Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年1月1日 No.3344  第4回日中農業交流・協力シンポジウムを四川省眉山市で開催

中国共産党眉山市委員会の黄剣東副書記
(右)と懇談する片野坂委員長

経団連の経済外交委員会(大林剛郎委員長、片野坂真哉委員長)では、アジア近隣諸国との民間経済外交を積極的に展開する観点から、農業分野を切り口とし、2013年9月以降3回にわたり、中国日本友好協会等と「日中農業交流・協力シンポジウム」を共催してきた。

一連の日中首脳会談や合同訪中代表団、「日中企業家及び元政府高官対話」など、両国官民の間でハイレベルな対話が加速するなか、並行して、中国の地方との草の根の経済交流を地道に拡充する取り組みは極めて重要である。

そこで、同委員会は12月8日、四川省眉山市で、日中双方から約110名の参加を得て、「第4回日中農業交流・協力シンポジウム」を開催した。概要は次のとおり。

■ 四川省・眉山市の特徴

まず中国側から、古来より稲作中心の農業が発達し、「天府の国」と称される全国有数の穀倉地帯・四川省の特徴が紹介された。また、省都の成都に次ぐ経済都市として、特にみかんや枇杷、漬物、牛乳・乳製品等の重要な生産・加工基地である眉山市について具体的な説明があった。

また、こうした特産品をはじめ、農業生産から加工・流通・販売に至るバリューチェーンにおいて、果物等農産物の3~4割が輸送段階で毀損する物流プロセスの実態について問題が提起された。

■ 日本のコールドチェーンに対する期待

これに対し、経団連側からは、日中農産物貿易の現状(日本の大幅入超)を踏まえ、中国の「農業産業化」と日本の「6次産業化」を接続するグローバル・フード・バリューチェーンを提示した。

また、特に生鮮食品や高付加価値の農水産物品を対象とした高速・保冷輸送(コールドチェーン)や安全・安心な食品工場の整備、衛生管理を徹底する各種対策など、日中間の「食の物流」への貢献策を紹介した。

■ 日中主導の基準づくり

さらに、経団連側は、品質・鮮度を保つ冷蔵・冷凍輸送サービスへの需要の高まりを受けた中国の巨大なコールドチェーン市場の発展ポテンシャルを踏まえ、日中が連携し、食の安全・安心に関する共通の基準を打ち出し、アジアや世界を主導していくよう提言した。

■ 主な成果と今後の取り組み

シンポジウムでは、国境を超えた日中フード・バリューチェーンの構築や農業分野におけるwin-winビジネスの実現に向けた方策や課題、将来の展望等について議論を深めることができた。

また、要人表敬では、中国共産党眉山市委員会の黄剣東副書記らとの懇談を通じて、中国でも重要な位置づけにある同地のキーパーソンとの人的ネットワークを構築した。さらに、漬物博物館や物流センターなど、川上から川下に至るフード・バリューチェーンを構成する拠点を視察し、中国有数の農業生産地帯の実態を把握できた。

経団連では、こうした成果も踏まえ、グローバルなビジネス展開を支える経済外交を今後とも戦略的に推進していく。

【国際経済本部】