[経団連] [意見書]

第6回経済運営と経済情勢に
関するアンケート調査結果

2002年2月4日
(社)経済団体連合会

I.調査の概要

経団連経済政策委員会(委員長:櫻井 孝頴 第一生命保険会長)では、下記により「第6回経済運営と経済情勢に関するアンケート調査」を実施した。

1.調査対象

経団連常任理事(団体会員を除く)および会長・副会長。合計207名。

2.調査期間

2002年1月7日〜1月28日

3.回答率

63%(207名中131名)

(参考)過去の調査実施状況

第1回調査
調査期間1999年8月27日〜9月9日
調査対象経団連常任理事(会長・副会長、団体会員を除く)
回 答 率58%
第2回調査
調査期間2000年1月11日〜1月27日
調査対象経団連常任理事(会長・副会長、団体会員を除く)
回 答 率64%
第3回調査
調査期間2000年6月12日〜6月22日
調査対象経団連常任理事(会長・副会長、団体会員を除く)
回 答 率59%
第4回調査
調査期間2000年12月4日〜12月20日
調査対象経団連常任理事(団体会員を除く)および会長・副会長
回 答 率58%
第5回調査
調査期間2001年8月2日〜8月27日
調査対象経団連常任理事(団体会員を除く)および会長・副会長
回 答 率61%

なお、第1回、第2回調査は試行調査であり、調査結果については基本的に公表していない。

II.調査結果

1.日本の景気回復時期

「本年10−12月期以降」との見通しが最も多く、全体の約84%を占めた。〔回答総数129〕

2.日本の実質成長率の見通し(2002年度)

2002年度における実質経済成長率(前年比)の見通しは、平均で「マイナス0.6%」となった(参考:前回調査時点(2001年8月)の2002年度実質成長率見通しは「プラス0.6%」)。〔回答総数131〕

3.米国の景気回復時期

「本年7−9月期」との見通しが最も多く、全体の約53%を占めた。〔回答総数129〕

4.米国の実質成長率の見通し(2002年)

2002年(暦年)における米国の実質経済成長率(前年比)の見通しは、平均で「プラス0.9%」となった。〔回答総数129〕

5.日本の物価増減率の見通し(2002年度)

2002年度における物価増減率(消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比)の見通しは、平均で「マイナス0.9%」となった。〔回答総数129〕

6.日本の株価の見通し

2001年度末(2002年3月末)における日経平均株価の見通しは、平均で約10,200円となった。2002年度の見通し平均は、それぞれ、最高値が約12,700円、最安値が約9,500円、年度末値が約11,900円となった。〔回答総数125〕

(単位:円)

日経平均株価
2001年度末値10183
2002年度

最高値12694
最安値9456
年度末値11890

7.対ドル円レートの見通し

2001年度末(2002年3月末)における対ドル円レートは、135円との見通しが最も多かった。2002年度については、最高値は125円、最安値は140円、年度末値は130円との見通しが、それぞれ最も多かった。〔回答総数127〕

8.日本の完全失業率

2001年度末(2002年3月末)における完全失業率(男女計)の見通しは、平均で5.7%となった。2002年度末の見通しは平均6.0%、集中調整期間中(今後2年程度)の最高値見通しは平均6.4%となった。〔回答総数128〕

(単位:%)

完全失業率
2001年度末値5.7
2002年度末値6.0
集中調整期間中の最高値6.4

9.財政運営

2002年度予算案における「新規国債発行30兆円枠」など、政府の財政運営方針については、「経済情勢に応じて弾力的な運用を行うべき」との回答が約64%と最も多かった。〔回答総数131〕

○「その他」の意見
  • 歳出の質的転換を考えるべき。
  • 構造改革・経済活性化に資する、メリハリのある予算配分とすべき。

10.ペイオフ解禁

ペイオフ解禁(2002年4月から流動性預金以外について解禁、2003年4月からは流動性預金も解禁)については、「予定通り実施すべき」との回答が約75%と最も多かった。〔回答総数131〕

○「その他」の意見
  • 公的資金投入とセットで、予定通りペイオフ解禁を実施すべき。
  • 予定通り実施すべきだが、混乱を避けるためには、P&A(破綻金融機関の資産・負債を受け皿金融機関に引き継がせる方式)の弾力的活用などの工夫が必要。
  • 金融システム不安への万全の対策を講じたうえで、予定通り実施すべき。
  • ペイオフ解禁の目的や影響に関する明確な説明が必要。

11.デフレスパイラルを阻止するための施策(複数回答)

デフレスパイラルを阻止するための施策としては、「規制改革」「財政構造改革・社会保障制度改革」「証券税制・土地税制の見直し」「不良債権処理の促進」「科学技術・教育・IT化の推進」を挙げる回答が多かった。〔回答総数530〕

○「その他」の意見
  • 経済活性化を促す税制改革
  • 相続税・贈与税の時限的停止、軽減
  • 住宅買い替え促進のための諸施策
  • 大型個人所得減税
  • 設備投資減税
  • 金利正常化を含めた、中長期的な金融政策運営方針の明示

12.経済財政諮問会議において重点的に検討すべき税目(複数回答)

経済財政諮問会議(議長:小泉首相)が予定している「税制抜本改革の検討」については、「個人所得税」「金融・証券税制」「法人税」「土地税制」などの検討に重点を置くべきとの回答が多かった。〔回答総数451〕

○「その他」の意見
  • 直間比率の是正
  • 税体系全体のあり方に関する包括的な検討
  • 経済活性化に資する税体系のあり方検討
  • 国民負担率のあり方に関する検討
  • 設備投資促進税制
  • 企業のリストラ関連税制
  • 連結納税制度を選択する企業に課される「付加税」の廃止
  • 住宅取得促進税制
  • 国・地方の税源配分の見直し
  • 石油諸税の抜本的見直し
  • 特定財源の見直し、目的税の一般財源化
  • 外形標準課税に関する検討
  • 公正な徴税方法に関する検討
  • 税制・財政に関する国民への情報開示と、広く国民からの意見聴取
以 上


第6回経済運営と経済情勢に関するアンケート調査結果(PDF版)


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