月刊 keidanren
1995年 1月号
巻頭言
実行と前進の年
豊田 章一郎
(経団連会長)
特集
マルチメディアとは何か
【座談会】
関本 忠弘(経団連副会長)
那須 翔(経団連副会長)
大賀 典雄(新産業・新事業委員長)
秋山 富一(住友商事社長)
今井 賢一(スタンフォード大学教授)
- マルチメディアが生活・ビジネスをどう変えるのかを探る。「マルチメディアを行政サービスに活用してはどうか」(関本氏)、「企業の業務改革、企業間取引の合理化・透明化の重要な手段」(那須氏)、「マン・マシン・インターフェースを考慮することが重要」(大賀氏)、「消費者の多様化に対応しながら、低廉な価格で情報提供するべきだ」(秋山氏)、「緊急事態に対処できることが重要。企業活動、国際理解、地球環境問題のために使われなければ社会的基盤としての支持は得られない」(今井氏)など。
マルチメディア情報基盤をどう創るか
村上 輝康(野村総合研究所研究理事)
- マルチメディア情報基盤を日本に構築するうえでの鍵は、経営者・官僚・主婦が使いこなせるアプリケーションが出てくるかどうかにかかっている。
進化するネットワーク
─ 日米社会のマルチメディア化事情
会津 泉(ハイパーネットワーク社会研究所研究企画部長)
- ネットワークが、政府・大企業主導の規格から、エンドユーザー主導のインターネットに世界の標準化の流れが移行した時、日本は認識の切替えが大幅に遅れてしまった。
感覚の変容
─ 大日本印刷マルチメディア開発最前線
- 技術が新しい世界を開くと同時に、人間の感覚・価値観を変えていく。新しい感覚から何が生み出されるか。
情報インフラ整備と知的財産権
山地 克郎(富士通法務・知的財産権本部副部長常務理事)
- 情報インフラが整備されると、知的財産の利用形態、流通形態が多様化する。その知的財産をどう保護するか。
通信市場の将来
イアン・バランス(ブリティシュ・テレコミュニケーションズ会長)
- ブリティッシュ・テレコムの民営化は、イギリスのユーザーに欧州で最も安く、多様なサービスを受けることを可能にした。日本の市場にも完全な自由化を求めたい。
情報通信技術の先にあるもの
加藤 邦紘(日本電信電話 理事・研究開発本部技術企画部長)
- マルチメディアをめぐる昨今の技術革新と産業論・社会論的視点から、技術の先にあるものは何かを考える。
一般記事
自由な市民社会の構築に向けて
─ 実効ある規制緩和推進計画の策定を
中内 いさお(経団連副会長)
- 経団連が94年11月に政府に提出した19分野 456項目にわたる規制緩和要望の基本的考え方を解説。自主・自律・自己責任原則に基づく自由な市民社会の構築を求める。
成長するアジアの息吹を感じて
─ APECビジネスミーティングに参加
熊谷 直彦(日本・インドネシア経済委員長)
- APECに民間の声を反映させることの意義と重要性を解説。
北京、重慶、長江下り、武漢、そして上海
─ 中国委員会調査団の印象
糠沢 和夫(経団連常務理事)
- 94年10月〜11月の中国委員会調査団が見てきた中国各都市の経済状況。
多様な顔を持つ欧州農業
石川 恵(経団連職員)
- 市場主義経済に向かうドイツ、ハンガリー、良好な農村景観を守るスイス、共通農業政策の改革に踏み切ったフランス、イギリス、オランダなどのEU諸国の農業事情。
政治と金(2)
政党の収入の源泉
田代 正美(経団連社会貢献部課長)
- アメリカ、イギリス、ドイツの収入源、議員スタッフの役割、選挙運営
シリーズ
- ●ずばり、きらり ─ 広報委員長です
河野 俊二 経団連首都問題委員長にきく
聞き手:関本 忠弘(経団連広報委員長)
東京一極集中にメスを入れる
- 地方分権推進法の成立を前にして、経団連の提出した意見の趣旨を解説。
- ●こんな規制はもういらない!
割高なのに値上げするタクシー運賃
五十嵐 英明(経済評論家)
- 日本のタクシー運賃を 100とすると、アメリカ・フランスは40強、イギリスが56、ドイツが69。この理由は何なのか。
- ●ドラッカーが斬る現代
企業家としてのコミットメント
- 社会生態学者のP.F.ドラッカーが描くマネジメントの企業家的側面。
- ●経営者のひととき(エッセイ)
-
ローマの歴史
笠原 幸雄(ジャパンエナジー会長)
一生勉強 塚本 能交
(ワコール社長)
- ●美への視線〔五島美術館〕
書と絵とのコンビネーション
竹内 順一(五島美術館学芸部長)
- 本阿弥光悦筆、俵屋宗達下絵(伝)『色紙帖』をめぐって、書と絵との一体感を表す。
- ●エッセイ「豊かの国で」
スキャンダル
荻野 アンナ(作家)
- ●地球発ビジネス事情
個人より社会、自由より政治的安定
大吉 昭一(NLIインターナショナル・シンガポール社長)
- シンガポール在住の日本人ビジネスマンが見たシンガポールの経済・社会事情
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