[目次] [基本的考え方] [第I章] [第II章] [第III章] [おわりに]

通信市場における競争の促進に向けた課題
−接続ルールを中心として−

III.市場原理に基づく競争に向けたスケジュールの明示


  1. 接続ルールの策定によって、全ての事業者が、より良いサービスを、より低廉な料金で提供することを競い合う共通の土俵が整備される。次に求められるのは、ユーザーに対する料金・サービス両面での利便性の一層の向上と、そのための規制緩和、特に料金・約款規制の緩和・撤廃に向けたスケジュールの明示である。

  2. その場合でも、公正な競争を促進するため、NTTにはそれ以外の事業者より厳しい規制を時限的に課し、競争の進展に応じて段階的に規制を緩和・撤廃していくべきである。以上の観点から、NTT以外の事業者については、国民経済、国民生活に係りの深い基本的なサービスは届出制とし、その他の競争状況下にあるサービスについては規制を撤廃すべきである。NTTについては、国民経済、国民生活に係りの深い基本的なサービスであって競争が不十分なものにプライスキャップ制を導入し、競争状況下にあるサービスは基本的に他事業者の場合と同等の扱いとすべきである。

    また、競争の進展に応じてNTTに対する料金・約款以外に関する規制も段階的に緩和・撤廃し、競争下で機動的・自主的に事業運営が行えるような環境を整備していく必要がある。

    以上に加え、第一種・第二種という事業者区分の見直しなど競争の枠組みの抜本的な見直しをも睨んだスケジュールを明示することが、通信市場の活性化をもたらすために不可欠である。

  3. なお、これらと並行してユニバーサル・サービスの負担のあり方についても検討する必要がある。そのためには、まず、ユニバーサル・サービスの範囲と、それにかかるコストを明確にし、その上で競争中立的な負担のあり方を決定すべきである。


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