表紙イメージ 経済Trend ロゴ2010年10月号

アジア太平洋地域の持続的成長を目指して
〜2010年APEC議長国 日本の責任
今月の表紙: 加藤厚子 作 「秋の教会」 (ふれあいアートステーション・ぎふ提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

新たな時代における企業の社会的責任
佃 和夫 (日本経団連副会長/三菱重工業会長)

特集
アジア太平洋地域の持続的成長を目指して
〜2010年APEC議長国 日本の責任

アジア太平洋地域の持続的成長を目指して、APECは、これまで21の国・地域(エコノミー)の利害を調整し、経済面の協力を推進してきた。昨年発足20年を迎え、新たな活動のビジョンを求められる節目の年に議長を務める日本は、どのような役割を担い、その責任をいかにして果たしていくべきか、さまざまな観点から議論する。
座談会
佐々木幹夫 (日本経団連副会長・貿易投資委員長/三菱商事取締役 相談役)
アジア太平洋地域において地域経済統合を中核とする成長戦略を推進する枠組みとしては、開かれた地域主義の理念で自由化を推進してきたAPECが最適である。日本経団連としては、日本がAPECの議長を務めるという貴重な機会を利用し、政府と協力しながら、持続的成長の実現に向けて、APEC参加国・地域の経済界とも連携を進めていく。
渡辺捷昭 (日本経団連副会長・ABAC日本支援協議会会長/トヨタ自動車副会長)
アジア太平洋地域に展開する日本の自動車メーカーの課題として、研究開発の現地化と域内生産連携の確立がある。2020年にFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)を構築するためには地域経済統合の拡大と深化を日本が自ら先導する意気込みが必要である。国境措置、国内措置を問わず、聖域を設けることなく、制度・ルールを大胆に見直す必要がある。
浦田秀次郎 (早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)
APECは、ボゴール目標の次の目標としてFTAAPの実現を掲げるべきである。わが国がリーダーシップを発揮するとともに、わが国の将来を明るくするためには、さまざまな施策を講じつつ農業部門の自由化を進めるとともに、構造改革を実現しなければならない。
藤野 隆 (司会:日本経団連アジア・大洋州地域委員会企画部会長/旭硝子取締役常務執行役員)
APECに期待される役割・機能は、制度・ルールの調和を軸とする経済統合の推進を着実に進めることである。困難な問題であっても、まずはAPECでまとまることにより、グローバルな合意の実現に貢献することができる。

●アジア太平洋地域の重要性

●アジア太平洋地域におけるビジネスの現状と課題

●地域経済統合の必要性

●APECへの期待と2010年議長国日本の責任

2010年APECの課題
山澤逸平 (一橋大学名誉教授/元APEC賢人会議メンバー)
日本の外交戦略からみたAPECの今日的意義
渡邉昭夫 (平和・安全保障研究所副会長/東京大学名誉教授)
APECの果たすべき役割
カラン・バティア (米国APECナショナルセンター(NCAPEC)会長)
アジア太平洋地域の持続可能な成長に向けて
ピーター・アンダーソン (オーストラリア商工会議所チーフエグゼクティブ)

特別企画
「企業行動憲章」の改定

日本経団連は、10月を「企業倫理月間」と定め、企業倫理の徹底とCSR(企業の社会的責任)の推進に取り組んでいる。とりわけ本年は、約6年ぶりに「企業行動憲章」を改定するとともに、「実行の手引き」についても約3年ぶりに内容を更新した。
同憲章の見直しにあたっては、本年中に発行が予定されているISO26000(社会的責任に関する国際規格)の内容を適宜反映させたものになっている。
企業倫理徹底のお願い
米倉弘昌 (日本経団連会長)
企業行動憲章
「企業行動憲章 〜社会の信頼と共感を得るために〜」の改定について
加藤壹康 (日本経団連企業行動委員会共同委員長/キリンホールディングス会長)
社会的責任に関する国際規格がまとまる
〜ISO26000今年中に発行へ
関 正雄 (損害保険ジャパン理事CSR統括部長/ISO26000日本産業界エキスパート)

中東欧諸国とのさらなる連携の可能性を探る
〜訪中東欧ミッションの印象
横山進一 (日本経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/住友生命保険会長)
小林喜光 (日本経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/三菱ケミカルホールディングス社長)
課題解決型ビジネスの促進に向けた企業戦略と官民連携
矢野 薫 (日本経団連国際協力委員会共同委員長/日本電気会長)
複雑化する労働法制への対応策
〜第104回日本経団連労働法フォーラムを開催
日本経団連 労働法制本部
創立10周年を迎えた新むつ小川原
日本の、そして世界の夢に向かって
永松惠一 (新むつ小川原社長)

● あの時、あの言葉
常識で考えよ
西尾進路 (JXホールディングス会長)
● エッセイ「時の調べ」
学際的デザインによる「モノづくり」
川崎和男 (デザインディレクター/大阪大学大学院教授)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
ことばからはじまる世界、ことばで広がる宇宙
菊澤律子 (国立民族学博物館民族文化研究部・総合研究大学院大学准教授)
● NEW FACE 新会員紹介
タケエイ
ツクイ

バックナンバー・定期購読のご案内


日本語のホームページへ