表紙イメージ 経済Trend ロゴ2009年2月号

未曾有の難局を乗り切る
〜2009年春季労使交渉・協議に向けて
今月の表紙: 岡田清和 作 「春待つ日」 「岡田清和はり絵の世界」より
(妙高市教育委員会内 はりえ作家 岡田清和さんを支援する会提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

都市化率を意識した政策の提言
坂根正弘 (日本経団連評議員会副議長/小松製作所会長)

特集
未曾有の難局を乗り切る
〜2009年春季労使交渉・協議に向けて

米国発で世界中に広がった金融不安は、実体経済にも急激な影響を及ぼし、世界同時不況とも言える深刻な状況を生みだしている。この難局を労使でいかに乗り越えていくか。今年の春季労使交渉・協議に臨む経営側の姿勢について議論する。
座談会
大橋洋治 (日本経団連副会長・経営労働政策委員長/全日本空輸会長)
100年に一度といわれる経済危機を迎え、賃金改定を中心に厳しい労使交渉・協議になると予想される。減益傾向が一層強まるなか、ベアは困難とする企業が多いのではないか。労使は現下の経済状況について認識を共有し、次の飛躍につなげるための話し合いを行うことが重要だ。厳しい時こそ労使関係の真価が問われる。(誌上参加)
鈴木正一郎 (日本経団連評議員会副議長・雇用委員長/王子製紙会長)
厳しい経済状況を踏まえれば、雇用安定に向けた話し合いが優先となろう。働き方が多様化する中で雇用問題は過渡期にきている。労使間での話し合いはもとより、雇用のセーフティネット強化など政労使が協調して取り組むことが重要だ。企業は景気回復に全精力を注ぎ、働く場の創造に一層努力をしていく。
三浦 惺 (日本経団連評議員会副議長・労働法規委員長/日本電信電話社長)
まずは現下の経済状況に対する認識を労使でしっかり共有し、将来の成長に向けた布石を打つことが重要だ。苦しい時こそイノベーションが生じ、必ず次への飛躍となる。今次労使交渉・協議では、賃金と雇用が焦点となろうが、喫緊の課題は雇用の安定であり、そのために企業は手段を尽くさなければならない。
指田禎一 (日本経団連労使関係委員会共同委員長/日清紡績会長)
過去の経験や教訓を踏まえつつ、労使で危機感を共有し一丸となってこの難局を打開する姿勢が重要である。従業員の価値観や働き方の多様化が進むなか、ワーク・ライフ・バランスの推進など課題解決型の労使交渉・協議を進め、日本企業の強みである現場力の強化、ひいては生産性の向上へとつなげていくべき時期に来ている。
川本裕康 (司会:日本経団連常務理事)

○大きく様変わりした経済・経営環境

○春季労使交渉に臨む経営側の姿勢

○雇用の安定化に向けて

2009年版経営労働政策委員会報告
〜労使一丸で難局を乗り越え、さらなる飛躍に挑戦を
日本経団連労政第一本部
【 経営者の視点 】
未曾有の危機を乗り切る
張 富士夫 (日本経団連副会長/トヨタ自動車会長)
  • 深刻さを増す経済危機
  • 直近の緊急措置と中長期を見据えた施策を
企業として今なすべきこと
西田厚聰 (日本経団連評議員会副議長/東芝社長)
  • イノベーションと人財育成の必要性
  • 変化をリードしていく
経営者協会の今後の課題
〜経営労働政策委員会報告を受けて
福井邦顕 (福島県経営者協会連合会会長/日本全薬工業社長)
2009年経済情勢の展望について
中島厚志 (みずほ総合研究所専務執行役員チーフエコノミスト)
日本の労使関係の変容
戎野淑子 (嘉悦大学経営経済学部准教授)
【 企業の競争力を高める人事・賃金制度事例 】
やりがい働きがいを重視した賃金制度
〜住友化学の役割グレード制住
高尾剛正 (住友化学取締役常務執行役員)
  • 意欲ある人に、よりやりがいを
  • グローバル人事との一貫性の追求
  • 残された課題を労使で検討
「人を育てる評価」納得性の高い評価制度の導入
高橋 薫 (損害保険ジャパン執行役員人事部長)
  • プロセス重視の評価制度
  • 納得性の高い評価を通じた人材育成
  • 現状と今後の方向性
【 ワーク・ライフ・バランスの推進 】
日立製作所が取り組むワーク・ライフ・バランスの実現
大野健二 (日立製作所執行役常務)
  • 「人財力」の一層の強化に向けて
  • 労働時間、心身の健康増進、職場コミュニケーションに配慮
  • 社内の医療機関や研究機関との連携で働き方の見直しを進める
ワーク・ライフ・バランス実現に向けた『シゴトダイエット』の取り組み
村上通男 (パナソニック電工常務取締役)
  • 従業員・企業相互がWin-Winとなるワーク・ライフ・バランスを目指して
  • シゴトダイエット〜導入の目的
  • テーマを検討し、実践していく
  • ワーク・ライフ・バランス大賞を受賞
三井化学のワーク・ライフ・バランス施策の取り組み
得丸 洋 (三井化学常務取締役)
  • 三井化学の考えるワーク・ライフ・バランスとは
  • 厚労省「仕事と生活の調和推進プロジェクト」へ参加

金融危機を受けG8ビジネス・サミットを開催
御手洗冨士夫 (日本経団連会長)
提言
環境にやさしい日中関係をめざして
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/094.html
田中達郎 (日本経団連中国委員会環境タスクフォース座長/三菱東京UFJ銀行副頭取)
さらなる発展への期待が高まるトルコとの一層の交流促進を
〜第16回日本トルコ合同経済委員会を開催
梅田貞夫 (日本経団連日本トルコ経済委員長/鹿島建設会長)
産業多角化への協力の可能性を探る
〜第6回日本アルジェリア合同経済委員会をアルジェで開催
重久吉弘 (日本経団連日本アルジェリア経済委員長/日揮会長兼CEO)
「日本インドネシア友好年」と将来の両国関係
〜日本インドネシア経済フォーラムを振り返って
興津 誠 (日本・インドネシア経済委員会共同委員長/帝人顧問役)
辻  亨 (日本・インドネシア経済委員会共同委員長/丸紅相談役)
日越共同イニシアティブ第3フェーズがスタート
〜日越EPAとの相乗効果でさらなる経済関係の強化を
加藤 進 (日本経団連日本ベトナム経済委員長/住友商事社長)
ABACリマ会議を終えて
〜金融危機の中での2008年ペルー・プロセス
渡辺喜宏 (ABAC日本委員/三菱東京UFJ銀行顧問/国際通貨研究所専務理事)
進化するインターネット・ガバナンスをめぐる議論
〜第3回インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)報告
日本経団連産業第二本部

● IT先進企業の経営革新〜活躍するCIOに聞く
パナソニックのビジネスプロセス革新とIT戦略
牧田孝衞 (パナソニック常務役員 情報システム担当 IT革新本部副本部長)
● 経営者のひととき
インドの玉ねぎ
山田 豊 (東洋エンジニアリング社長)
● エッセイ「時の調べ」
愉快なハイドン、楽しいハイドン
茂木大輔 (NHK交響楽団首席オーボエ奏者/指揮者/エッセイスト)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
国際機関への道
横井眞美子 (OECD金融・企業局シニア・ポリシー・アナリスト)
● NEW FACE(新会員紹介)
内田洋行
セントラル警備保障

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