経団連の最近の動き

(2000年3月)

「経団連インフォメーション」の記事より


No.250 ( 3月31日発行)より

「郵便事業への民間参入の速やかな実現を求める」を建議

経団連では、さる3月28日の理事会において標記提言を採択し、即日、政府与党他関係方面に建議した。中央省庁等改革基本法が「政府は、郵便事業への民間参入について具体的条件の検討に入るものとする」としていることに対して、民間経済界の考えを提言したものである。
同提言ではユニバーサルサービスを確保する見地から、「2003年の郵政公社移行と同時に第一段階の自由化を行なうこととし、3年後に競争状態等をレビューしてさらなる自由化範囲の拡大を検討する」としている。第一段階については、具体的には、(1)即日配達郵便などの付加価値郵便サービスを自由化するとともに、(2)通常の郵便物については、50グラム以下かつ料金90円以下の手紙および葉書は郵政公社の独占範囲として残し(ただし、ダイレクト・メールは自由化)、それを超える部分を自由化することを提言している。

提言「グローバル化時代の人材育成について」を取りまとめ

グローバル化、情報化等の急速な進展に伴い、人材育成の必要性は緊急度を増すなか、小渕総理主催の産業競争力会議や教育改革国民会議において、教育論議が活発に行なわれている。このような情勢を踏まえ、人材育成委員会(委員長:浜田広・リコー会長)では、3月28日、産業競争力強化の観点からの人材育成についての提言を取りまとめた。
提言では、企業が求める人材像について、あらゆる人材に求められる基礎的な能力と指導的立場に立つ人材に求められる能力に分けて明確化した。また、こうした人材を育成するための「複眼的」で「複線的」なシステムの実現を求めている。中でも、緊急に実行すべき課題として、教育の情報化、英語等のコミュニケーション能力の維持・向上等の5項目を取り上げ、その具体的な推進策を示している。また、産業界自らの教育界への協力事業として、教育界への講師派遣、インターネットによる子どもや教員に対する情報提供等を提案した。さらに、これらを含めて「人材育成のための企業・経済界の10のアクション」をまとめた。会員企業の皆様の十分なご理解、ご支援をお願いしたい。

No.249 ( 3月24日発行)より

「特殊法人等の改革に関する第一次提言」を建議

行政改革への取組みの中で、特殊法人等の改革はこれまでも一貫して重要な課題の1つであったが、中央省庁等の改革や財投改革においては、抜本的な改革が行なわれたとは言い難く、行政のスリム化や官民の役割分担等の観点から、改めてその必要性が高まっている。
そこで、経団連では、昨年11月より、行政改革推進委員会(委員長:大賀典雄副会長・ソニー会長)の下に「特殊法人改革ワーキンググループ」を設置し、改革の方向についての検討を重ねてきた結果、3月28日に標記提言をとりまとめ、政府・与党等関係先に建議する。
具体的には、

  1. 2001年1月の新体制への移行に合せて、中央省庁等改革基本法等に基づき、特殊法人等の整理合理化を実現するため、権威ある第三者的な機関を設置すると共に、政府自らも特殊法人等に関する徹底的な事業の見直しを行ない、政治決断による整理・縮小を図るべきこと、
  2. 上記見直しの結果、引き続き特殊法人等の形態を維持する法人についても、中期目標・中期計画の義務付け等、独立行政法人と同様の制度を確立すると共に、会計処理基準の適正化や外部監査制度の導入、特殊法人等の情報の開示・提供に関する法制度の整備、天下り受入れの原則禁止、定義・業務範囲、評価、財務・会計、政府の関与等の基本的制度を内容とする共通制度の整備を図るべきこと、
を提言している。

提言「次期WTO交渉の課題〜サービス貿易自由化交渉を中心に〜」公表へ

昨年12月のWTOシアトル閣僚会議の決裂を受け、新ラウンド交渉の立ち上げは依然として不透明な状況にある。他方、サービス貿易自由化交渉については、ウルグアイ・ラウンド交渉時の合意に基づき本年より交渉が開始された。
そこで、経団連の貿易投資委員会では、わが国産業界の立場から、新ラウンド交渉の早期実現の重要性を広く内外に訴えるとともに、サービス交渉について具体的な要望をわが国政府に伝え、その実現を働きかけるべく、標記提言をとりまとめた。28日の理事会での承認を経て、政府に建議する予定である。
同提言では、今後本格化が予想されるサービス交渉に関し、全サービス業種に係る横断的課題に対する産業界の意見と、通信、金融、運輸など12のサービス業種別の要望を明らかにしている。

No.248 ( 3月17日発行)より

「リーディング産業/分野の創出に向けた提言」(中間とりまとめ)に関する意見を募集

21世紀を目前に控え、わが国では、現下の景気低迷を乗り越えるとともに、真に豊かな経済社会を構築することが最重要の課題となっている。
こうしたなか、産業問題委員会(共同委員長:瀬谷博道旭硝子会長、西村正雄日本興業銀行頭取)では、経済における需要と供給の好循環を実現する上で、欠くことのできないリーディング産業/分野の創出問題について、本年5月を目途に提言を行なうこととし、この度、提言の「中間とりまとめ」を公表した。
そこで、本「中間とりまとめ」に対して広く会員の皆様からご意見を募集し、最終的な提言とりまとめの際に参考にさせていただくこととした。4月3日(月)までに、FAXまたは電子メールにて下記まで文書をご送付いただきたい。積極的なご提案をお待ちしている。

【お問い合わせ先】
産業本部産業基盤グループ 小川、野村
TEL:03-3279-1411(内線 3774,3776)
FAX:03-5255-6234
電子メール:ogawa@keidanren.or.jp

大企業の活性化に向け企業内起業家の活用を!

長期にわたる景気停滞から脱し、将来に向けてわが国経済の活力を維持・発展させるためには、産業界自らが大胆な変革に取り組むことが必要である。とりわけ、人・技術・資本等資源の宝庫である大企業において、起業家精神の発揮やベンチャー的取組みを加速させ、中核的な担い手として新産業・新事業創出に挑戦することが求められている。
そこで、経団連新産業・新事業委員会企画部会では、昨年3月から、コーポレート・ベンチャーの推進へ向けた具体的な方策について、コーポレート・ベンチャー経営者、ベンチャー・キャピタリスト、ベンチャー経営者等と意見交換をしながら、詳細な検討を進めてきた。今月末には、その検討結果を新産業・新事業委員会企画部会報告書として公表する予定である。

No.247 ( 3月10日発行)より

経団連訪東南アジアミッションを派遣

現在、アジア経済は好転し、実質成長率もプラスに転じつつある。他方、日本経済も回復の兆しを見せている。こうした時期にあって、通貨危機克服後のアジア経済発展の方策を検討し、日本の協力を深めることが重要となっている。
そこで、3月19日から3月26日にかけて、東南アジア4カ国(タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア)にミッションを派遣する。今井会長を団長とし、熊谷副会長、大賀副会長、荒木副会長、片田副会長、橋本評議員会副議長、上島日本・インドネシア経済委員長、草道日タイ経済委員長ほかが参加。
ミッションの目的は、各国の政府・経済界の首脳との直接会談で、(1)日本経済の回復の状況と見通しを説明し、(2)東南アジア各国の経済状況、構造改革の実態等に関する理解を深め、(3)直接投資や技術移転の動向など日本とアジア地域との経済関係の将来展望を探ることである。

鳴門 富士通副会長がABAC日本委員に就任

2月22日、小渕総理は、ABAC(APECビジネス諮問委員会)日本委員に松下正幸 松下電器産業副社長の後任として鳴門道郎 富士通副会長を任命した。
ABAC日本委員には、経済界から3名の委員が就くことになっており、楠川徹 富士総合研究所特別顧問、荒井好民 システムインターナショナル会長は引き続き日本委員を務める。
経団連は、日商、日経連、同友会、関経連のとともに、昨年12月に、わが国経済界としてAPECならびにABACに効果的に取り組むために設立された、ABAC日本支援協議会の活動に協力している。
2000年のABAC活動は、去る2月26日から28日に開催された第1回バンコク会合から開始されており、11月のAPECブルネイ会合に向けてビジネス界の提言を取りまとめる。

【本件連絡先】
ABAC日本支援協議会 青木
電話:03-3279-1473


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