経団連の最近の動き

(1999年5月)

「経団連インフォメーション」の記事より


No.217 ( 5月28日発行)より

経団連第61回定時総会を開催

5月25日、第61回定時総会を開催した。冒頭、今井会長は、民主導による経済の活性化に向けて、供給構造の改革ならびに社会保障制度の改革の重要性を指摘するとともに、景気の本格回復、経済の再活性化は国際的責務であると強調した。また、新しい世紀に向けて明るく活力の溢れた創造的な社会が一日も早く構築されるよう、経団連として、さまざまな問題に正面から取り組むとの決意を示した。
次に、事業報告・収支決算、事業計画・収支予算が、それぞれ原案通り承認されるとともに、役員の選任が行なわれた。その結果、岸東京三菱銀行頭取、荒木東京電力社長、片田KOMATSU会長、森下松下電器産業社長の4氏が新たに副会長に選任された。また、評議員会議長に那須東京電力会長が、評議員会副議長に樋口アサヒビール取締役相談役名誉会長、伊藤日本生命保険会長、今村清水建設会長、香西住友化学工業社長、大澤日石三菱社長、森川住友銀行会長、西室東芝社長、吉野本田技研工業社長の8氏が、新たに選任された。この他、顧問ならびに推薦会員の選任が行なわれた。
最後に、「産業競争力の強化と経済の活性化のために」と題し、

  1. 産業の競争力を強化する、
  2. 構造改革を推進し、将来への不安を払拭する、
  3. 未来につながる社会基盤を整備する、
  4. 自主的な取り組みを中心に据えた地球環境の保全に努める、
  5. 貿易、投資の拡大に向けて産業界の取組みを強化する、
ことを決議した。

No.216 ( 5月21日発行)より

第3回産業競争力会議(5/20)への「第1次提言」をとりまとめ・公表

経団連では、第3回産業競争力会議(5月20日)において産業競争力強化の具体的な提案を行なうため、5月18日「わが国産業の競争力強化に向けた第1次提言」をとりまとめ公表した。
提言の柱は、第1に供給構造改革に向けて企業が抜本的な取組みを進めるための環境整備として、連結納税制度の導入等の税制の国際的なイコール・フッティングや会社分割法制の創設、分社化法制の整備などの企業組織形態の多様化を進めるための法制の整備、第2に雇用問題への対応として、雇用のミスマッチ解消と新規雇用の創出、第3に工場跡地など遊休資産の有効活用である。
経団連では、今後、必要な法律・税制の改正、予算措置を実現するため働きかけていく。

大店立地法の運用指針案に対して意見を提出

2000年6月1日に大店法が廃止され、大店立地法が施行される。その運用指針に関する検討が昨年11月以来、通産省産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会合同会議で進められてきたが、運用指針案がまとまり、4月21日からの1ヵ月間、パブリックコメント手続に付された。経団連では、5月12日に流通委員会企画部会を開催し、通産省から指針案に関する説明を受けた上で検討を行ない、20日に意見を通産省に提出した。
経団連意見書では、

  1. 上乗せ規制の排除等大店立地法の趣旨の徹底と監視システムの確立、
  2. 出店者への過度の上乗せ負担(公共部門が対応すべき信号機設置や道路拡幅等のインフラ整備等)の禁止、「軽微変更」拡充による出店者負担の軽減、
  3. 都市計画法・建築基準法等手続の並行・先行処理による届出事務の円滑化、
  4. 「5年以内」から「3年後」への指針見直し時期の早期化、
等を要望している。
31日には、上記合同会議で指針答申案がまとまり、各省協議を経た後、6月中に通産大臣告示の見通しである。

No.215 ( 5月14日発行)より

提言「次期WTO交渉への期待と今後のわが国通商政策の課題」公表へ

来年からWTOの次期自由化交渉が開始される。わが国産業界としても、自らの利益に合致した国際通商ルールが形成されるよう日本政府等に働きかけていく必要がある。
そこで、経団連の貿易投資委員会では、内外関係各方面との意見交換や会員企業に対するアンケート調査に基づき、提言案をとりまとめた。18日の理事会での議決を経て経団連提言として公表する予定である。
提言案では、WTO次期交渉を通じ、貿易・投資の一層の自由化と一部加盟国の保護主義的な貿易措置の阻止を実現していくことが重要であるとした上で、交渉分野として、サービスの自由化、鉱工業品の関税引下げ、アンチ・ダンピングの規律強化、電子商取引の取扱いの明確化、知的財産権の保護強化、国際的投資ルールの整備などを最優先課題とすべきであると指摘している。また、わが国通商政策の課題として、二国間協定への取組みの強化、通商交渉に臨む国内体制の整備などの必要性を訴えている。

『日本企業の情報化戦略 ―ITで実現する経営革新』を刊行

経団連では、藤井義弘情報通信委員長編の『日本企業の情報化戦略 −ITで実現する経営革新』を、東洋経済新報社から刊行した。
わが国を代表する企業30社の情報化による経営革新へ向けた取組みと、それを具体化するための情報リテラシー向上策について、具体的かつビジュアルに紹介しており、独自の企業文化を持つ各社が、いかに創意工夫をしたか、そのノウハウが凝縮されている。

【概 要】
第1章:経団連がとりまとめた「次代を担う人材と情報リテラシー向上策のあり方に関する提言」を紹介
第2章:わが国代表企業30社の情報化による経営革新への取組みを、具体的かつビジュアルに紹介
第3章:専門家による、本音ベースの覆面座談会の模様を収録

* なお、本書は書店での販売の他、下記においても取り次いでいる。

【連絡先】
産業本部情報・新産業グループ 真名子、山口
TEL 03-3279-1411
FAX 03-5255-6257


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