競争環境への移行
情報通信技術の活用を促進するためには、通信市場のあらゆる分野において競争を促進し、通信料金の一層の低廉化、通信サービスの多様化を図ることが不可欠である。しかしながら、わが国通信市場の現状は、競争導入の成果は現れているものの、地域通信市場は未だほぼ独占状態に置かれており、料金・サービス両面での利便性向上を阻む原因の一つとなっている。したがって、この独占的な市場において競争が機能する環境を整備することが通信行政に課された喫緊の課題である。
そのためには、競争を阻害している規制を緩和・撤廃するとともに、競争促進のための明確なルールを策定することが不可欠である。近年、「規制緩和推進計画」の下で通信分野においても市場区分の撤廃、参入規制の緩和等が進みつつあるが、さらなる規制緩和を断行し、最終的に市場原理に基づく競争に委ねるためにも、行政の裁量を排除した透明なルールを策定しなければならない。