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新しい全国総合開発計画に関する提言
−「新たな創造のシステム」による国土・地域づくりを目指して−

IV.各ブロックにおける地域づくりの課題

首都圏


地域の目指す将来像

良好な居住環境と都市基盤の形成

「経団連ビジョン『魅力ある日本』」(96.1)

地域の特性・ポテンシャルまたは発展阻害要因

  1. わが国の総人口は2011年をピークに減少に転ずる。東京圏の転出入人口は1994年に初めて転出超過に転じている。また臨海部等では工場移転により土地が遊休地化しているなど東京一極集中に変化が起きている。

  2. 未だ3000万人を超える人口を抱えている首都圏は、良好な居住環境と都市基盤を確保しているとは言いがたい状況にある。阪神・淡路大震災の教訓なども踏まえ、住宅密集地域における土地区画整理事業の推進、都心部、臨海部の再開発事業の推進、郊外部での大規模宅地開発などと合わせて、道路、鉄道、公園等の都市施設の充実が不可欠である。

  3. 東京一極集中是正の観点から、首都機能の早期移転が不可欠である。

  4. 内外各地域・都市との交流を行なう拠点となる空港等が不足している。

今後成長が期待される産業

  1. 若年人口の集中する状況や国際都市であることを生かした情報関連産業(コンピュータ関連産業,ソフトウェア開発業等),先端技術研究機能等

  2. ライフスタイルの変化を反映したショッピング、アメニティー等を提供する複合産業

  3. 少子化を反映した教育関連産業

  4. ライフステージに応じた多様な住宅等を提供する不動産業

重点的に推進すべきプロジェクト(推進主体)

  1. 常磐新線プロジェクト
    (郊外部における大規模な住宅開発を促進)
    推進主体=首都圏新都市鉄道株式会社

  2. 環状道路の整備
    推進主体=国、地方自治体

  3. 首都圏第三空港の具体化
    推進主体=国、地方自治体

  4. 首都機能の移転
    • 移転の早期実現と首都圏の再整備のめのグランドデザイン策定
    推進主体=国、地方自治体

プロジェクト推進のための課題

  1. 常磐新線プロジェクト
    • 一般公共事業として位置づけた国の補助
    • 資金調達の多様化(不動産小口化証券導入等)
    • 土地区画整理事業方式の活用(鉄道施設区の公共減歩の対象化)
    • 第3セクターにおける民間主導の経営体制の確立など、事業主体の事業採算性の向上

  2. 環状道路の整備
    • 放射方向の道路に比べ相対的に整備の遅れている環状道路など、首都圏における道路整備を進めるために必要な予算が確保できるよう、国の予算のあり方の見直し

  3. 首都圏第三空港の具体化
    • 21世紀初頭に空港容量が飽和状態に達すると見込まれる首都圏の航空需要を満たすために、首都圏第三空港の立地可能性に関する本格的調査を実施。建設候補地の決定等、その具体化

  4. 首都機能移転
    • 国民的コンセンサスの形成


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