表紙イメージ 経済Trend ロゴ2008年9月号

地域活性化に向けた広域連携の推進
今月の表紙: 浅井力也 作 「ぶどう」 (Love one anotherの作品より)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

電子行政が問い直す「この国のかたち」
古川一夫 (日本経団連副会長/日立製作所社長)

特集
地域活性化に向けた広域連携の推進

東京一極集中がふたたび強まりを見せる一方、地域経済の疲弊、地域間格差拡大はなかなか改善されてこない。国・地方を通じて財政制約が強まり、地域活性化のための大規模な財政出動を行うことが極めて困難な中で、地域経済再生に向けてどのような視点が重要なのか、具体的な取り組みの道筋を探る。
座談会
増田寛也 (総務大臣/内閣府特命担当大臣(地方分権改革)/地方再生担当/道州制担当)
想像力やイノベーションの強化が非常に重要である。地域の大学等が知の拠点となり人材育成をし、地域自らが地域の立地性、利便性、優位性をよく考えて各県が協力し成果を出していく。そうした県を越えたダイナミックな広域連携が必要だ。また、道州制に向けて広域連合の仕組みで具体的な成果が出てくることに期待している。
松沢成文 (神奈川県知事)
地域の発展には、地域経済を活性化させることが最も重要である。神奈川県では県の持つ強みをじっくり考え、「インベスト神奈川」と「神奈川R&Dネットワーク構想」に取り組み、産業政策を立て直してきた。今後はさらに首都圏全体の優位性を考えた政策を自治体による広域連携で議論し推進していきたい。
原 良也 (日本経団連評議員会副議長・産業問題委員会共同委員長/大和証券グループ本社最高顧問)
グローバル経済が変調する中で、地方の競争力が見直される局面が訪れている。地域の特徴を活かし世界の経営資源が集まるような優遇策を講じて、グローバルに通用する大規模広域クラスターの創成が必要である。そのためには、広域連携での発展を目指した地域自身の強いリーダーシップが求められている。
松原 宏 (東京大学大学院総合文化研究科教授)
人口減少を迎えた地域経済社会においては、生産性を上げていくことと、量よりも質を重視していく考え方が求められる。また、地域の競争力、イノベーションをどのように強化していくか、それらを支える人材の育成や確保が地域経済の再生にとって非常に重要である。
廣瀬 博 (司会:日本経団連産業問題委員会企画部会長/住友化学副社長)
国の支援策で重要なのは、地域の広域連携に向けた積極的な取り組みへの具体的な支援ではないか。広域連合の活用を推進し、多くの地域で道州制の先行実施が可能となるよう、道州制特区推進法の改正が必要である。

●なぜ今地域活性化なのか

●地域活性化に向けた取り組み

●地域活性化に向けた広域連携の推進

提言
地域の競争力をいかに向上させるか
「自立した広域経済圏の形成に向けた提言」
西田厚聰 (日本経団連評議員会副議長・産業問題委員会共同委員長/東芝社長)
【 経済連合会の取り組み 】
地域活性化における広域連携の重要性
〜東北経済連合会の広域連携の具体事例
三瓶光紀 (東北経済連合会専務理事)
  • 東北経済連合会のビジョン
  • 広域連携に向けた取り組み
  • 国際的にも認知される広域経済圏へ
北陸地域の活性化に向けて
〜広域連携の取り組みから
畠山正樹 (北陸経済連合会専務理事)
  • 北陸のポテンシャル
  • 広域連携の取り組み 〜3県の官民協働、産学連携を推進
  • 北陸地域の活性化に向けて 〜持続させるための仕組みが重要
中国地域発展推進会議の設立について
鎌倉秀章 (中国経済連合会専務理事)
  • 設立の目的・背景 〜県境を越えた広域課題を官民一体で考える
  • 検討課題 〜まずは広域観光の推進をめざす
四国における広域連携の取り組みとインフラ整備の重要性
谷口壽人 (四国経済連合会専務理事)
  • 四国独自の歴史文化を活かした地域づくり
  • 地域プロスポーツ支援を通じた四国の新たな魅力づくり
  • 広域連携を支えるインフラ整備の重要性
【 観光 】
観光分野における広域連携と地域活性化
田中浩二 (九州観光推進機構会長)
  • 今こそ求められる観光立国
  • 7県合同・官民合同の九州観光振興
  • QTPOの戦略と成果
【 人材の育成・確保 】
地元企業との連携による岩手大学の人材育成
藤井克己 (岩手大学長)
  • (そったく)同時」の教育を図る
  • 地域貢献における地方大学の優位性とは
  • ものづくりのプロ「岩手マイスター」育成へ
地域活性化に向けた地方自治体への協力、中小企業支援への取り組み
〜人材面での支援
勝俣宣夫 (国際社会貢献センター会長/丸紅会長)
  • 日本貿易会が設立した国際社会貢献センター(ABIC)
  • 地域活性化の動きへの連動
  • 地方自治体への協力と中小企業支援
  • 中小企業支援形態
  • 地域活性化に向けて幅広く支援
【 企業と農業との連携 】
産業界と農業界との連携・協力の推進
〜食料安定確保と農業活性化に向けて
小林栄三 (日本経団連農政問題委員会共同委員長/伊藤忠商事社長)
  • 深刻さを増す世界と日本の食料事情
  • 食料・農業をめぐる潮目の変化をチャンスに
  • 農業界との連携・協力の推進
  • 農業の活性化と食料の安定供給に向けて
農業との連携を推進するキリンビールの地産地消(千産千消)の取り組み
〜千葉県産品を応援する地域密着営業について
加々美 晶 (キリンビール千葉統括支社長)
  • 酒類事業の誓い
  • 地域密着営業
  • 千産千消の取り組み
  • JA全農ちばとの協働
  • 千産千消プロジェクトの発足
  • 地域の活性化に協働して取り組む
社員食堂におけるキヤノンの地産地消の取り組み
細谷善仁 (キヤノン人事業務センター所長)
  • 地産地消とは 〜頭を悩ました目標値の定義
  • 地産地消は環境にやさしい
  • 社員がメニュー選択の際に必要な情報提供
  • 今後に向けて

追悼 永野 健 日本経団連名誉会長逝く
故 永野健名誉会長を偲んで
 御手洗冨士夫 (日本経団連会長)
 根本二郎 (日本経団連名誉会長/日本郵船名誉会長)
 奥田 碩 (日本経団連名誉会長/トヨタ自動車取締役相談役)
 柴田昌治 (日本経団連評議員会副議長/日本ガイシ会長)
 宮内義彦 (オリックス会長)
 鈴木忠雄 (メルシャン特別顧問)

アジアにおいて求められる人材マネジメント
〜企業と社員のWin―Win関係の構築を
立石信雄 (オムロン相談役)
従業員の健康増進に向けた取り組みとヘルスケア産業への期待
田中 敦 (ジェイティービー事業創造本部コーポレートソリューション事業部事業開発担当部長)
日本経団連第七回社史フォーラム
産業史の検証資料としての社史
〜実例と利用者からの要望
橘川武郎 (一橋大学大学院商学研究科教授)
「日本郵船社史 創立100周年からの20年」
〜プランニングから配布まで
松田俊男 (日本郵船社史編纂室長)
社史編纂の技法と留意点
〜企画から刊行まで
武田晴人 (東京大学大学院経済学研究科教授)

● IT先進企業の経営革新〜活躍するCIOに聞く
時代を読み、マーケットの環境変化を見極めITの最適化を図る
佐藤政行 (セブン&アイホールディングス執行役員)
● 経営者のひととき
環境への取り組み「京都から発信」
柏原康夫 (京都銀行頭取)
● あの時、あの言葉
雑感――“ある信用の物語”を思い出しながら
羽鳥嘉彌 (ダイドーリミテッド相談役)
● エッセイ「時の調べ」
草原の香り
川上智子 (パフュームデザイナー)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
体当たりで相互理解を深めること、心を一つにするということ
小関珠音 (dimmi代表取締役)

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