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「変わる企業の採用行動と人事システム」事例集
〜教育改革に向けての企業からのメッセージ〜

I. はじめに


経団連 創造的人材育成協議会では、21世紀を展望し、豊かで魅力ある日本を築くためには、あらゆる分野でいきいきと活躍する創造的な人材の育成が基本であるという認識に基づき、創造的な人材育成のための環境作りと学歴偏重社会の是正に向けた活動を行なってきた。

具体的には、96年3月に「創造的な人材の育成に向けて−求められる教育改革と企業の行動」と題する提言を取りまとめ、教育に関する規制緩和の推進や複線的・複眼的な教育システムの構築、家庭の教育力の回復など「教育界・行政・家庭への5つの提言」と、われわれ自らが実行すべき「企業・経済界の7つのアクション」を公表した。そして、様々な機会を捉え、教育界・行政など関係者に提言の実現に向けて働きかけを行なう一方、会員企業に対しても、採用のオープン化・多様化、個人のやる気と能力を引き出す処遇制度の構築等、自己改革を訴えてきた。

この間、95年、97年の2回にわたり、企業の採用行動等に関するアンケート調査を実施・公表し、(1)企業が採用にあたって「熱意・意欲」「協調性・バランス感覚」とともに「創造性」を重視しており、「出身学校」を重視している企業は、回答企業の僅かに過ぎない、(2)オープンエントリー制の拡大や通年採用をはじめとする、採用のオープン化・多様化が着実に進展していることなど、企業の採用行動の変化や人事・処遇制度の改革の現状を、教育関係者や社会に示してきた。

今般、創造的人材育成協議会は、これまでの統計的データを肉付けし、企業の改革への取り組み状況を一層、具体的に示すために、協議会参加各社の協力を得て、採用・人事・処遇・育成面での42社の現状を「事例集」として取りまとめた。

この「事例集」の公表が、経団連会員各社の自己改革促進に資するとともに、今まさに「変わりつつある企業の姿」を、教育関係者をはじめ、広く社会にアピールし、新しい時代に相応しい教育改革推進のための一助となることを期待する。


創造的人材育成協議会
会長 末 松 謙 一


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