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自由・公正・透明な情報通信市場の実現に向けた提言
― 経済活性化と構造改革を目指して ―

(おわりに)


以上、利用者の観点に立って、情報通信市場の望ましい姿とそれを実現するための制度的枠組みのあり方について見解を述べてきた。重要なのは、急速に進む技術革新や人々の価値観・ライフスタイルの変化等によってもたらされる利用者ニーズの変化に対応し、情報通信技術の高度利用のメリットを、国民が適時適切に享受することができるようにすることである。そのためには、自由かつ公正な競争の中で、事業者が自己責任原則に基づいて自由に利用者ニーズへ対応できるようにする必要があり、より一層の規制緩和や競争促進ルールの整備等を進めていかなければならない。現在、特殊法人であるNTTについても、将来的には、競争の進展に応じ、より一層の経営の自由が与えられることが重要となっていこう。

同時に、高度情報通信ネットワーク化が進展し、情報通信に関する需要がさらに喚起されるようにすることが肝要である。経団連が昨年7月に公表した「情報化の推進に関する提言」等において詳細な提言をしているように、行政においては、情報通信技術の高度利用に向けて、

  1. 産業の情報化のための環境整備
    (情報化やネットワークの利用を想定していない制度の見直し、電子商取引に関する環境の整備、コンテント拡充のための基盤の整備、減価償却制度の拡充等)
  2. 公的分野の情報化の推進
    (行政プロセスの電子化や電子申請・申告の拡充、歳出・歳入事務の電子化、行政情報のデータベース化、行政EDIの推進、行政サービスの電子化、教育・研究・医療・福祉・交通・防災等の情報化、地域の情報化など)
  3. 情報リテラシー・コンピュータリテラシーの向上
等を推進すべきである。とりわけ、公的分野の情報化は、従来型の公共事業と比べて景気刺激効果が大きく、景気対策としても、強力に推進する必要がある。

情報通信は、21世紀のわが国を先導するリーディング分野として期待されており、情報通信行政もそれに相応しく、他分野の行政を先導していくことが求められている。

以 上


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