表紙イメージ 経済Trend ロゴ2008年12月号

グローバル経済下での外国人材活用を考える
今月の表紙: 友永 太 作 「オーケストラ」 (部分)(パソナグループ「アート村プロジェクト」参加作品)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

国際標準化に挑む人たちにエールを
野間口 有 (日本経団連評議員会副議長/三菱電機会長)

特集
グローバル経済下での外国人材活用を考える

これまでわが国では、外国人の有する多様な価値観や経験、ノウハウ等を、日本経済社会の活性化、国際競争力の強化に結びつけていこうと、高度外国人材の受け入れを進めてきた。人口減少下でも活力ある経済社会の維持に向けて、今後は定住をも見据えた受け入れを検討すべき時期にきているのではないか。その必要性や中長期のビジョンを探る。
座談会
奥田 務 (日本経団連評議員会副議長・経済政策委員会共同委員長/J.フロント リテイリング社長)
本格的に人口減少が進むなか、中長期的に国の活力を保っていくためには、外国人材の積極的受け入れや定住化は避けては通れない課題である。法制面や行政面の整備を進めるとともに、わが国にふさわしい形での「日本型移民政策」の確立に向け、国民的な議論を開始すべき時期にある。
川口 均 (日産自動車常務執行役員)
当社ではダイバーシティを企業の成長戦略に捉え、国籍を超えた平等でフラットな処遇と、「和魂洋才」を大事にした人材育成で優秀な外国人材獲得を図っている。日本型移民政策については、これまでの諸外国の政策の成功や失敗をよく精査し、日本に最もふさわしい政策をしっかり練り上げて欲しい。
モンテ・カセム (立命館アジア太平洋大学学長)
優秀な外国人材を獲得するには、潜在的な国の魅力と、その魅力の発信が重要である。日本型移民政策を考える上では、外国人が住みやすい環境整備を図るとともに国民のコンセンサスが必要であり、外国人受け入れのパイロット事業を各地域で行うなどの行動によって、国民への理解を深めていくべきである。
井口 泰 (関西学院大学経済学部教授)
世界中の高度人材をただ集めようとしても簡単なことではない。日本は、まずはアジア地域に軸足をおいた戦略を考えるべきである。日本、中国、韓国が協力して、中学時代あたりから相互に留学し合うシステムを構築し、日本のよさを理解したアジアの有能な人材を受け入れていくことも方策の一つである。
椋田哲史 (司会:日本経団連常務理事)

●今なぜ外国人の受け入れが重要なのか

●外国人の受け入れをどう進めるか

●留学生受け入れの拡大と国内での就職促進に向けた課題

●日本型移民政策を考える

提言
人口減少に対応した経済社会のあり方
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/073.pdf
村岡富美雄 (日本経団連経済政策委員会企画部会長/東芝取締役代表執行役専務)
わが国企業における外国人材活用の現状と課題
日本経団連産業第一本部
【 企業のグローバル人事戦略 】
〈三菱商事〉
「日本企業で活躍しうるグローバル人材」について
松田豊弘 (三菱商事HRDセンターグローバル人材開発室長)
  • 発展空間(HRD-Universe)の必要性
  • キャリア開発計画(Career Management<CM>Program)の制度化
  • 本社の経営戦略情報の共有化(Bilingual Information System)
  • 「適材適所適時」を実現するための「適練適材適時」
  • グローバルHRDシステムの実施における関係部局の協働
〈NEC〉
外国人材の採用、活用と課題
三笠善勝 (NEC人事部採用エキスパート)
  • 外国籍従業員を幅広い分野に配置
  • 特に期待される海外向け事業領域と研究領域
  • 年々増えている留学生の新卒採用
  • 課題解決に向けて〜言語を超えてビジョンや価値観を理解してもらう工夫を
〈NTTデータ〉
グローバル人財活用について
寒河江弘信 (NTTデータ人事部長)
  • 事業戦略に合わせ各拠点で外国人社員を採用し活用する
  • 外国人社員受け入れに伴う国内拠点の課題
  • 人材の国際化はグローバル展開では必須
  • 魅力的な就業ができる国となる努力を
〈富士通〉
外国籍人材採用戦略とグローバル人材育成
田籠喜三 (富士通人事部人材採用センター長)
  • 外国籍人材を積極的に採用
  • 富士通の求めるグローバル人材〜組織を担える人材を
  • 外国籍人材の定着のために現場を変えていく
  • 外国人の将来設計が可能となるような社会に
外国人社員の受け入れに関する課題と対応
小平達也 (ジェイエーエス社長/東京外国語大学多言語・多文化教育研究センターコーディネーター養成プログラム アドバイザー)
社会統合政策の構築に向けて
山脇啓造 (明治大学国際日本学部教授)
地方自治体と社会統合政策
北脇保之 (東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター長 教授)
インド人と日本人の共生を目指して
ジャグモハン・S・チャンドラニ (江戸川インド人会会長)
〈ルポ〉
外国人受け入れに向けた街づくり
〜むつ小川原開発地区(青森県)の取り組み
日本経団連社会第一本部
法務省報告書「新たな在留管理制度に関する提言」について
千葉 明 (法務省入国管理局登録管理官)
欧州先進諸国の移民政策が与える示唆と課題
日本経団連産業第一本部・経済第一本部

互恵的な日印関係の構築に向けて
〜シン・インド首相の訪日に合わせて日印ビジネス・リーダーズ・フォーラムを開催
御手洗冨士夫 (日本経団連会長)
日韓経済界の信頼関係をEPA交渉再開の梃子に
〜第二回日韓ビジネスサミット・ラウンドテーブルの成果
張 富士夫 (日本経団連副会長/トヨタ自動車会長)
提言
ポスト京都議定書の国際枠組に関する提言
〜COP14に向けた産業界の見解
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/084.html
坂根正弘 (日本経団連評議員会副議長・環境安全委員長/コマツ会長)
  • 提言取りまとめの経緯
  • ポスト京都議定書の国際枠組に不可欠な要素
  • 個別論点等に関する意見
会計基準の国際的な統一化へのわが国の対応
〜今後のわが国における会計基準のあり方を提言
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/071/index.html
島崎憲明 (日本経団連経済法規委員会企業会計部会長/住友商事副社長)
  • IFRS採用に向けたわが国の対応
  • IFRSの採用に伴う個別財務諸表の取り扱い
  • わが国における今後の課題
  • 今後のIASBの活動に対する期待
修好100周年を迎えた日本コロンビア経済関係の拡大を期待
〜日本コロンビア賢人会とコロンビア経済視察団報告
小島順彦 (日本経団連日本コロンビア経済委員長/三菱商事社長)
社会的責任の国際規格化をめぐる最近の動向
〜グローバリゼーションにおける企業の社会的責任の方向性
鍛治舍 巧 (日本経団連企業行動委員会社会的責任経営部会長/パナソニック常務役員)
世界自然保護会議に参加して
吉田元一 (日本経団連自然保護協議会監事/三井物産副社長)
アデン湾における海賊事件対策についてご理解ご支援を
前川弘幸 (日本船主協会会長/川崎汽船社長)

● 経営者のひととき
攻撃は最大の防御
坂根正弘 (コマツ会長)
● あの時、あの言葉
果たされた「守る」という約束
高山成雄 (伯東取締役名誉会長)
● エッセイ「時の調べ」
脚本家ってなんですか?
田渕久美子 (脚本家)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
「私」という問い、解けない問い
北村 文 (明治学院大学教養教育センター専任講師)

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