日本も、ネットワーク時代において、政府が規制改革、公的事業の縮少、税制見直しを進めるとともに、民間企業には、生き残りをかけた自己変革が必要である。政財界が揃って自己変革を決意することが、新産業・新事業の創出へと繋がっていく。

    3. 「Stimulating New Business Growth」
      − マクニーリ サン・マイクロシステムズ会長
    4. 日本が活力を取り戻すためには、規制改革により低コストな通信ネットワークを構築することや、産学連携の推進、リスクマネーがベンチャー企業に供給される仕組みづくりが重要である。立ち上がり時にリスクを負うベンチャーを育成するのであれば、税制面で優遇すべきである。
      低コストで資金を調達できなければベンチャー企業は育たない。米国のインターネット関連のベンチャー企業は、良いアイデアだけでスタートし、ゼロコストキャピタルで運営されているところが多い。
      また、最初に動いた人は、失敗や破産もありうるが、大きなアドバンテージをもっており、アドバンテージを最大限活かさねばならない。そして、失敗や破産を、面子を失うものと捉えるのではなく、起業家精神の学位を授かるものと捉える社会へ変えることが必要である。

  6. パネルディスカッション
    「こうすれば新事業を創出できる!」
  7. モデレータ:島田情報通信委員会情報化部会長

    1. 成功の鍵、経営者の役割
    2. 孫ソフトバンク社長:
      「志」が鍵である。志が高く、強い思い込みがあれば、いつの間にか周りに賛同してくれる人が集まってくる。
      ニシムラ ソレクトロン会長:
      経営者は、ビジョンをもち、それを実行することが大切である。また、顧客や従業員と意思の疎通に努めることが重要である。耳を傾け変化を受入れる姿勢をもつことも大事である。
      鳴戸新産業・新事業委員会企画部会長:
      ベンチャーは、誰と働きたいか、どんなリーダーの下で働きたいか、ということで人が集まって成功している。企業人に対して、会社に入社するのではなく、会社に参加するという意識を植付けることが大事である。

    3. 環境整備のあり方
    4. 孫社長:
      制度改革を一気に押し進めるとともに、株式公開までに要する期間の短縮化によりベンチャーキャピタルが事業として成り立つ仕組みづくりが必要である。また、21世紀がインターネットの時代であるならば、安価で高速なインターネットの利用環境を整備すべきである。
      鳴戸部会長:
      ベンチャーを甘やかしてはいけないが、リスクマネー供給のための仕組みづくりや税制の見直しが必要である。
      ニシムラ会長:
      チャレンジングな人材を育成するためには、チャンスを与えることが重要である。また、日本人以外の人を信頼し受容することも大切である。多様性を受け入れることにより、オープンな社会が形成され、規制緩和等も促進される。

  8. 閉会挨拶
  9. 高原新産業・新事業委員会共同委員長が、チャレンジ精神に溢れた活力ある社会づくりを目指して、社会一般・個人・経営者・教育機関・政府に対する働きかけを、新産業・新事業委員会として引き続き行うことを宣言した。

以 上

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