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国民の信頼が得られる医療保障制度の再構築

はじめに


  1.  今後のわが国経済のグローバル化、高齢・少子社会を迎える中で、豊かで活力ある社会を実現していくためには、1997年度を財政構造改革元年と位置づけ、公民の役割分担を明確にしつつ、公共投資、文教、国と地方の関係など聖域なくあらゆる歳出項目にわたってゼロ・ベースで見直すという、抜本的な歳出構造改革に着手しなければならない。その際、最大の課題となるのが社会保障制度の改革である。

  2.  経団連では、既に10月15日、「社会保障制度改革の必要性と高齢者介護に関するわれわれの考え方」において、高齢者介護制度および社会保障制度の改革を進めるための基本的な考え方を示した。その中で、社会保障制度の改革は、高齢・少子社会に向けて、如何に活力ある経済社会を構築するか、という課題に答えながら進めなければならず、そのためにも、社会保障制度全体の将来ビジョンを示したうえで、個別制度の改革に取り組む必要があると指摘した。

  3.  現行の医療保障制度の問題は、医師、患者を問わず国民全体の問題となっており、適切かつ効率的な医療サービスの供給を将来にわたって保障することは国民の重大な関心事である。
     このため、医療保障制度については、来年度予算編成において、以下に指摘するような緊急対策を実施するとともに、経済的に持続可能なシステムとすべく、引き続き抜本的な制度改革を段階的に推進していく必要がある。財政制度委員会では、問題の緊急性に鑑み、下記の通り、医療保障制度改革の意見を取りまとめたが、引き続き医療、年金、福祉等を一体とする社会保障制度改革全体の将来ビジョンを年内に明らかにする予定である。


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