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新産業・新事業委員会企画部会報告書

「日本型コーポレート・ベンチャーを目指して」

<はじめに>


  1. 経団連では、95年7月の提言「新産業・新事業の創出に向けて―企業家精神を育む社会を目指して」において、新産業・新事業が発展するためには、独立ベンチャー企業への支援と並んで、既存企業が積極的に新規事業に取り組むことが不可欠であると指摘した。特に人材、技術、資本等を有する大企業は、日本型ベンチャーの担い手にふさわしく、リスクを恐れずに新事業に挑戦していくことを呼びかけ、次の諸点を強調した。

    1. 新規事業分野にふさわしい能力を有する優秀な人材を投入するとともに、リスクを冒す者に対して相応の報酬を与え、失敗に対しても経験の蓄積として前向きに評価すること、
    2. 積極的に分社化を進めるとともに、新規事業部門に対して思い切って権限委譲を図ること、
    3. トップが事業展開の予想が困難な分野への進出に積極的な姿勢を示すなどアントレプレナーシップを実践すること、

  2. 中間提言取りまとめ後、経団連では、機会ある毎に、景気を本格的な回復軌道に乗せるためには、何よりも企業が、自ら発展への道を切り拓いていく気概を持って新商品や新事業の創造に挑戦していくことが重要であると指摘してきた。そして、今年5月の経団連総会において、豊田会長は、会員企業に対して、「ベンチャー企業を1社以上立ち上げる」よう呼びかけた。

    経団連会員企業に求められているのは、これまでの本業を補完する新事業にとどまらず、起業家精神を発揮して、21世紀を先取りし、本業にインパクトを与える、あるいは企業風土を刷新するような、新事業開拓の取り組みである。

  3. そこで、新産業・新事業委員会(委員長 大賀典雄ソニー会長)の企画部会(部会長 古見多香郎日興リサーチセンター社長)では、豊田会長の呼びかけのフォローアップの観点から、委員会社各社における、これまでの取り組みの成功例・失敗例や過去の経験から得られた教訓などについて情報交換を行ない、今後の新規事業開拓の参考に供することとした。

以下は、各社の事例を中心に企画部会における議論のポイントを整理したものである。


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