APEC ABAC日本支援協議会 ABAC

用語集

A

ABAC = APEC Business Advisory Council(APECビジネス諮問委員会)

APECに参加する21エコノミーのビジネス界の代表(各エコノミーより最大3名)で構成される、APEC首脳に対する唯一の公式民間諮問機関。1995年に大阪で開催されたAPEC首脳会議で、官民交流の必要性・重要性を考慮し設立が決定した。ABACには、アジア太平洋地域における貿易・投資の枠組みのあり方をビジネスの立場から提言し、首脳・閣僚に年次政策提言を提出するとともに、直接対話を行う機会が与えられている。

ABTC = APEC Business Travel Card(APECビジネス・トラベル・カード)

商用目的で頻繁にAPEC各国・地域の間を移動する必要のあるビジネス関係者を対象に、一定の条件の下に交付されるカード。予め制度に参加する国・地域に事前審査を依頼し承認を受ければ、その国・地域に渡航する際に査証なしで、かつ、空港等で専用レーンを利用して円滑な入国審査を受けることができる。

AEO = Authorized Economic Operator(認定事業者)

貨物のセキュリティ管理とコンプライアンス(法令遵守)の体制が整備された事業者としてあらかじめ税関の認定を受けた者が税関手続の簡素化・迅速化等のメリットを得る制度。

APEC = Asia Pacific Economic Cooperation(アジア太平洋経済協力)

アジア太平洋地域の貿易投資の自由化・円滑化とそのための経済技術協力の枠組みとして、1989年に設立。ボランタリー、非拘束、コンセンサス・ベースの三原則に則り、開かれた地域協力、協調的自主的な行動を推進する。現在21ヶ国・地域が参加、GDP、貿易額で世界の約5割を占める。

APEC Food System = (AFS)(APEC食料システム)

ABACが1998年にAPEC首脳に提言。食料生産者、食品加工業者及び消費者を効率的に結ぶAPEC地域の活力有る食料システムを展望するもので、全消費者が長期にわたり手頃な価格で食料を入手可能であること、また、食料部門が地域の持続可能な経済発展に貢献することが目的。その実現のために、農村地域のインフラ整備、最新技術の普及、食料貿易の促進、の3分野での協力を提言している。また、2009年には食料需給逼迫、穀物価格の高騰を受け、食料の禁輸と輸出規制の禁止を求め、農村の貧困の撲滅と食料生産性の向上により自由な食料貿易を実現することでより高度で徹底した食料安全保障を確立すると同時に、科学的に対処することで食料の安全も確保する新たなAPEC食料システムを採択しており、これらの提言による貢献が実を結び、より実質的な形でABACをAPECの食料安全保障に関する取組みに関与すべくPPFSが構成されることになった。(PPFS参照

APEC Next Generation Interactive Tariff Database(APEC次世代双方向関税データベース)

APEC域内の輸出入業者向けに開発されている、域内の物品取引に関する関税・特恵条件等の情報を一元化したデータベース。

APEC Open Innovation Platform Initiative(APECオープンイノベーション・プラットフォーム・イニシアティブ)

2011年11月のAPECホノルル首脳会議に於いて、国境を超えたオープン・イノベーション推進の重要性が確認され、「実効的、無差別的かつ市場主導型のイノベーション政策のための共通原則」が合意、日本政府の提案による具体的な取組として本イニシアティブを進めていくこととなった。これを受けて2012年4月、日本政府の主導によりシンガポールに於いて「APECイノベーションと貿易会議」が開催された。なお、オープン・イノベーションとは、必要となる研究開発能力、技術、アイデア、人的資源、資金を広くオープンな外部市場に求め、効率的なイノベーションを目指すことを指し、ひいてはオープンイノベーションが経済成長と更なるイノベーションを引き起こす好循環を創出する経済発展モデルの中心ともなる。

APEC STAR Database = APEC Service Trade Access Requirements Database(APEC貿易アクセス要件データベース)

APEC域内のサービス提供者の輸出商機拡大を目的に開発されている、サービス市場の規制要件を集約したビジネス向けオンラインツール。

APFF = Asia-Pacific Financial Forum(アジア太平洋金融フォーラム)

域内金融市場の統合の一層の推進のために、既存のイニシアティブを補完し、更なる官民協働連携を進めるためのフレームワークとして2012年ABACより提言。この提言に基づき、2013年4月、オーストラリア・シドニーで準備会合的性格のシンポジウムを開催し、ビジョン、優先課題、具体的な作業プログラムを策定。2013年APFF創設が承認。

APIP = Asia-Pacific Infrastructure Partnership(アジア太平洋インフラ・パートナーシップ)

APEC域内に於けるインフラ開発投資に関する官民連携を促進するために、民間部門、政府、多国間開発機関が協働連携を行うイニシアティブとして創設。2011年8月、初の官民政策対話会合をペルー・リマにて開催、以降、これまでにメキシコ、フィリピン、ベトナム、タイ、インドネシアと計7回開催。

ARFP = Asia Region Funds Passport(アジア地域ファンドパスポート)

アジア域内で組成された投資信託商品を、相互に承認する共通ルールを策定し、その基準を満たす投資信託の域内全域での販売を可能とする制度構想

B

BMG = Business Mobility Group(ビジネス関係者の移動に関する専門家会合)

アジア太平洋地域における貿易及び投資の活動に従事するビジネス関係者の移動を促進することを目的として設置されたAPEC貿易・投資委員会(CTI)の下部組織。ABTCが主要な成果であるが、その他にも、国境を越える犯罪に関与する者やテロリスト等の入国防止対策に資する事前旅客情報(API)制度の導入等もこの会合により実現している。

Bogor Goals(ボゴール目標)

1994年、インドネシアのボゴールにおいて合意された、2020年までに自由で開かれた貿易・投資を実現させるというAPEC参加国・地域の目標。APEC域内の国・地域の間の経済開発レベルの差異を考慮し、先進国・地域は2010年までに、発展途上国・地域は2020年までに自由で開かれた貿易・投資を実現するとしている。2010年に横浜で開催された首脳会議において、13の国・地域がボゴール目標の達成に向けた顕著な進展を確認し、更なる貿易投資の自由化・円滑化に取り組むことで一致した。

C

C-TPAT = Customs-Trade Partnership Against Terrorism(テロ行為防止 のための税関・産業界パートナーシップ)

米国関税局が推進している官民共同によるサプライ・チェーンのセキュリティ強化を図るイニシアティブ。他に「24時間ルール」「10+2ルール」などが実施されている。米国関税局が示すガイドラインに沿い、輸入者、通関ブローカー、倉庫会社、船会社、製造業者がセキュリティ強化のためのコンプライアンス・プログラムの遵守を誓約することで参加が認められる。輸入者がローリスク企業と認定されれば、通関手続における検査回数が少なくなるなどのメリットがあると言われている。諸外国のAEO(認定事業者)制度との相互承認が進んでいる。日本のAEO制度とも、2009年6月に相互承認が実現し、日本のAEO企業からの輸入貨物の検査率の軽減等の優遇措置が与えられることとなった。

CAP = Collective Action Plan(共同行動計画)

1996年にAPEC首脳によって採択されたAPECのマニラ行動計画(MAPA)は、個別行動計画(IAP)と共同行動計画(CAP)、ならびにボゴール目標に記述された共同行動に関する進捗レポートで構成されている。CAPと呼ばれる共同行動計画は、APEC加盟国・地域が共同してその目的とする(1)貿易と投資の自由化と(2)その円滑化と(3)経済・技術協力の目標に進めるための域内共通の道筋・計画として合意したものである。

CTI = Committee on Trade and Investment(貿易投資委員会)

高級実務者会合(SOM)の傘下にあるAPECの主要な常設機関であり、貿易投資の自由化・円滑化の推進作業を担っている。CTI傘下の様々な小委員会やグループでの活動と連携しながら、1年間の議論の結果を閣僚会議に提出している。

Capacity Building(能力構築)

貿易の自由化・円滑化に次ぐAPECの第三の目的である経済・技術協力のために、国・地域の企業、個人が相対的競争力を持ち成長することを目標とした人材能力の強化・開発・育成の取り組み。能力構築。

D

DDA = Doha Development Agenda(ドーハ開発アジェンダ)

現在、世界貿易機関(WTO)で行われている多角的貿易自由化交渉。2001年11月にカタール・ドーハで新ラウンド「ドーハ開発アジェンダ(DDA)」の立上げが宣言され、2002年1月に交渉が開始された。DDAは、その名のとおり、開発が大きな課題であり、途上国に対する配慮や支援が大きな位置を占めている。再三、妥結を追及するも、交渉は難航、先進国と途上国の間の溝は深く、妥結のめどは依然たっていない。

E

EAP = ECOTECH Action Plan(経済・技術協力行動計画)

経済・技術協力の各国・地域別の年度別活動計画をいい、ウェブサイトで公開されている。

ECOTECH = Economic and Technical Cooperation(経済・技術協力)

APECの柱のひとつである経済技術協力は、APECという組織の様々な能力構築活動(Capacity Building Activities)をカバーしている。これらの能力構築活動は加盟国・地域、特に途上国が、自由化のもたらす利益を享受する能力を高め、多様性に富んだAPEC地域における格差を縮小することを目的としている。

EGS = Enviromental Goods and Service(環境物品・サービス)

グリーン成長及び持続可能な開発目的に直接かつ積極的に寄与する物品およびサービス。当該物品・サービスの実行関税率を2015年末までに5%以下に削減することを2011年のAPECホノルル首脳宣言でコミットしており、2012年のAPECウラジオストク首脳宣言で54品目が承認された。

e-IAP = Electronic Individual Action Plan(電子個別行動計画)

2000年、ブルネイでのAPEC閣僚会議においてIAP(個別行動計画)のメカニズムを電子媒体化することで透明性・具体性・包括性を高め便宜性およびアクセスを改善するe-IAPイニシアティブが支持された。電子化とあわせ、各国ばらばらであったIAPの報告様式を統一化・明確化することにより、自由化・円滑化・規制緩和のプロセスを速め、かつ予測可能なものとすることが期待されている。

F

FTAAP = Free Trade Area of the Asia-Pacific(アジア太平洋自由貿易圏)

ABACが2004年に「アジア太平洋域内でのFTA締結」を念頭にFTAAPを検討し、首脳へ提言した自由貿易圏構想。2009年のAPEC首脳宣言では、「域内経済活性化のため、APEC参加21ヶ国・地域が将来の目標とするFTAAP構想について「(実現に向け)基礎的な作業を進める」と明記した。更に2010年の首脳宣言では、FTAAPがASEAN+3、ASEAN+6及びTPP協定といった交渉進行中の取組みを基礎として更に発展させることにより、包括的な自由貿易協定として追及されるべきことや、APECがFTAAPに含まれるべき「次世代型」の貿易及び投資の問題を規定し、整理し、そして対処することに重要な役割を果たすことにより、重要で意味のある貢献を行うことがうたわれた。

H

Hanoi Principles(ハノイ原則)

APEC中小企業作業部会が策定した建設およびエンジニアリング分野の自主的な倫理諸原則のこと。2011年11月のオープンガバナンスと経済成長に関するAPECハイレベル政策対話で承認された。

Honolulu Declaration(ホノルル宣言)

2011年11月米国ホノルルで開催されたAPEC首脳会議で採択された首脳宣言。イノベーション政策が貿易・投資を制限することを防ぐための「効果的、無差別かつ市場主導型のイノベーション政策のための共通原則」や、環境物品(環境への負荷の低減に資する製品等)に関する関税を2015年末までに5%以下までに削減することを含め、環境物品・サービスの貿易投資の自由化のための措置などが合意された。

I

IAP = Individual Action Plan(個別行動計画)

CAP(集団的行動計画)と対をなすもので、1996年にAPECのマニラ行動計画(MAPA)の一部として採択された。IAPは、各AEPC加盟国・地域が個別に貿易と投資の自由化・円滑化の推進のためになすべき各国の行動計画、道標を示したもので、15の分野が対象になっている。ボゴール目標に向かって、各国が自主的にこれらの分野における各種の貿易投資の障害を削減せしめることがAPECの中心的なメカニズムである。毎年その進展状況を閣僚会議に提出している。

IEG = Investment Experts' Group(APEC投資専門家会合)

1994年に貿易・投資委員会(CTI:Committee on Trade and Investment)の下部組織として設立され、域内における自由で開かれた投資を推進するための支援を担っている。毎年、シンポジウムやサーベイを通じてビジネス・民間部門からの意見を取り入れ、官民対話の場としても機能している。

ITA = Information Technology Agreement(情報技術協定)

1996年12月、WTOシンガポール閣僚会議で合意された、情報技術関連機器とその部品等の関税を撤廃することを約束した協定。現在、参加国はEU加盟国27ヶ国を含む75ヶ国。以来、品目の改訂は行われておらず、技術進歩により多機能化・高機能化したIT製品を品目に含めることが課題となっていたことを受け、2011年APECホノルル首脳宣言にて、「APECエコノミーが交渉開始に向け主導的役割を果たす」との文言が盛り込まれた。この合意を受け日米が連携し、主要メンバーと調整し、2012年5月中旬より非公式協議に入った。ABACではこの動きを歓迎し、対象品目拡大交渉を「早期に意義ある結論に達するよう促進すべきと提言し、これを受けたAPECウラジオストク首脳宣言でも「良い交渉結果を迅速に達成するために本格的な作業を行うよう実務者に指示する」とし、交渉が活発化したが、2013年7月に中断、2013年バリ首脳宣言での「多角的貿易体制への支持及び第9回WTO閣僚会議(MC9)に関する独立文書」にてMC9までに迅速に交渉を妥結することを奨励し、交渉が再開された。

K

Kuala Lumpur Principles(クアラルンプール原則)

APEC中小企業作業部会が策定した医療機器分野倫理規約のAPEC原則のこと。2011年5月のAPEC中小企業大臣会合で採択、支持された。

M

Mexico City Principles(メキシコシティ原則)

APEC中小企業作業部会が策定したバイオ医薬品部門の自主的な倫理諸原則のこと。2011年11月のオープンガバナンスと経済成長に関するAPECハイレベル政策対話で承認された。

N

Next Generation Trade and Investment Issues(次世代貿易投資課題)

2010年の日本議長年の最終会議でAPEC首脳が横浜ビジョンに合意しFTAAPの実現に向け、施政者は指導力と英知を結集して「次世代貿易及び投資問題」の解決に当たるべきと述べたことを受け、2011年の米国議長年の主要目標として、(1)世界のサプライチェーンの円滑化、(2)世界の生産チェーンへのSMEの参加促進、(3)効果的で無差別かつ市場主導のイノベーション政策を追求することとなった。米国は各種問題を分析するに当たり、従来から存在した問題を別の視点から捉えたものと新たに発生した問題の二つに分割し検討を進めている。また、ABACは2011年の首脳宛提言書の中で、特に競争政策、投資、熟練人材不足、サービス、そして政府調達を含むその他いくつかの次世代問題に継続的に取り組むことを提言している。

O

OAA = Osaka Action Agenda(大阪行動指針)

自由で開かれた貿易投資というボゴール目標を達成するための指針であり、1995年の大阪会合で合意された。(1)貿易投資の自由化、(2)貿易投資の円滑化、(3)経済技術協力の3本柱からなっている。
貿易投資の自由化・円滑化は、個別ならびに共同行動、及び以下の分野を含む多国間フォーラムに関する行動によって推し進められる。サービス、投資、基準認証、税関手続、知的財産権、競争政策、政府調達、規制緩和/規制の見直し及び改革、WTO義務の履行(原産地規則を含む)、紛争仲介、ビジネス関係者の移動、情報収集・分析、市場機能の強化。

P

PA = Pacific Alliance(太平洋同盟)

2010年にペルーの提唱にてチリ、コロンビア、メキシコ、ペルーを正式メンバーとして設立された経済連携協定。4ヶ国内での自由貿易協定が締結、実現済。日本を始めとした16ヶ国がオブザーバー。ABACではTPP、RCEPと共にFTAAPを実現する道筋の一つとして位置付けている。

PBEC = Pacific Basin Economic Council(太平洋経済委員会)

1967年に設立された太平洋地域における実業人で構成される民間国際組織。メンバーである20カ国・地域の実業界相互の協力を促進することにより、各国間の経済関係を強化し、地域全体の経済的・社会的発展に寄与することを目的としている。具体的には、(1)太平洋地域及びその他の諸国の実業人の意見交換のための国際的な場の提供と(2)太平洋地域の基本的な経済問題等に関して各国政府及び国際諸機関に対する勧告・助言等を行っている。

PECC = Pacific Economic Cooperation Council(太平洋経済協力会議)

太平洋地域における協力関係を推進するために1980年に発足した国際組織で、産・官・学の3者構成が特徴。APECの発展・拡大に伴い、PECCはAPECの公式オブザーバーの立場で情報・分析・提案などの研究成果を提供し、APECと有機的に連携している。

PPFS = Policy Partnership on Food Security(食料安全保障に関する政策パートナーシップ)

APEC地域において持続的で十分な食料供給システムを2020年までに構築するという目標のもと、APEC諸国・地域の政府の食料安全保障政策に民間の声を反映させることを目的として創設された会議体で官・民・学・国際機関・NGO等の代表者から構成される。ABACの主張により2011年に創設が決定し、2012年5月ロシアで第1回会合が実現、原則年1回総会を開催し議論を行う。(APEC Food System参照

PPSTI = Policy Partnership on Science, Technology and Innovation(科学技術イノベーション政策パートナーシップ)

2012年にAPEC ISTWG(Industrial Science and Technology Working Group:産業科学技術作業部会)を改組し、イノベーションにけん引されたアジア太平洋地域の経済発展を目指す会議体を設置。官・民・学から構成される。2013年にジャカルタにて第1回PPSTIが開催されるもABACとしての関与方法の結論がでず、ABACとしてのサポートは引き上げることとなっている。

PPWE = Policy Partnership on Women and the Economy(女性と経済に関する政策パートナーシップ)

官民がそれぞれ別々で行っていた女性のエンパワーメント促進に関する活動を統合することが、2011年に議長である米国から提案され、官民の代表が参加する形で、政策パートナーシップを設立することが決定。APEC議長国の主催で年1回開催。これまでに、2011年サンフランシスコ、2012年サンクトペテルブルグ、2013年バリで開催された。

Pathfinder Initiative(パスファインダー・イニシアチブ)

2001年の第9回APEC上海首脳会議で採択された「上海アコード」で奨励された手法で、ボゴール目標の達成に向けた取組みを活性化させるために、全てのAPEC参加国・地域の参加がみられなくても、対応可能な一部の国・地域でプロジェクトを先行的に実施できるとしたもの。実施に際しては、自主性、包括性、コンセンサスに基づく意思決定、柔軟性、透明性、開かれた地域主義といったAPECの諸原則を順守する。具体例としてAPECビジネス・トラベル・カードがある。

R

RCEP = Comprehensive Economic Partnership(東アジア地域包括的経済連携)

ASEAN10ヶ国(東アジア諸国連合:タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア)と日本、中国、韓国に加え、インド、オーストラリア、ニュージーランドを含めた16ヶ国間で関税率を引き下げ、貿易を促進するために包括的に締結する協定構想のこと。投資規制の撤廃や知的財産権の保護強化なども盛り込む予定。

S

SCCP = Sub-committee on Customs Procedures(税関手続小委員会)

APEC貿易投資委員会(CTI)傘下に設置され、年2回開催される。目的は税関手続を調和・簡素化し、アジア太平洋地域の貿易円滑化。APEC域内のAEO(認定事業者)制度の相互認証を視野に、同制度の各エコノミーによる構築、調和化に資するべく、AEOベストプラクティスを策定予定。

SCE = SOM Steering Committee on ECOTECH(経済・技術協力運営委員会)

大阪行動指針第2部の経済・技術協力(エコテク)部分に関する取組を強化すべく、SOMの下に設立された「経済・技術協力小委員会(ESC:SOM Sub-Committee for Economic and Technical Cooperation)」が格上げ・改組を経て、2006年よりESCは高級実務者が出席する「経済・技術協力運営委員会(SCE)」となった。APECでのエコテク活動の強化やエコテク目標への政策的助言、エコテクの目的や優先事項の調整を目的としている。

SCSC = Sub-committee on Standards and Conformance(基準適合性小委員会)

SCSCは「APEC基準認証枠組宣言」に基づき、貿易投資委員会(CTI)傘下に創設された小委員会。貿易・投資の自由化・円滑化を促進するために、基準及び適合性評価の透明性の確保、国際規格への整合化、適合性評価の相互承認、技術インフラ整備・拡充の協力などを主要なテーマとして活動している。これまでの主な成果としては、食品の安全性や良き規制慣行など。

SOM = Senior Officials Meeting(高級実務者会合)

高級実務者会合は通常、年に4回議長国の都市において開催される。APECの高級実務者は閣僚に対して提言をおこない、その決定事項を実行する。また、高級実務者をSOMと呼ぶこともある。毎年第1回ABAC会議では、ABAC委員と高級実務者の懇談が行われる。

STEM = Science Technology Engineering and Mathematics

科学、技術、工学、数学の頭文字をとったもの。女性の進出が遅れている分野としてAPEC加盟国・地域でその推進が呼びかけられている。

San Francisco Declaration(サンフランシスコ宣言)

2011年9月にサンフランシスコで開催された「女性と経済サミット」で採択された宣言。女性が経済成長への貢献を効果的に高め、地域を越えた女性の経済的なエンパワーメントを強化するための「APEC女性と経済パートナーシップ(PPWE)」の設立を歓迎し、また資本へのアクセス、市場へのアクセス、能力・技能の形成及びリーダーシップの向上を優先分野として、政府関係者に求める具体的措置を提案。

Supply Chain Connectivity Framework(サプライチェーン・コネクティビティ枠組み)

国際物流の連結を強化するために、2009年にシンガポール及びオーストラリアが提案し、以来APECで推進しているアジェンダの一つ。輸送インフラの欠如や税関文書・手続きの負担など8つの課題分野(chokepoint)の改善に向けた取組みを行っており、2015年までにサプライチェーン能力を時間・費用・確実性の観点から10%改善することを目指している。

T

TFI = Travel Facilitation Initiative(旅行円滑化イニシアティブ)

APEC内の人の移動に関わる5作業部会を横断し、ABTC、信頼できる旅行者プログラム、航空機利用による移動者の安全確認、旅客者情報の高度化、一時預け荷物の円滑な移動という6分野についてより効率的で安全かつストレスの少ない移動を担保すべく立ち上げられた作業部会。2011年の首脳宣言でイニシアティブの立上げが決定した。

TPP = Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement(環太平洋戦略的経済連携協定)

ブルネイ、チリ、ニュージーランド、シンガポールの4カ国が原加盟国として参加するFTAで2006年に発効した。関税や非関税障壁を撤廃し、高いレベルの貿易自由化を目指す。物品の貿易、サービス貿易、政府調達、知的財産権、投資など幅広い分野を対象とする。原加盟国に加え、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、カナダ・メキシコ、日本が交渉に参加しており、合計12ヶ国となった。日本は2013年7月の交渉から参加しており、2013年中の交渉妥結を目指している。FTAAP構想への具体的枠組みのひとつと考えられている。

TRIPS = Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

WTO協定付属書として1995年1月より発効された知的所有権に関する取り決め。貿易・投資の促進・円滑化には、知的財産権の保護が不可欠であることから締結された。著作権(Copyright)、商標(Trademarks)、意匠(Industrial Design)、地理的表示(Geographical Indications)、特許(Patents)などをカバーしている。TRIPS協定はWTO加盟国が遵守すべき最低限の保護基準となっている。

W

WIPO = World Intellectual Property Organization(世界知的財産機関)

著作権や特許、商標などにかかわる権利である「知的財産権」を国際的に管理・運営するため1970年に設立された国連の専門機関。知的財産権の保護を世界的に促進するため、国際条約締結の推進、政府・組織・民間セクターの支援、法律・規則のハーモナイゼーションと簡素化の促進などを主な活動内容としている。加盟国は2013年11月現在で、186ヵ国となっている。