日本経団連タイムス No.3011 (2010年9月2日)

「第5期日本経団連グリーンフォーラム」が8月講座開催

−「目標達成のためのコーチング」講義と実習を交えて学ぶ


「目標達成のためのコーチング」をテーマに学ぶ
第5期日本経団連グリーンフォーラム8月講座の参加者

組織や部門をリードできるプロ人材の育成を目指す「第5期日本経団連グリーンフォーラム」が8月27日、東京都内で8月講座を開催した。今月のテーマは、「目標達成のためのコーチング」。コーチ・エィの本間達哉シニアエグゼクティブコーチを講師に迎え、講義と実習を交えて学んだ。

本間講師は、まず、コーチの役割について「“双方向”のコミュニケーションを通じて、目標を達成するために必要な知識や技術、ツールが何であるかを見つけ出し、それを相手に備えさせること」と紹介。コーチングは目標達成のためのものであり、その点でカウンセリングとは異なると述べた。また、コーチングによるコミュニケーションの特徴として、(1)双方向(インタラクティブ)(2)個別対応(テーラーメード)(3)継続(オンゴーイング)――を挙げた。

続いて、講師が用意した20項目にわたるコミュニケーションのアセスメント用リストを使って、簡単な演習を実施。メンバーは、「相手のモチベーションを上げる」「コンフリクト(衝突、争い)を超えて、お互いを尊重し合える」など、それぞれ自分が今後強化したい項目を選んだうえで、2人1組になり、コーチ役とコーチされる役を交互に経験した。本間講師は、特に効果的なコーチングの質問として、「なぜできていないか」という、分析を促す質問よりも、「これができれば、自分や組織にとってどんなよい影響があるか」といった、“将来に向けた”質問が重要と指摘。そのような質問を投げかけることで、より効果的に相手の自発性を引き出すことができると語った。

また、“双方向のコミュニケーション”を実感するため、本物のボールでキャッチボールを行い、「(始める前に)相手の同意を得る」「遠すぎず近すぎない、適切な距離間を保つ」「相手をよく観察しながら投げ方を調整する」「相手のボール(意見)を無視せず、きちんと受け止める」「自分のボール(意見)を一方的に投げつけない」など、コミュニケーションに不可欠な要素を確認した。

講座後半では、ペーシング(歩調合わせ)やチャンクダウン(具体化)について、さらに実習を行った。

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日本経団連グリーンフォーラムは、業務遂行力の向上を目指し、マネジメントスキルについて体系的に学ぶ実践的なプログラム。5月に第5期を開講(6月17日号既報)し、来年3月の修了式までに、キャリアデザイン(7月8日号既報)、リーダーシップ、マーケティング(8月5日号既報)、コーチング、ロジカル・コミュニケーション、ファシリテーション、ビジネス・ネゴシエーション、プレゼンテーション、プロジェクト・マネジメントなどの技法について、グループワークを交えた講義を実施する。
全講座修了後には参加者全員が修了式翌日を起点とする100日間の行動計画と、実行を担保する工夫を策定、100日後に成果報告を行う。
同講座に関する問い合わせは、日本経団連事業サービス(電話03‐6741‐0042)まで。

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