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APEC CEOサミット

(2010年11月12日~13日)

2010年のAPEC CEOサミットは、APEC横浜リーダーズウィークの主要な公式行事のひとつとして、日本経団連の主催で開催されました。同サミットは、APECホストエコノミーの経済界が主催するフォーラムで、APEC首脳のメッセージに直接触れ、また首脳会議が打ち出す方向性を事前に捉えることができることから注目されています。また、民間のビジネス・リーダーのメッセージをAPEC首脳に直接伝える貴重な機会でもあります。

今年は、「世界の成長の原動力としてのアジア太平洋-経済危機後の繁栄を目指して」をテーマに、14のセッションが行われました。菅総理をはじめ、米国のオバマ大統領、中国の胡錦濤 国家主席など、11名のAPEC参加国・地域の首脳と、経団連の幹部をはじめとするアジア太平洋地域の経済界の代表者、国際機関の代表や学識経験者らがスピーカー、パネリストとして参加し、海外からの来訪者を含む900人以上の出席者を得て、世界経済におけるアジア太平洋地域のあるべき姿につき、様々な角度から議論を深めました。

初日のセッションでは、新興国の台頭等で世界経済の構造が変化する中、アジア太平洋地域が世界経済の成長センターとして引き続き中心的な役割を果たしていくべきとの見方が示されました。また、域内の一層の貿易・投資の自由化に取り組む必要があり、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の実現に向けて、TPP(環太平洋経済連携協定)やASEAN+6など域内のEPAの取り組みを推進していくべきであるとの積極的な意見が多く出されました。

二日目のセッションでは、エネルギー・環境問題、イノベーションとIT、CSR等の分野で、APEC参加国・地域の間の具体的な連携やプロジェクト推進につき、様々な提案がなされました。また、域内における新興国の役割が拡大するなか、国・地域ごとの制度やルールの調和や統一を図り、ビジネスにとって一体的な環境を整備していく上で、APECの果たす役割に高い期待が示されました。さらに、来年以降のAPECのメンバーの拡大の要請について、前向きに対応すべきとの提案もありました。

席上、菅総理は、「日本は、今また、国を開く。そのために自由貿易を進めたい。TPPについて、国内環境を整備するとともに農業改革を推進し、早急に関係国との協議を開始する。日本の魅力を高めることにより、優れた人材や知恵、技術、製品、そして投資を世界から積極的に受け入れていく」と、力強く「平成の開国」を宣言しました。

会合を通じ、アジア・太平洋地域における更なる地域経済統合推進の必要性と、持続的な経済成長に向けての課題が再認識されたと言えるでしょう。

13日 セッション6 パネルディスカッション
13日 セッション6 パネルディスカッション
米 オバマ大統領による基調講演
米 オバマ大統領による基調講演