表紙イメージ 経済Trend ロゴ2010年5月号

子育てに優しい社会づくり
〜ワーク・ライフ・バランスの一層の推進を
今月の表紙: 星野祥代 作 「緑のアパート1ed. 8/10」 (エイブルアート・カンパニー登録作品)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

アジアの持続的成長により世界の繁栄を築く
〜アジア・ビジネス・サミットを開催
御手洗冨士夫 (日本経団連会長)
巻頭言
新たな大変革期を迎えて
中村邦夫 (日本経団連副会長/パナソニック会長)

特集
子育てに優しい社会づくり
〜ワーク・ライフ・バランスの一層の推進を

日本が持続的な経済成長を実現し、社会保障制度を確保するためには、少子化に歯止めをかけなければならない。日本経団連は、企業にワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進などを求めつつ、政府への提言も行ってきた。今後も「子どもは社会全体で育てる」という考え方に立ち、行政やNPOなど、さまざまな主体と協力していくことが重要である。いま求められている子育て支援のあり方について、議論する。
座談会
子育てに優しい社会づくり 〜子育て支援をめぐる動きと今後の課題
斎藤勝利 (日本経団連少子化対策委員会共同委員長/第一生命保険副会長)
日本経団連は、少子化対策は将来の国民の生活と社会基盤の維持に直結する国の最重要課題と考えている。まず、政府が、国民に正確なメッセージを発信することが重要である。企業も、子育てに優しい社会づくりに、自ら重要な役割を担うとの決意のもと、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組むとともに、国民運動や地域の連携に協力していきたい。
高尾剛正 (日本経団連少子化対策委員会企画部会長/住友化学専務執行役員)
企業は、ワーク・ライフ・バランス推進のためのさまざまな制度を整備してきた。これを実効性のあるものとするために、制度を利用しやすい職場風土づくり、社員の意識改革を進めることが課題である。政府には、財源の確保とその有効利用のために、少子化関連予算の規模や使途を点検・評価する場を内閣府内に設置するよう提案していきたい。
山田 宏 (東京都杉並区長)
待機児童の解消は、各自治体共通の課題であるが、都市部ではコスト、スペースの面で、さまざまな工夫が必要である。杉並区では、独自の基準で保育室を増設し、NPOなどと連携して対応している。また、「子育て応援券」というクーポン制度も成功を収めており、政府には、こうした成果を踏まえて、国からの少子化予算の自由度を高め、地域の裁量に委ねることを検討してほしい。
大日向雅美 (恵泉女学園大学大学院教授)
少子化対策は持続可能な社会保障の維持という観点に立って推進すべきであり、その中核として女性の労働力の活用とともに、それを実現するための保育制度の抜本的な改革が急務である。また「子ども・子育てビジョン」で示された“子育ては社会全体で担う”という理念の実現には、「新しい公共」の担い手として、当事者性、専門性を持ったNPOの活用と地位向上も必要である。
〈司会〉久保田政一 (日本経団連専務理事)

●子育て支援にかかわる政策動向を考える

●企業、地方自治体、NPOによる取り組み

●取り組み推進に向けた課題

●子育て支援にかかわる今後の政策課題と期待

少子化社会における企業の社会的責任
〜資生堂におけるワーク・ライフ・バランス推進策
前田新造 (資生堂社長)
仕事と子育ての両立を可能とする「働き方」の実現を目指せ
〜社員の時間制約を前提とした仕事管理・時間管理を
佐藤博樹 (東京大学社会科学研究所教授)
ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業の国際比較
渥美由喜 (東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長)
(ルポ)
各地域の「仕事と生活の調和推進企業」取り組み事例
〜ワーク・ライフ・バランス推進の効果や課題を探る
青山美佳・吉峰晃一朗 (ルポライター)
「出産・育児によって辞めなくてよい」職場づくりに向けて
セイコーエプソン人事部課長 伊藤 学氏
  • 使いやすい制度にどう改定するか
  • 負担感の軽減がカギ
ワークとライフの相乗効果を目指して
〜「ものづくり」企業のワーク・ライフ・バランス
太平洋工業執行役員人事部部長 棚橋俊徳氏/人事部課長 竹中拓也氏/人事部 今枝和子氏
  • 県内の製造業として最初の「くるみん」マーク取得
  • グループワークで社員たちの意識に変化が
ワーク・ライフ・バランスを考えない企業は生き残れない
千葉銀行人事部部長 鈴木政彦氏/人事部副調査役 山本悠介氏/広報部調査役 小笠原 潤氏
  • 三つの視点で施策を展開
  • 管理職の意識改革も重要
「会社に来るのが楽しいか?」
〜社員がいきいきと働ける職場づくりのために
はくばく管理本部総務・人事グループマネージャー 長澤武史氏/管理本部総務・人事グループ 山下奈々氏
  • 現場の意見を吸い上げる「いきいき委員会」
  • 成果とともに見えてきた課題と目標
● 担当者座談会
「いい仕事、いい人生」を実現しよう!
〜現場担当者が語るワーク・ライフ・バランス
川崎博子 (NTTドコモ人事部ダイバーシティ推進室長)
中川荘一郎 (高島屋人事部人事政策担当次長)
狩野尚徳 (キヤノン人事本部課長)
本山ふじか (住友商事人事部課長労務チームサブリーダー)
田中秀明 (司会:日本経団連労働法制本部長)

●ワーク・ライフ・バランスをどのように考えているか

●ワーク・ライフ・バランスは社内に浸透しているか

●ワーク・ライフ・バランス実現に取り組むなかで見えてきた課題

●社会全体でのワーク・ライフ・バランス推進に向けて


広報委員長対談
「日本の心」を世界に伝えたい
山下泰裕 (柔道家/東海大学体育学部長)
宗岡正二 (日本経団連副会長・広報委員長/新日本製鐵社長)
◆成長戦略提言◆
豊かなアジアを築くための二つの提言を取りまとめる
〜広域インフラ整備と金融協力の推進を求める
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/020.html
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/021.html
槍田松瑩 (日本経団連副会長・国際協力委員長/三井物産会長)
  • アジア成長戦略への取り組み
  • 広域インフラ整備の推進
    (1)地域経済統合の推進
    (2)アジア総合開発計画での重点を置くべき分野プロジェクト
    (3)広域インフラ等の整備を進めるうえでのODA等のあり方
    (4)官民連携の推進
    (5)海外大規模プロジェクトでのトップ外交の推進
  • 金融協力の推進
    (1)債券・株式市場の整備
    (2)中長期的課題
    (3)通貨の安定
  • 今後の対応
社会インフラとしての良質な住宅ストックの形成を目指して
〜「住生活の向上につながる成長戦略を求める」提言を公表
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/018.html
渡 文明 (日本経団連副会長・住宅政策委員長/新日本石油会長)
  • 足下の住宅市場の回復のための起爆剤を期待
  • 中長期的に良質な住宅ストックの形成、循環を進める
  • 芽生え始めた海外展開を後押しする
都市の発展を国全体の成長・拡大へとつなげる
〜「わが国の持続的成長につながる大胆な都市戦略を望む」提言を公表
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/017.html
岩沙弘道 (日本経団連副会長・都市・地域政策委員長/三井不動産社長)
山口昌紀 (日本経団連都市・地域政策委員会共同委員長/近畿日本鉄道会長)
  • 今後の都市政策に必要な視点
  • 民間の活力を引き出す都市政策を
  • まちづくりを新たな成長産業に
グリーン・イノベーションによる成長の実現を目指して
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/019.html
坂根正弘 (日本経団連評議員会副議長・環境安全委員長/小松製作所会長)
  • 環境分野の新成長戦略に対する基本的な視点
  • 最先端の技術の普及促進に向けた政策
  • グリーン・イノベーションの促進に向けて
  • 日本経団連の今後の取り組み
「イノベーション立国」に向けた今後の知財政策・制度のあり方
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/014/index.html
足立直樹 (日本経団連知的財産委員会共同委員長/凸版印刷社長)
  • 「イノベーション立国」を目指せ
  • 「イノベーション・ハブ」の強化を
  • 「イノベーション立国」に資する知財政策・制度の整備を急げ
新しい社会と成長を支えるICT戦略のあり方
〜ICTで新たな社会システムの構築を
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/013/index.html
渡辺捷昭 (日本経団連副会長・情報通信委員長/トヨタ自動車副会長)
清田 瞭 (日本経団連情報通信委員会共同委員長/大和証券グループ本社会長)
  • 新たなICT戦略の4つの基本視点
  • 重点的に取り組むべき5つの分野
  • PDCAサイクルの強化により着実な実現を

● 経営者のひととき
周りは迷惑かな?
松本和幸 (ナブテスコ社長)
● あの時、あの言葉
玄人好みのする会社
山下文隆 (大日本塗料社長)
● エッセイ「時の調べ」
水中の文化遺産が語りかけるもの
小山佳枝 (中京大学准教授(国際法))
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
留学の効用
宮本弘曉 (国際大学大学院国際関係学研究科アシスタントプロフェッサー)
● NEW FACE 新会員紹介
CHINTAI
ホテルオークラ
豆蔵OSホールディングス

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