Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年11月27日 No.3202  中堅・中小企業におけるダイバーシティの推進について説明聞く

経団連は12日、東京・大手町の経団連会館で中堅・中小企業委員会(立石文雄委員長)を開催した。同委員会では、労働力人口の減少が予測されるなか、中堅・中小企業の発展のためには、女性や高齢者、外国人など、多様な人材の活躍が不可欠であるとの認識のもと、ダイバーシティ経営の推進について議論を深めることとしている。

今回は、経済産業省のダイバーシティ経営100選運営委員でもある日本政策金融公庫総合研究所の深沼光主席研究員による講演と、三州製菓の斉之平伸一社長から同社の取り組みについて説明を聞き、意見交換を行った。講演と事例紹介の概要は次のとおり。

■ 経営戦略としてのダイバーシティ=深沼氏

ダイバーシティ推進のメリットは、多様な市場ニーズへの対応力の強化にある。経営戦略の一環として、競争力向上のための人材活用という目的意識を持って取り組むことが重要である。

施策推進に際しては、経営トップのコミットメントが欠かせない。進捗状況を確認できるよう、行動指針や目標を設定することも大切である。ただし、数値目標達成の自己目的化には注意が必要である。

多様な人材が活躍できる土壌をつくるためには、柔軟な働き方ができる環境の整備や、管理職のマネジメントスキルの向上、公正な人事評価、積極的な登用・配置などが求められる。

多様な人材の活躍を価値創造につなげるには、お互いの違いを認め合い、強みに変えられる職場風土づくりなどが欠かせない。

日本政策金融公庫総合研究所の調査では、仕事と家庭の両立支援における中小企業の特徴として、大企業に比べれば制度の整備等は進んでいないものの、勤務形態や休暇など、従業員ニーズに合わせて柔軟に対応していることが明らかになっている。経営トップと現場の距離感が近いというメリットを活かした対応が中小企業の強みである。

■ 三州製菓におけるダイバーシティ経営の推進=斉之平氏

当社は埼玉県春日部市で米菓や洋菓子の製造販売を行っている。菓子の購入は女性の決定によることが多いため、女性の活躍は大変重要と認識している。

仕事と家庭の両立には、「一人三役」制度が効果的なものとなっている。同制度は、従業員が自分の専門領域のほかに二つの専門能力を併せ持つことを目的に実施している。事務職も含めて多能工化することで、育児や介護による従業員の休業等を社内全体でカバーすることができる。

ただし、周りの従業員には一定の負荷がかかることから、お互いが助け合う風土づくりを並行して行っていくことが欠かせない。そこで、「一日一善」活動として、各職場の朝礼において、自身が経験した助け合いの事例を従業員同士で紹介し合うとともに、その内容はグループウェアを使って全社的にも共有している。また、従業員推薦で優秀者の表彰も行っている。

「一人三役」や「一日一善」をはじめとした施策の効果的な実施には、現場からの意見の反映が欠かせない。そこで、テーマごとに委員会を設置し、部門横断のメンバーで実施状況の把握や課題の解決に取り組んでいる。

これらの取り組みを進めた結果、女性社員の発案によるヒット商品が生まれたほか、女性管理職の比率や女性社員の勤続年数が上昇している。

【労働政策本部】