[目次] [基本的考え方] [第I章] [第II章] [第III章] [おわりに]

通信市場における競争の促進に向けた課題
−接続ルールを中心として−

基本的考え方


  1. 情報通信技術の活用
  2. わが国にとって、21世紀に向けて経済社会構造の改革を進め、国民生活の質的向上ならびに経済活力の維持・強化を図ることが重要な課題となっている。そのための手段として、今日、国民生活および産業活動の基盤を成し、急速に進歩する情報通信技術を活用することは極めて有効である。そうすることは、行政をはじめとする公的部門の効率化にも寄与する。

  3. 競争環境への移行
  4. 情報通信技術の活用を促進するためには、通信市場のあらゆる分野において競争を促進し、通信料金の一層の低廉化、通信サービスの多様化を図ることが不可欠である。しかしながら、わが国通信市場の現状は、競争導入の成果は現れているものの、地域通信市場は未だほぼ独占状態に置かれており、料金・サービス両面での利便性向上を阻む原因の一つとなっている。したがって、この独占的な市場において競争が機能する環境を整備することが通信行政に課された喫緊の課題である。

    そのためには、競争を阻害している規制を緩和・撤廃するとともに、競争促進のための明確なルールを策定することが不可欠である。近年、「規制緩和推進計画」の下で通信分野においても市場区分の撤廃、参入規制の緩和等が進みつつあるが、さらなる規制緩和を断行し、最終的に市場原理に基づく競争に委ねるためにも、行政の裁量を排除した透明なルールを策定しなければならない。

  5. 接続ルールの重要性
  6. 競争促進のためのルールの中でも、とりわけ重要なのは事業者間接続のルールである。これによって、公正競争条件が整備され、地域通信市場はもとより、通信市場全体の競争が促進される。この点については、本年1月に経団連が取りまとめた「今後の情報通信市場のあり方に関する見解」においても強調しているが、先般、電気通信審議会接続の円滑化に関する特別部会より「接続の基本的ルール案」(以下、電通審案と略す)が公表されたのを機に、以下、地域通信市場における競争の促進、ならびに接続ルール問題に関するわれわれの見解を改めて明らかにしたい。


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