表紙イメージ 経済Trend ロゴ2009年3月号

動き出す道州制
〜これからの日本を考える
今月の表紙: 醍醐恵子 作 「アネモネの花」 (部分)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

日本の気概
原 良也 (日本経団連評議員会副議長/大和証券グループ本社最高顧問)

特集
動き出す道州制
〜これからの日本を考える

このところ、政府、自民党のみならず、各地域で道州制議論が着実に盛り上がりをみせている。道州制導入による究極の分権型社会の早期実現に向け、どのように歩を進めていくべきか。国と地方の役割分担、基礎自治体の充実、税財政制度のあり方、道州制導入による具体的なメリットや国民理解の促進などさまざまな課題を議論する。
座談会
麻生 渡 (福岡県知事/全国知事会会長)
日本の将来を見据えた国や統治機構のあり方を真剣に考えなければならない。国は国家運営に非常に大きな影響を持つ問題に注力して取り組み、内政は地方に任せるべきである。地域に活力をもたらし、わが国全体の成長が期待できる地方分権改革や道州制推進に対し、国会議員や中央省庁の官僚の一層の理解を求めたい。
佐竹敬久 ( 秋田市長/ 全国市長会会長)
権限が付与された道州制であれば地域の主体性は高められる。地域を見直し、自らの力で新たな地域を創ろうという住民自治の芽生えもある中、今こそ社会全体のシステムを変える時期にある。行財政を効率化し、優秀な人材と資金を地方、民間に振り分けていくことが、人口減少下のわが国社会には不可欠だ。
中村邦夫 (日本経団連副会長・道州制推進委員長/パナソニック会長)
制度疲労を起こしている中央集権的なシステムを見直し、国際競争力を持った地域を創り、住民参加型の地域力のある地方自治に変えていくことが今求められている。道州制導入で地域を活性化していくには、税の抜本的な改革と地域への権限の付与が不可欠である一方、透明性の確保は非常に重要な課題となる。
池田弘一 (日本経団連評議員会副議長・道州制推進委員会共同委員長/アサヒビール会長)
住民サービスの大半は基礎自治体が行い、地域経済の活性化を道州単位で考え、特色あるきめ細かな地域経営を徹底してこそ、道州制本来の効果が発揮される。日本経団連では、一昨年前から道州制シンポジウムを開催し、国民理解の促進に努めている。今後は地元マスメディアの協力を得た広報活動も必要だ。
斎藤 誠 (東京大学法学部教授)
道州制導入で重要なことは国と道州の役割分担を決めた上で、道州に財源を保障し、包括的立法権限を持たせることである。道州という広域団体ができ、国の関与が最低限のものとなれば、地域における行政サービスの質の向上は望める。今すぐ着手すべきは、地方分権改革を着実に進めていくことである。
椋田哲史 (司会:日本経団連常務理事)

●今なぜ道州制を導入しようとしているのか

●目指すべき道州の姿

●道州制導入で期待される効果

●道州制導入に向けた課題

<インタビュー>
自民党が目指す道州制の姿
杉浦正健 (衆議院議員/自由民主党道州制推進本部本部長代行・道州制基本法制定委員会委員長)
《知事に聞く》
「道州制で地方はどう変わるか」
村井嘉浩 (宮城県知事)
上田清司 (埼玉県知事)
山田啓二 (京都府知事)
石井正弘 (岡山県知事)
飯泉嘉門 (徳島県知事)
今次道州制論の特色と課題
〜道州制に関する知事回答からみえてくるもの
辻 琢也 (一橋大学大学院法学研究科教授)
【 基礎自治体をどう強化していくか 】
道州制と基礎自治体のあり方
〜真の分権改革と、基礎自治体のパワーアップ
横尾俊彦 (佐賀県多久市長)
  • まずは分権改革を
  • 「自治」基盤の強化を
  • 議会・市民・首長に求められる役割
今こそ、問題解決能力を高める市民自治を
〜道州制導入のための最も大切で本質的な課題
加藤憲一 (神奈川県小田原市長)
  • 「地域主権の時代」への課題
  • 市民の市政参画の具体的仕組みを
  • 多面的な問題解決能力の強化を
道州制導入の意義と課題
〜三度目の正直か、二度あることは三度あるか
田村 秀 (新潟大学法学部教授)
イタリアの地方分権と地域活性化に果たす地方自治体の役割
工藤裕子 (中央大学法学部教授)
道州制導入に対する国民理解の促進に向けて
〜生活者に対する道州制の広報・広聴活動
田中秀明 (経済広報センター常務理事・事務局長)
〈ルポ〉道州制実現を目指す地域の取り組みと課題
先進地・九州のアイデアと苦悩
久永健志 (西日本新聞記者)

提言
経済連携ネットワークの構築を通じて、東アジアの将来を創造
「東アジア経済統合のあり方に関する考え方」をとりまとめ
大橋洋治 (日本経団連副会長・経済連携推進委員長/全日本空輸会長)
勝俣宣夫 (日本経団連経済連携推進委員会共同委員長/丸紅会長)
南米の豊かな大自然の保全に貢献
〜ブラジル・パラグアイ自然保護プロジェクト視察ミッション報告
大久保尚武 (日本経団連自然保護協議会会長/積水化学工業社長)
国際会計基準のわが国への適用について
島崎憲明 (日本経団連経済法規委員会企業会計部会長/住友商事副社長)
ChangeからRemakingへ
〜オバマ政権の展望と日米関係への影響
日本経団連米国事務所
第112回日本経団連労使フォーラム
激動の時代を切り拓く〜労使一丸となって新たな飛躍を
日本経団連事業サービス
住友林業の社員を巻き込む双方向コミュニケーション
〜事例に学ぶイントラネット社内報の効果的活用
西 修平 (住友林業総務部広報グループ)
〈調査〉
2007年度(第52回)福利厚生費調査結果の概要
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/005.pdf
日本経団連労政第二本部
〈調査〉
2008年定期賃金調査結果について
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/097.pdf
2008年昇給、ベースアップ実施状況調査結果について
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/096.pdf
日本経団連労政第一本部

● IT先進企業の経営革新〜活躍するCIOに聞く
総合旅行産業から交流文化産業へ
〜ビジネスモデル変革のツールとしてのIT
志賀典人 (ジェイティービー常務取締役)
● 経営者のひととき
ヘビ、国際交流のサポーター
幕田圭一 (東北電力会長)
● エッセイ「時の調べ」
絵を見に行く愉しみ
有吉玉青 (作家)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
カナダ留学のインパクト
中村政徳 (専修大学経営学部教授)

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