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企業行動憲章

2004年5月18日
(社)日本経済団体連合会

【序文】

日本経団連は、すべての企業や個人が高い倫理観のもと自由に創造性を発揮できる経済社会の構築に全力をあげて取り組んできた。その一環として1991年に「企業行動憲章」を制定し、1996年には憲章改定に合わせて「実行の手引き」を作成した。2002年の再改定時には、企業に対して社内体制整備と運用強化を要請するなど、経営トップのイニシアチブによる自主的な取り組みを促してきた。

そうした中で、近年、市民社会の成熟化に伴い、商品の選別や企業の評価に際して「企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)」への取り組みに注目する人々が増えている。また、グローバル化の進展に伴い、児童労働・強制労働を含む人権問題や貧困問題などに対して世界的に関心が高まっており、企業に対しても一層の取り組みが期待されている。さらに、情報化社会における個人情報や顧客情報の適正な保護、少子高齢化に伴う多様な働き手の確保など、新たな課題も生まれている。企業は、こうした変化を先取りして、ステークホルダーとの対話を重ねつつ社会的責任を果たすことにより、社会における存在意義を高めていかねばならない。

これまで日本企業は、従業員の潜在能力を引き出し企業の発展に結びつけるため、きめ細かい従業員教育や社内研修、労使協調に努めてきた。また、地域社会の発展への寄与、社会貢献活動や環境保全への積極的取り組みなど、企業の社会的責任の遂行に努力してきた。

社会的責任を果たすにあたっては、その情報発信、コミュニケーション手法などを含め、企業の主体性が最大限に発揮される必要があり、自主的かつ多様な取り組みによって進められるべきである。その際、法令遵守が社会的責任の基本であることを再認識する必要がある。そこで、今般、日本経団連は、会員企業の自主的取り組みをさらに推進するため、企業行動憲章を改定した。

会員企業は、優れた製品・サービスを、倫理的側面に十分配慮して創出することで、引き続き社会の発展に貢献する。そして、企業と社会の発展が密接に関係していることを再認識した上で、経済、環境、社会の側面を総合的に捉えて事業活動を展開し、持続可能な社会の創造に資する。そのため、会員企業は、次に定める企業行動憲章の精神を尊重し、自主的に実践していくことを申し合わせる。


企業行動憲章

― 社会の信頼と共感を得るために ―

(社)日本経済団体連合会
1991年 9月14日 「経団連企業行動憲章」制定
1996年12月17日 同憲章改定
2002年10月15日 「企業行動憲章」へ改定
2004年 5月18日 同憲章改定

企業は、公正な競争を通じて利潤を追求するという経済的主体であると同時に、広く社会にとって有用な存在でなければならない。そのため企業は、次の10原則に基づき、国の内外を問わず、人権を尊重し、関係法令、国際ルールおよびその精神を遵守するとともに、社会的良識をもって、持続可能な社会の創造に向けて自主的に行動する。

  1. 社会的に有用な製品・サービスを安全性や個人情報・顧客情報の保護に十分配慮して開発、提供し、消費者・顧客の満足と信頼を獲得する。

  2. 公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行う。また、政治、行政との健全かつ正常な関係を保つ。

  3. 株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を積極的かつ公正に開示する。

  4. 従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現する。

  5. 環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存在と活動に必須の要件であることを認識し、自主的、積極的に行動する。

  6. 「良き企業市民」として、積極的に社会貢献活動を行う。

  7. 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決する。

  8. 国際的な事業活動においては、国際ルールや現地の法律の遵守はもとより、現地の文化や慣習を尊重し、その発展に貢献する経営を行う。

  9. 経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範の上、社内に徹底するとともに、グループ企業や取引先に周知させる。また、社内外の声を常時把握し、実効ある社内体制の整備を行うとともに、企業倫理の徹底を図る。

  10. 本憲章に反するような事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、再発防止に努める。また、社会への迅速かつ的確な情報の公開と説明責任を遂行し、権限と責任を明確にした上、自らを含めて厳正な処分を行う。

以上


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